フランスを拠点に活動する動物愛護団体のSNSに今月9日、ロープをつけたアシカに子供を乗せたボートを引っ張らせる動画が投稿された。動画は『LADbible』『20 minutes』などのメディアが取り上げて拡散し、「これは虐待。今すぐ止めさせるべき」といった怒りの声が多数あがっている。

ベルギーのリエージュ州ユイにあるモン・モサン動物公園(Mont Mosan animal park)内で、アーロン・コペットさん(Aaron Copette)によって撮影された動画が物議を醸している。動画は同公園が提供するアシカによるエンターテインメントの一部を捉えたもので、日本語で「もう十分だ」という意味の名前を持つ動物愛護団体「C’est assez」のSNSに投稿されて拡散した。

動画は20秒足らずの短いもので、2頭のアシカが公園内のアシカ舎のプールを泳いでいる。先頭を泳ぐアシカには何もついていないが、その後ろを泳ぐアシカの首にはブルーの輪っかがはめられ、そこにロープが付いている。ロープの先には小さなボートが括り付けられており、その中には3人の子供が乗っているのだ。

ボートに揺られながらアシカを見つめる子供たちは幼稚園から小学生低学年くらいだろう。3人は楽しそうに笑顔を見せているが、ロープを付けられたアシカは水面から首を出して喘いでいるようにも見える。

「C’est assez」は主に海洋生物などの権利を訴えて保護活動をしており、創設者のクリスティン・グランジャンさん(Christine Grandjean、68)は次のように述べて抗議した。

「本来アシカは自然のなかにいるべきであって、エンターテインメントや金儲けのために捕らわれておくべきではない。アシカが自分で首に輪っかをはめることなどできるはずもないし、餌がもらえるからやっているだけ。こんなふうに動物を扱うのは間違っており、今すぐに止めるべきだ。」

さらにこの動画には「明らかに虐待」「動物のショーには問題が山積み」「行かないことで抗議すべき」「子供の教育にも悪い」といった声が多数あがり、動物公園のSNSには脅迫めいたメッセージまで送られたようだ。

しかしながら動物公園の管理者であるジーン・マーク・ファンベルグ氏(Jean-Marc Vanberg)は、こう反論している。

「このエンターテインメントを始めて数年経つが、これまで苦情があったことはない。アシカの首に直接ロープを巻いてはおらず、苦しくならないようにしっかりと訓練をしている。うちのような小さな動物公園を責めるより、世界で行われているクジラ漁による虐殺などに目を向けるべきだ。」

画像は『C’est assez 2020年8月9日付Facebook「MaJ : Mous vous remercions de rester courtois lorsqu’il s’agit d’interpeller un parc.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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