《人生ゲーム》や《モノポリー》など、多くの人が慣れ親しんでいるであろうボードゲーム。日本では子供用と捉えられることが多いが、欧米ではさまざまな世代が楽しめる、クリエイティブで知的な遊びとして定着している。この度、東京ドームシティのGallery AaMo(ギャラリー アーモ)にて、2020年8月14日(金)から23日(日)まで開催される『すごろくやPresents 世界のボードゲーム展』は、ゲーム世界を楽しみながら奥深さを知ることができるイベントだ。以下、見ているだけでわくわくしてくる展示の見どころを紹介する。
展示風景
栄えある賞を獲得したドイツのゲーム
ボードゲーム好きを魅了する作品がずらり
世界中のボードゲーム賞のなかで最も歴史と権威のある賞は、ドイツ国内で流通した新作ゲームの中で選ばれる、赤いポーンのロゴが目印の「Spiel des Jahres(ゲーム大賞)」とされる。本展では1979年から開始されたこの賞の歴代受賞作品が紹介されており、中には実物を見られるものもある。
水色のポーンのロゴが輝くのは、8歳までの子供でも遊べるゲームで最も優れた作品とされる「キッズゲーム賞」の栄誉にあずかったゲームだ。《にわとりのしっぽ》《おしゃれパーティ》《オバケだぞ~》など、タイトルだけでも印象的な受賞作の数々は、ゲーム自体がとてもかわいらしい。見本に触ることはできないが、子供たちは間近で見るだけで盛り上がるだろう。
ボードゲームの知育的効果
楽しみながら社会で生きる力を手に入れ、かけがえのない時間を過ごす
来場者には、ボードゲームの遊びかたのほか、子供たちへの知育的な効果を知りたい大人も多いだろう。本展では会場中央に貼られたパネルより、大学教授による教育上の効果の解説や、ゲームクリエイターが子供たちに提供する体験の深さ、対象年齢の考え方や姉妹・兄弟で遊ぶ際の留意点を知ることができる。また子供が負けてすねてしまったときや、ルール説明が難しい場合など、つまずきやすい点の解決策が導かれているのもありがたい。
展示風景
子供の場合、制約の中で行動することを覚えるのは社会に出る前の訓練として有効であるし、自分の力で解にたどり着く快感を知るのは知的好奇心と創作力の発展につながるだろう。目の前にある出来事がすべてではないし、一度失敗しても繰り返し挑戦できることなどは、精神的な強さを養う上でも役立つ。また、そういった教育上の効果を度外視しても、親子でかけがえのない時間を過ごすことができるという点で、ボードゲームは魅力的なアイテムであるといえよう。
展示風景
多彩な世界を堪能できるバラエティ豊かなゲーム
目的や好みに合わせて選択可能
会場には親子向けの作品のほか、大人同士でじっくり行うゲームや協力チーム戦、駆け引きを堪能するものなど、カテゴリーに分けて展示されているので、家庭で遊ぶ際にはもちろん大人同士で楽しむ場合など、目的に合わせて探し、選択することができる。
本展は物販も充実している。入場券があればボードゲームが5%オフになり、展示に登場したゲームの一部は購入可能となっている(物販コーナーへの入場は無料)。また遊びかたを紹介してもらえるコーナーもある。
スタッフによる実演紹介スペース
その他、クイズに参加すると大人気ゲーム《ナンジャモンジャ》ミニうちわがもらえるのも魅力の一つ(記念品は無くなり次第終了)。うちわの裏側には、本邦初公開となる「うしろ姿」が描かれている。《ナンジャモンジャ》のかわいいキャラたちはフォトスポットでも出会うことができるので、子供たちには忘れられない思い出になるだろう。
キャラクターに囲まれるフォトスポット
面白くてためになり、入場料はお得な300円、しかも小学生以下は無料(未就学児の単独入場は不可)という『すごろくやPresents 世界のボードゲーム展』。入場制限や換気強化、検温やマスク着用の徹底など、コロナ対策もしっかりなされており、この炎天下に会場が涼しく保たれているのも嬉しい。夏休みに是非堪能していただきたいイベントだ。
文・撮影=中野昭子
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