近所の子との会話で考えさせられたことを描いた漫画がSNS上で話題となっています。近所付き合いがまったくない家族の唯一の知り合いである小学生の男の子。ある日、その子と2歳の息子、母親の3人で帰っていると、男の子が「ママが帰ってくるまで1人でいる俺ってかわいそうなの?」と聞いてきて…という内容で「むちゃくちゃいい話」「すてきな返事だと思います」「考えるきっかけになりました」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

とても社交的で、ママを大切にする子

 この漫画を描いたのは、会社員のハル(ペンネーム)さんです。インスタグラムで育児漫画を発表しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

ハルさん「息子が生後6カ月の頃から、息子の面白かわいいエピソードを残したくて趣味で描いていました。インスタグラムに投稿し始めたのは2020年4月からです。自分の絵を誰かに見てもらいたい、子育て世代の方々と情報交換したい…という思いで始めました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

ハルさん「ご近所にお友達ができたことが素直にうれしかったんです。息子とお兄ちゃんのエピソードが多々あるので、まず、お友達になったきっかけを描きました」

Q.お兄ちゃんはなぜ、声を掛けてくれたと思われますか。

ハルさん「実はお兄ちゃんは何度か、私たちを見かけたことがあったみたいなんです。息子が人懐っこく、道行く人にも手を振る子で、いつもにぎやかに(うるさく)帰っています。お兄ちゃんはとても社交的な子なので、私たちに興味を持ってくれたのだと思います」

Q.お兄ちゃんは、どのような印象のお子さんなのでしょうか。

ハルさん「とても社交的で面倒見がよく、おしゃべり好きな子という印象です。あと、ママのことをとっても大切にしています。ママさんがうらやましい!」

Q.ハルさんの答えに、お兄ちゃんは納得しているようでしたか。

ハルさん「返答がなかったのでよく分かりませんが、あの笑顔と『お友達にしてくれた=お兄ちゃんにとって、少しでもプラスになる答えが言えた』と勝手に解釈しています(笑)このことがあって、以前より仲良くなれた気がします」

Q.「お友達」と言ってもらえたお気持ちは。

ハルさん「素直にうれしかったです!」

Q.子どもに向かって「かわいそう」と言ってしまう大人はどうでしょうか。

ハルさん「小学生も大人並みに言葉の意味を理解できていると思います。悪気はなかったのかもしれませんが、小学生相手でも物事をよく考えて話すべきですし、ましてや、いろいろなご家庭があるのだから、軽々しく言ってはいけないと思います」

Q.これを機に、何か考えたことがあれば教えてください。

ハルさん「わが子が誰かに傷つくことを言われたら…なんて、まだ考えたこともありませんでした。他人に傷つくことを言われても、やはり、親の言葉が一番だと思うので『自分はかわいそうではない。愛されているんだ』と伝わるように息子と向き合っていきたいです。今はそれくらいしか思いつきません。息子がもう少し大きくなってから考えます」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

ハルさん「『いい対応だったと思います』『お兄ちゃん、うれしかったと思います』『考えさせられました』というお言葉を頂きました。そもそも、近所の子と一緒に帰るなんて、世間的に私が不審者だと思われないかとドキドキしていました。温かいご意見ばかりでホッとしています」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

ハルさん「今後も息子との日々を面白おかしく、読者の皆さんにクスッと笑っていただける育児漫画を描いていきたいです。これからは絵のスキルを上げて、PR漫画や挿絵など、おこがましいですが絵のお仕事をすることが目標です」

オトナンサー編集部

近所の子との会話で考えさせられたことを描いた漫画のカット=ハル (ひーママ)(i.am.hi_mama)さん提供