窪田製薬ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、以下、「当社」)は、当社の100%子会社窪田ビジョン・インク(本社:米国ワシントン州、以下、「クボタビジョン」)が、スターガルト病を適応症として実施している治療候補薬「エミクススタト塩酸塩」の第3相臨床試験が、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、以下「FDA」という)より、Orphan Products Clinical Trials Grants Programの助成プログラムに選定されたことをお知らせします。

FDAは、希少疾患治療のための医薬品、生物学的製剤、医療機器、医療食品の臨床開発を促進するために、1983年からOrphan Products Clinical Trials Grants Programを実施しています。この助成プログラムは、希少疾患治療のための医薬品等の製造販売承認に貢献すること、また、それらの製品開発に必要なデータを提供することを目的としています。
なお、本助成プログラムより支給される助成金の総額は、3年間で最大163万ドル(約1.7億円)となります。

当社グループでは、2018年11月7日(米国時間)より、スターガルト病を適応症として、治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の第3相臨床試験を実施しています。当臨床試験は、ランダムに10mgのエミクススタト投与群とプラセボ群に2対1で割り当て、1日1回の経口投与を24ヶ月間行います。被験者登録も順調に進展し、2020年4月30日(米国時間)に194名の被験者登録が完了しております。

本件について、当社の代表執行役会長、社長兼最高経営責任者の窪田良博士は次のようにコメントしています。
「我々の臨床試験に対し、FDAの歴史あるプログラムから直々に採択率15%以下の補助金が得られたことは、我々のプロジェクトに対する期待の高さの証であり、非常に光栄なことで嬉しく思います。より良い新薬を一刻も早く患者様に届けるために、全力で取り組んでまいります。」

「エミクススタト塩酸塩」は、スターガルト病の新規治療薬候補として2017年に FDAから、2019年には欧州EMA(European Medicines Agency)からオーファンドラッグ認定を受けています。(2017 年1月6日付当社プレスリリース『「エミクススタト塩酸塩」のスターガルト病治療に対する FDA オーファンドラッグ指定のお知らせ』、2017 年1月6日付当社プレスリリース『「エミクススタト塩酸塩」のスターガルト病治療に対する欧州オーファンドラッグ指定のお知らせ』をご参照ください。)

なお、本件における当社の2020 年 12 月期の連結業績への影響は軽微です。

エミクススタトについて
眼球の奥にある網膜には、脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える働きをする「視覚サイクル」と呼ばれる仕組みがあります。この視覚サイクルは、明るい光や強い光にさらされると有害代謝産物を生成します。これが長期にわたり消化されないまま蓄積されると、視覚サイクルの働きに支障をきたすだけではなく、網膜自体が損傷され、視力低下あるいは失明にいたると考えられています。網膜には、こうした有害代謝産物の前駆物質を分解する際に活躍するABCA4という遺伝子があります。スターガルト病はこのABCA4遺伝子の異常により、網膜にビタミンA由来の有害代謝産物が過剰に蓄積されることで網膜内の細胞が損傷を受け、最終的には視機能障害をきたすと考えられています。エミクススタトは、視覚サイクルに不可欠な酵素であるRPE65を抑制することで、視覚サイクルを調節し、ビタミンAの代謝率を低下させます。これにより、スターガルト病の発症に関与すると考えられているビタミンA由来の有害代謝産物の産生が低下するため、網膜の機能維持に有用であると理論づけられています。

窪田製薬ホールディングス株式会社について
当社は、世界中で眼疾患に悩む皆さまの視力維持と回復に貢献することを目的に、イノベーションをさまざまな医薬品・医療機器の開発及び実用化に繋げる眼科医療ソリューション・カンパニーです。当社100%子会社のアキュセラ・インク(米国)が研究開発の拠点となり、革新的な治療薬・医療技術の探索及び開発に取り組んでいます。当社独自の視覚サイクルモジュレーション技術に基づく「エミクススタト塩酸塩」においては、糖尿病網膜症およびスターガルト病への適応を目指し、開発を進めております。また、網膜色素変性における視機能再生を目指す遺伝子療法の開発や、在宅・遠隔医療分野(モバイルヘルス)における、クラウドを使った医療モニタリングデバイス(PBOS)の研究開発なども手掛けております。
(ホームページアドレスhttp://www.kubotaholdings.co.jp

免責事項
本資料は関係情報の開示のみを目的として作成されたものであり、有価証券の取得または売付けの勧誘または申込みを構成するものではありません。本資料は、正確性を期すべく慎重に作成されていますが、完全性を保証するものではありません。また本資料の作成にあたり、当社に入手可能な第三者情報に依拠しておりますが、かかる第三者情報の実際の正確性および完全性について、当社が表明・保証するものではありません。当社は、本資料の記述に依拠したことにより生じる損害について一切の責任を負いません。
本資料の情報は、事前の通知なく変更される可能性があります。
本資料には将来予想に関する見通し情報が含まれます。これらの記述は、現在の見込、予測およびリスクを伴う想定(一般的な経済状況および業界または市場の状況を含みますがこれらに限定されません)に基づいており、実際の業績とは大きく異なる可能性があります。今後、新たな情報、将来の事象の発生またはその他いかなる理由があっても、当社は本資料の将来に関する記述を更新または修正する義務を負うものではありません。

配信元企業:窪田製薬ホールディングス株式会社

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ