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 海で警戒すべきなのはサメだが、淡水にも脅威が潜んでいる。7月末、カナダのオンタリオ州で川で釣りを楽しんでいた女性が、淡水魚に脚を噛まれ怪我をするという出来事が起こった。

 この魚はマスキーパイクと呼ばれる大型肉食魚だが、人間を攻撃したり餌として襲うことは滅多にないそうだ。現在、女性は自宅で回復中で、落ち着いたら傷の部分の整形手術を受ける予定だという。『Global News』などが伝えている。

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Muskie Attacks Manitoba Woman (Full Interview)

釣り中の女性、大型肉食魚マスキーパイクに脚を噛まれる

 カナダのマニトバ州ウィニペグに住むキム・ドライバーさんは、夫のテリーさんと一緒に毎年楽しみにしている釣りをするため、7月25日にオンタリオ州ミナキキャンプにやって来たが、予想もしない事故に遭遇してしまった。

 キムさんが、胸の深さまで水深がある川に浸かっていたところ、突然左脚に何かで軽く叩かれたような感触を味わった。

 次に、右脚を掴まれたような感じがして水中に目を凝らすと、ワニのような頭の形をした魚の姿が見えた。

 その瞬間、キムさんは激しい痛みに襲われた。その魚にふくらはぎ部分を噛まれたのだ。

 魚は、マスキーパイクと呼ばれる大型淡水肉食魚だった。マスキーパイクは鋭い歯でキムさんの脚に食いついたまま、まるで引きちぎろうとするかのように左右に動き、キムさんの体を下へ引っ張ろうとさえしたという。

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マスキーパイクが人間を攻撃することは非常に稀


 突然、水中でマスキーパイクに襲われたキムさんは、腕を宙に上げ、水中へそのまま引きずり込まれそうになった。

 叫び声を聞いた夫のテリーさんは事態を理解し、すぐに家族や友人に連絡。キムさんの怪我はとても深く、ケノラにある病院へ搬送された。

 この出来事に大きなショックを受けたキムさんは、後のインタビューでこのように語っている。

まさか、あの川でそんな目に遭うとは誰が予想するでしょう。信じられない出来事でした、痛みもとても酷いものでした。

 マスキーパイクは、カワカマス目パイク科の淡水魚で、主に米国中部にかけて生息している。

 大型の肉食魚で、とがった大きな口には多数の鋭い歯が生えており、魚類やアヒルなどの小動物を捕食するという。

 成長すると最大2メートルにもなり、普段は流れの緩やかな河川や湖沼、池などに生息しているマスキーパイクは、多くの釣り人に人気の魚だが、捕まえられることは稀だそうだ。


 まして人間を襲うことは非常に稀であると、ケノラでTank Industries Guide Serviceを運営するダーシー・コックスさんは言う。

マスキーパイクが、人を襲うというのは滅多になく、多分5~10年に1回発生するぐらいでしょう。

視力が弱いので、振動を感知して餌を捕まえますが、通常は魚とアヒルの区別もつかないようです。

ごく稀に人間が襲われる時は、手だけを水中でヒラヒラさせていたり、足を水に浸けていたりする時などで、それはマスキーパイクが餌と勘違いしてしまうことがあるためです。

キムさんの場合も、脚の一部を魚か何かと間違えたという可能性はあります。それにしても人間をこのように攻撃することは極めて珍しいことです。


 現在、自宅で傷が治癒するのを待っているキムさんは、傷の具合が落ち着けば整形手術を受ける予定になっているということで、「再び川に入る自信を取り戻すには、もう少し時間がかかりそう」と話している。

 ちなみに『侵入生物データベース』によると、マスキーパイクは日本国内では観賞魚として輸入されていたことがあるが、未定着だそうだ。

written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52293631.html
 

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