8月21日、映画「糸」の公開を記念して東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで舞台あいさつが行われ、W主演の菅田将暉小松菜奈、主要キャストの斎藤工榮倉奈々が登壇した。

【写真を見る】「絵画のよう」と表現され、小松菜奈は照れ笑い

本作は、中島みゆきの名曲「糸」をモチーフに、平成元年生まれの男女の“めぐり逢い”をテーマに描かれた壮大なスケールのラブストーリー。

本来なら4月に公開される予定だったが、新型コロナウイルスの影響でおよそ4カ月延期となり、この日の舞台あいさつも無観客で全国111の劇場に生中継されて約1万人が見守る形で行われた。

両親が先行上映で作品を見たという菅田は「すっごく泣いたって言ってました、映画館のトイレで(笑)。映画館のトイレに駆け込んだらしいです。親から『もっと優しい映画作ってよ』って言われてて、そう言えばハードな映画が多かったなって。だから(「糸」が)ちゃんと響いたんだなってうれしかったです」と笑顔を見せた。

「ちょうど今(初日)、お母さんが見てると思うんです」という小松は、「今日(21日)が初日ということで昨日は眠れませんでした。1時間ごとに目が覚めちゃって、ソワソワしちゃって…」と待ちに待った初日に高まる気持ちを抑えられなかったそう。

“人との出会い”が本作の大きなテーマの一つ。菅田と小松はこれまでに何度も共演しているが、菅田と榮倉、小松と斎藤はそれぞれ初共演となる。

菅田が「初めて父親を演じるということもあって、家庭という部分では全乗っかりというか、娘さんとの接し方とかは現場で榮倉さんを見ながらまねしていた感じでした」と榮倉への絶大なる信頼を伝えると、榮倉は「世代もちょっと離れてるし、初めて会う時、すごく緊張してたんです。『今をときめく菅田将暉くん、ドキドキ!』みたいになってて。でも、すごく楽しそうという言い方も変だけど、現場で伸び伸びとされていた印象でした。全く壁とかなくて、最初から楽しく撮影ができました」と初対面の印象を語った。

■ 斎藤「(小松が)絵かと思いました」

一方、小松と斎藤は「沖縄ロケが最初だったんですけど、海沿いに小松さんがいらっしゃって、絵かと思いました。絵画が動いているという印象でしたね」と斎藤が真剣に語ると、小松は「どうですかね? 本当、そう思いました?」と照れ笑い。

そして、小松は「沖縄の海になじみ過ぎていて、タンクトップに釣竿持って、麦わら帽子かぶってって。すごく大人な余裕のあるスマートな優しい風が吹いてました(笑)」と、“絵画”と言った斎藤に対して“風”に例えて答えた。

菅田が「現場のご飯にもチーズをかけてくれるんですよ!」と、榮倉との北海道ロケでチーズがおいしかったと話すと、小松は「アグー豚のしゃぶしゃぶ食べました!」と沖縄での食事の思い出で対抗し、斎藤も「勝ち組の味がしました!」と笑顔。

そんなふうに食べ物の話で盛り上がったが、榮倉は役作りのために過酷な減量を行っていた。

「台本に“痩せてる姿”というのがあったので、これは痩せないといけないんだと思って、めっちゃ太った状態でクランクインしようと思ったんです。でも、気付いたらクランクインしてて、全然太れなくて(笑)」と、計画していた“太る”作戦は失敗に。

「全部で2週間、7〜8kg落ちました。その後、2カ月空いて、元気な頃の姿の撮影があったんですけど、顔が全然太れなくて。菅田くんに引かれるぐらいすごく食べてたんですけどね」と体型のコントロールが大変だったと明かした。

最後は、菅田が「公開できることを心からうれしく思います。今日しゃべりながら、『過去、何回舞台あいさつやったかな?』って思いながらも今日のこういう状況と形式の舞台あいさつも今後ないだろうなって、思い出深い日になりました。未来を作る日になればと思います。どうぞよろしくお願いします」と思いを伝えた。

そして、小松も「中島みゆきさんの『糸』は多くの世代の方々から愛され続けていて、この映画もそんな一つになってくれたらうれしいと思いますし、この映画を見終わった後に、『いつもありがとう』なのか、大切な人をいっぱい抱き締めてあげてほしいな。と思いますけど、ソーシャルディスタンスとかいろいろあるので(笑)。

でも、心にすごく優しく、人に寄り添いたくなるような映画になっています。この映画が多くの心をつなぎますように。そう願っています」という熱いメッセージで舞台あいさつを締めくくった。

映画「糸」は全国公開中。(ザテレビジョン・取材・文・撮影=田中隆信)

公開中の映画「糸」に出演する斎藤工