子育て中のママを悩ます子どもの行動で有名なのは「イヤイヤ期」や、「魔の3歳」、そして「赤ちゃん返り」。どれも子どもが言うことを聞いてくれず、ママが困ってしまうのが共通しています。

【2人目育児】いつまでも手がかかる「甘える上の子」へのアプローチ4つ

なかでも赤ちゃん返りは、幼児期になって、それまでできていたことをやらなくなることを指すケースが多いようです。

イヤイヤ期や魔の3歳とは違い、明確に何歳で起きるとは予測できない赤ちゃん返り。具体的には、どのように対処をすればよいのでしょうか。

赤ちゃん返りってなに?

例えば、3歳くらいになるとほとんどの子どもが自分で靴を履けるようになります。しかし、ある時を境に、突然下駄箱などで「ママ、履けない」「履かせて」とぐずるようになってしまいます。これは赤ちゃん返りの一つです。

また、食事の時に急に激しい好き嫌いを言う、お出かけの直前で機嫌が悪くなって「嫌だ」「行きたくない」と駄々をこねる、下の子が生まれたのをきっかけに、上の子の方が歩くのを嫌がってベビーカーに乗りたがるというような、赤ちゃんに戻ってしまったかのような態度を言います。

忙しいママにとっては、赤ちゃん返りはやっかいな出来事かもしれません。

では赤ちゃん返りは、どうして起こるのでしょうか? 二人目の妊娠や出産後に、寂しさから上の子の赤ちゃん返りが始まるという話をよく聞きます。

また赤ちゃん返りというと、兄弟や姉妹がいる幼児が、一時的に寂しさからそのような態度を取っていると受け取られています。

でも、最近は下の子が生まれたというきっかけがなくても、一人っ子の間でも赤ちゃん返りが起きるようです。それはなぜでしょうか。赤ちゃん返りは、ママに構ってほしいことから起きる自然な行動だといいます。

1:話しかけられたら、きちんと対応する

現代は、共働き家庭も増えたにもかかわらず、育児はママがメインの家庭もまだ多く存在しています。また在宅でも仕事ができるデスクワークの場合、家に帰ってからも持ち帰りの仕事をしているママもいるかもしれません。

そんな状況だと、保育園などで日中はママと離れて過ごしていて寂しかった子どもたちは、家に帰ってからも心が休まることを知りません。

子どもが「この本を読んで」や、「一緒にこの人形で遊ぼう」と話しかけてきたのに、つい「今、忙しいから後にして」と言ってしまったこともあるのではないでしょうか。

赤ちゃん返りは、じつは構ってほしいという気持ちの裏返し。

まずは、子どもが伝えたいと思っていることを聞いてあげて。なにげない会話が、安心感へとつながります。

できれば、内容に否定しないで「どうしたの? 」と聞いてあげてください。絵本の読み聞かせなどをしても良いかもしれません。子どもの顔を見ながら、話を聞いてあげる時間を作る。意外と簡単なようで難しいことが、赤ちゃん返りを防いでくれます。

他の対処法は?

2:一緒にお風呂に入るなどスキンシップを増やす

二人目の妊娠中や出産後に上の子が赤ちゃん返りをしてしまう。そんな時は、もしかしたらスキンシップの時間が足りないのかもしれません。

特に、新生児や乳児の世話に追われてしまい、上の子のお風呂はパパが入れている場合、子どもが甘えられる時間が足りないのかもしれません。

一緒にお風呂に入る機会ができたら、子どもが一人で体を洗ったり、髪の毛を洗えるようになっていても、抱っこで洗ってあげましょう。下の子に気を使って甘えられない場合、自然とママと肌を密着させたスキンシップができます。

子どもとお風呂に一緒に入るのも、意外と重労働ですが、「大きくなったね」と一緒に成長も喜んであげれば、自然と赤ちゃん返りもしなくなっていきます。

3:兄弟や姉妹がいる場合は一人っ子デーを作る

もしも、下の子の妊娠や出産がきっかけで、それまでしっかり者だったお兄ちゃんやお姉ちゃんが、赤ちゃん返りをするようになったら、可能だったら上の子がママを独占できる一人っ子デーを作ってあげてください。

もしかしたら、その赤ちゃん返りは「寂しさ」や、「お兄さんやお姉さんでいなければならない」責任感からきているのかもしれません。

ママと二人だけで、近所のファストフードや、公園で遊ぶだけでも、子どもは同じ時間を過ごせることを喜んでくれます。もちろん、育児中のイライラは忘れて楽しい時間を過ごすようにするのを忘れずにいましょう。

4:お手伝いをしてもらって自立心を芽生えさせる

一人っ子の赤ちゃん返りの場合、普段から一緒に過ごす時間は十分なケースもあるかもしれません。それなのに、つい「これは嫌」「やりたくない」と自分で靴を履かなくなったり、本当は歩けるのにベビーカーに乗りたがるような赤ちゃん返りがもしも始まったら、どうすればよいのでしょうか。

赤ちゃん返りは、幼稚園に入園した時や、引っ越しなど環境が変化したときに起こるともいわれています。違う環境へのとまどいから、そのまま小さい子の気分のままでいたいとふるまうのかもしれません。

そんな時は、「あなたはお兄さんなんだよ」、「お姉さんなんだよ」という役割を与えてみてください。

例えば、脱いだ服はちゃんと洗濯カゴに持っていく。洋服をたたんでしまう。明日の保育園や幼稚園の準備をしてみる。

いきなり、料理や洗い物を手伝ってもらうというような特別なことではなくて大丈夫です。日常生活で、毎日自分でできるようになってほしい、些細なことで大丈夫です。

「自分のことは自分でできる」自負が芽生えて、自信となれば赤ちゃん返りもしなくなっていくはずです。

赤ちゃん返りとは、子どもが甘えたいとい気持ちの裏返しとも言えます。いつもきちんと子どもと向き合っていると思っていても、なかなかゆっくりとした時間は取れていないかもしれません。

もしも子どもが赤ちゃん返りをしてしまったら、今まで以上に子どもとの時間を大事にするようにしてみてください。