人気俳優の「手」にフォーカスした連載『キミと手をつなぎたい。』。デート中のようなドキッとしてしまうグラビアと、占い師・真木あかり先生による手相診断から見えてくる、プライベートな一面に迫った好評インタビュー連載に、『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日)で主演を務める高橋文哉さん(19)が登場!

令和初の仮面ライダーであることはもとより、主役のライダーを務める俳優としては初の21世紀生まれということでも注目を集めた高橋さん。“料理人”を目指していた高校時代、そして俳優としての道を歩き始めた今も共通する「みんなを笑顔にしたい」という仕事への思いを垣間見ることができた。

取材・文 / 望月ふみ 撮影 / 増永彩子

◆タフで粘り強い頑張り屋さんタイプ。「初舞台の初日前日、トイレで悔し涙を流しました」

ーー まず、鑑定結果に「どんなことでもまっすぐに物事に立ち向かい、困難をものともせず頑張っていくタフで粘り強い『地の手』を持っている」と出ていて、さすが『仮面ライダーゼロワン』だなと思いました。

わー、ありがとうございます。こう見えて意外に頑張り屋さんです(笑)。何か決めたら諦めたくないタイプです。

ーー 一方で「非常にデリケートで傷つきやすい性格」「人前では頑張り屋さんでもひとりになると落ち込みやすかったりする」と。

当たってます……家とか、トイレとか、ひとりで落ち込むタイプですね(苦笑)。初舞台の稽古のときも、演出家の方が求めていることが思うようにできなくて、悔しくてトイレで泣きました。初日の前日、もともと12個だけだったセリフも8個カットになって、本当に落ち込みました。でもそのとき、共演者の先輩がご飯に連れていってくれて、「そんなこと全然あることだし大丈夫だよ。俺の初舞台なんてセリフなかったし」と元気づけてくれたんです。すごく支えられて、気持ちを切り替えて初日に臨めました。もちろん反省点はありますが、千秋楽では、「この舞台に出られてよかった!」と思いました。そのときも陰で泣きました。

ーー 悔しい思いをされた初舞台の翌年にスタートした『仮面ライダーゼロワン』。ご自身の成長は感じていますか?

お芝居にすごく貪欲になれた気がします。最初に比べたら、自分から監督のところに相談に行って、「ここはこうしたいんですけど」といった意見を提示できるようになりました。

ーー 役を全うした1年間は体調管理もしっかりされていたかと思います。手相では「体力はあるけれど、繊細でストレスを受けやすい」と出ているようです。

いやぁ、手相ってすごいですね。実はマネージャーさんと、「手相で色々分かるわけないよ」と話してたんです(苦笑)。もともと占いとかもあまり信じない……というか、聞いちゃうと左右されちゃうので、聞かないようにしていたんですが……ストレスかぁ(しみじみ)。ストレスがあっても家族にも話さないですし。でも、この1年でだいぶ、ストレスも寝たら「ま、いっか」と消化できるようになりました!

ーー そうした繊細さは「芸能のお仕事に向いている」ようですよ。

やった! でも……お芝居って難しいですよね。さっきも空き時間に新しい脚本を読んでいたのですが、お仕事を重ねるにつれて、最前線に立たれている方たちの凄さを身に染みて感じています。

◆「心は不器用だけど…(笑)」。料理学校時代は「桂むき」で学年1位に!

ーー お仕事運が分かる運命線はまだ発展途上のようで「まだあれこれチャレンジしている最中なのでは」とのことです。俳優になる前は、料理人を目指していたと別の記事で拝見しました。

そうなんです。子供の頃、母の誕生日にご飯を作ってあげたら、すごく喜んでくれて。その笑顔を見ていて、家族はもちろん、他の人も笑顔にできたら幸せだな、やりがいがあるなと思って、料理を専門に勉強する高校に行きました。「美味しい」と言ってもらえるのがすごく嬉しいんです。母の誕生日には朝から下準備を始めて、フルコースを作ったり。新しいことを覚えたら真っ先に母に見せたいと思っていました。

ーー すごいお母さん思いなんですね! 料理人さんは手先が器用なイメージですが、高橋さんも?

鍛えられて器用になりました。でももともと裁縫とかは中学の頃とかもできていたから、不器用ではないです。心は不器用ですけど(笑)。

ーー あはは(笑)。この料理なら負けない! というものはありますか?

料理じゃないですが、「桂むき」は得意です。高校生のころは、1日1本は必ず剥いていました。「桂むき」のテストがあって、学年1位を取りました。

ーー すごい!

一度負けたのが悔しくて、ひたすら剥いてました。そのころ、母がお店を始めていたので、どんどん剥いても、そのままツマとして使ってもらえるし、1階の厨房の隣が僕の部屋だったので、ちょっと剥いてはゲームして、また剥いてと(笑)。

ーー やっぱり努力家ですね。

努力家というより、頑張り屋さんですかね?(笑)。

ーー そこから芸能界という全く違う道に進んだわけですが、お母様から反対は?

もともと母は、2人の兄のことも芸能人にしたかったので反対はしませんでした。僕は一度小学生の頃に、ちょっと怪しげなところにスカウトされたんです。お金だけ取られちゃいそうな(笑)。そのときも、母だけじゃなくて、親戚総出で「文哉のためにみんなでお金を出そう」みたいな感じになって。その頃の僕はバレーボールに夢中で断りましたが、憧れの職業として胸の奥にはあったので、高校2年生のときにご縁があって、事務所に所属させていただきました

ーー 親御さんの反応はいかがでしたか?

その時は母も心配していました。「失敗したら何も残らないのが怖い」と。なので、高校2年生のときに泊まり込みで料理のアルバイトをして経験を積んで、お店の方にも認めていただいて、学校も卒業するからと母に安心してもらってから決めました。

ーー 何もないどころか、『仮面ライダーゼロワン』主演に!

僕が一番ビックリしてます(笑)。報告したときは、家族も「文哉がライダー?!」って驚いてましたが、すごく喜んでくれました。特に覚えているのは、情報解禁になったときです。記者会見を携帯で見れたので、そのときの家族LINEが「意味が分からない」と荒れまくってました(笑)。母は、暇さえあれば毎日録画した『ゼロワン』を見ているそうです。有難いです。

ーー とても大きな仕事をつかみましたが、診断では「もっと活躍の幅を広げ、場合によっては世界にフィールドを広げるのも良いかも」と出ています。

世界!? 海外!? 本当ですか?……(診断書を見て)ほんとだ、書いてある(笑)。世界かぁ、正直全然わからないです。まずは英語を勉強しないとダメですね。毎日1単語ずつ? 5年あれば話せるようになるかな(笑)。

ーー チリも積もれば、ですかね。ちなみに以前から、窪田正孝さんが憧れと公言されていますが、キャリアを積んで、少し距離は近くなってきましたか?

いや、遠いです。というか、むしろ離れていっている気がします。お芝居をすればするほど、窪田さんの凄さを知る。ほかの役者さんについてもそうです。

ーー どんな役者さんになっていきたいですか?

役者さんに尊敬される役者ですかね。幅の広い役を演じられている方とか。この前『キングダム』を観ましたが、山崎賢人さんに惹かれました。コミカルなところから始まって、親友を殺されて、その恨んでいる相手と一緒に戦うといった、気持ちの移り変わりがしっかりと伝わってきました。僕だったらどういう表情をするかなとか、セリフを真似したりしています。
※「山崎賢人」の「崎」は、たつさきが正式表記

ーー 現場での居方への意識は?

現場を明るくするような人になりたいです。映画で山本耕史さんと共演させていただいたときに、リハーサルの前に「どこに住んでるの?」と聞かれて、「◯◯に住んでます」と答えたんです。そのときの山本さんのセリフが、「こいつはどこから来たんだ。未来から来たらしい」というセリフだったんですが、リハーサルのときに「◯◯から来たらしい」って言ったんです。

ーー あはは!

現場がドッカーンと明るくなって大爆笑でした。僕も笑って芝居できなくなったくらい(笑)。そのとき、僕ら、すごく緊張してたんです。絶対、それが芝居にも出ていたんですよね。空気を変えるためにされたんだと思います。ステキですよね。あんな風になりたいです。

◆高橋文哉から目を離さずにいていただけたら後悔させません!

ーー 続いて「恋愛運」。

恋愛運! まだ19歳なので気になります。

ーー 「非常にモテる!」。

え~、学生時代とか全然モテなかったです! 取材で「本当はモテたでしょー」みたいなキャッチ&リリースを何度もしてますけど……高校時代は本当にモテませんでした。おちゃらけたタイプだったので、友達からも「モテないだろうね」と言われてました。

ーー あとは「非常に気遣いができるタイプですが、コミュニケーションは意外なほどさっぱりで、そっけないと誤解されることもあるかもしれません」とも。

手相占いってすごい! 100点! 10日間くらいモニタリングしたんじゃないですか(笑)? 結構僕、気分屋なところがあるので、そっけないときもあると思います。

ーー いつもニコニコしているイメージですが気分屋な一面もあるんですね。あと、「傷つくのが怖いタイプで、相手からのアプローチで付き合う」とあります。

自分から告白はしますが、確かにフラれるのは怖いので、相手も自分のことを好きだと確信してから言います(笑)。

ーー なるほど(笑)。そして気になる結婚は「40代」。

(手をパンと叩きながら)さすが! でも40でも早いですね。「自分のお給料を全部あげちゃう!」くらいの気持ちになれないと(結婚)したくない。僕、母子家庭なんです。だから母を大切にしてれくる人がいいですし、大変そうな母の姿を見てきましたので、家庭にも母にもお金を入れるとなると…50歳でもまだ早いな(笑)。

ーー 最後は「金運」

うっし! めちゃくちゃ興味あります。

ーー ちょっと言いづらいんですけど……。「現状ではきれいさっぱりありません」と。

え……(笑)! 

ーー 「投資などで一攫千金を狙うようなことは向かないので、地道に収入を得て貯蓄を増やしていくことが重要」だと。

僕、将来自分の家を買うという目標があるんです。兄が24歳で家を買っているので、それまでに買えたらいいなと考えてます。母にも家を買ってあげたいので、その為にもっともっと頑張らなければいけないなと。

ーー 最後に。『仮面ライダーゼロワン』もクライマックスですが、ファンの方にメッセージをお願いします。

役者としてお芝居でみなさんを笑顔にするのが僕の夢です。

ーー 料理人を目指したときも「周囲を笑顔に」とおっしゃっていました。そこは共通していますね。

そうなんです。「人を笑顔にしたい」「元気にしたい」。料理は目の前の人を喜ばせることができますが、今のお仕事は、顔が見えない人たちも幸せにできる。仕事への思いは共通しています。みなさんに楽しんでいただきたいですし、もし楽しんでいただけたら、何かしらの形で伝えてくださると嬉しいです。頑張る糧にもなるので。高橋文哉から目を離さずにいていただけたら後悔させません!

料理人への道から芸能界へ――『仮面ライダーゼロワン』高橋文哉の思い。「みんなを笑顔にしたい!」は、WHAT's IN? tokyoへ。
(WHAT's IN? tokyo)

掲載:M-ON! Press