キッチンのゴミ箱置き場には扉を付けない

これから家を建てる人は、ゴミ箱置き場やゴミ箱の大きさ、数について、じっくり考えてみるといいでしょう。ゴミという生活に密着しているモノの流れを考えれば、自分の暮らしの動線がリアルに見えてきます。結果、暮らしやすい家づくりが可能に。
日刊住まいライター・永井恵理子さんが、自身の経験を語ります。

ゴミ箱のタイプや位置を、家が建つ前に検討しておくべき納得の理由

建築中にキッチンのゴミ箱の置き場所問題が発覚!

今まで使ってきたゴミ箱たち

4年前家を建てている最中に、筆者がふと思いついたのは「キッチンで使うゴミ箱の置き場所を考えてなかった!」ということでした。
建築家に相談のメールを送ると翌日、「ゴミ箱のサイズは分かりますか?」と返信が。この時点では新居で使うゴミ箱も決めていません。そこで今までどんなふうにゴミ箱を使ってきたのか、これからどんなふうにゴミ箱を使いたいのかを考えたのです。
それまでのゴミ事情は:

  • キッチンには無印良品の大きなゴミ箱を設置
  • 各部屋には100均の小さなゴミ箱を設置
  • ゴミの収集日に、小さなゴミ箱内のゴミを大きなゴミ箱へまとめて、廃棄

上記のやり方が私にとってはラクなので、新居でも同様にすることに。

替えてよかった横に開くゴミ箱

ただ、大きなゴミ箱は、45Lから30Lに買い替えました。ゴミ箱のスッキリとしたデザイン、容量のわりにコンパクトで目立たないところが気に入っています。フタの開閉向きが選べるようになり、横に開くフタをチョイス。今の家に使いやすいです。

ゴミをどう分別するかを考えておくことも大事

ゴミの分別でゴミ置き場をどうするか考える

次に考えたのは、ゴミの分別です。私が暮らす自治体では、生ゴミ、紙、プラスチックはすべて可燃ゴミ。不燃ゴミは金属や割れたガラス器や陶器など。ビン、缶、古紙、ペットボトル、金属、小型家電は資源ゴミとして分別します。

「そのすべてを分けて入れるためにゴミ箱を用意すると場所を取るな」
そう考え、資源ゴミは状況に応じて変えられるよう緩く分別することに。袋を引っかけて使うタイプのモノを用意しました。

サイズを決めて建築家に相談。収納の一部をゴミ箱置き場に

収納スペースをゴミ箱置き場に変更

それぞれのサイズを明記して建築家に伝えると、キッチン背面のカウンターの下に、ゴミ箱置き場を設けてくれました。元々すべてを収納スペースにする予定だった場所です。
建具屋さんにカウンター下の扉や棚を発注する前だったのが幸いでした。

また、ゴミ箱置き場に扉をつけるかどうか悩みましたが、ゴミを捨てるたびに扉の開け閉めをする煩わしさを思いやめました。オープンになっているからこそキレイに保とうと意識できるのがいいと思ったからです。

もうひとつ、暮らし始めて気付いたことがあります。勝手口に面したこの位置にゴミ箱置き場があることが、実はとても便利だったということ。

勝手口に面したこの位置にゴミ箱置き場があると便利

以前はゴミの日にゴミを集めるとき、フタをあけたままにしていると結構臭うし、ニオイが部屋の中に残るのが気になっていました。でも今の家ではゴミ箱の目と鼻の先にある勝手口からウッドデッキに出て、勝手口を閉めてからゴミをまとめる作業ができるので、ニオイが家の中にこもることがなくなりました。

ゴミ箱置き場を考えると暮らしの動線が見えてくる

もしこれから家を建てるなら、ゴミ箱置き場やゴミ箱の大きさ、数について、じっくり考えてみてはいかがでしょう?

今まで暮らしたことのないエリアに家を建てるなら、その自治体のゴミの分別を調べてみることも忘れずに。小さなことのように思えますが、日々の暮らしに密着しているのでとても大切なことだと感じます。

私自身、ゴミ箱置き場を決めておらず最初は「ヤバい!」と思ったのですが、ゴミという生活に密着しているモノの流れを丸一日かけてじっくり考えたら、自分の暮らしの動線がリアルに見えてきてよかったと感じています。

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