小惑星「2018VP1」が地球に最接近

小惑星2018VP1」が地球に最接近

 また新たに地球へ向かって飛来する小惑星があるようだ。「2018VP1」と呼ばれる小惑星が地球に最接近するのは、11月2日と予測されている。奇しくもアメリカ大統領選の前日である。

 世界最大の新型コロナ感染者を出し、人種差別が絡む問題で国内が分断されたアメリカ。最近では中国との緊張もエスカレートしており、選挙の行方はアメリカ国民でなくとも大いに気になるところだ。

 そんな重要な日の前日に飛来する小惑星は、はたして吉兆なのか? それとも凶兆なのか?

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直撃する可能性はかなり低いがゼロではない

 2018VP1は、カリフォルニア州にあるパロマー天文台が2018年に発見した小惑星だ。直径2メートル程度と小さいために、いわゆる「潜在的に危険な小惑星」とはみなされていない。

 NASAジェット推進研究所によると、それが衝突する確率は0.41%で、直撃する危険性はかなり低く見積もられている。とはいえその確率はゼロではない。

 ただし、仮に地球と衝突する軌道にあったとしても、小さいので大気圏に突入した際にバラバラになってしまうそうだ。


An asteroid is on possible collision course with Earth this November: Should we be worried?

続々と地球に忍び寄る危機

 潜在的に危険な小惑星は、地球近傍小惑星の中でも特に地球と衝突する可能性が高く、かつその際の影響が大きいだろうと考えられている小惑星のこと。

 140メートルを超える地球近傍小惑星は、9割がすでに発見されているとのことだが、そうした監視網をくぐり抜け、ひそかに忍び寄る天体がないわけでもない。

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Pixabay

8月20日、インド洋上空を小惑星が最接近していた


つい先日となる8月16日には、インド洋南部の2950キロ上空を小惑星が通過。「2020 QG」と呼ばれるそれは、車くらいの大きさで、このサイズの小惑星としては最接近記録だった。

 車に匹敵する大きさだったにもかかわらず、その飛来は前もって予測されていたわけではなく、検出されたのは最接近から6時間後のことだ。


Asteroid Almost Hits India, Nobody Noticed!

 ただし、仮に地球への直撃コースに乗っていたとしても、やはり大気圏で爆発してしまい、それほど影響はなかっただろうと考えられている。

 ジェット推進研究所・地球近傍天体研究センターのディレクター、ポール・チョダス氏によれば、おおよそ45度に曲がって、地球をそれて行ったそうだ。

 日本でも8月21日午後10時半すぎ、関東地方上空で非常に明るい流れ星「火球」が観測されていて、小惑星のかけらではないかと言われている。


関東上空でまた火球 明るさ満月級、小惑星の欠けらか

 もしかしたら「2020 QG」の置き土産って可能性もあるのだろうか?とにかく我々人類は地上のみならず上空にまで気を配らなければならない感じだ。

References:NASA warns asteroid is heading towards Earth right before US elections - AS.com/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52294022.html
 

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