7月27日よりABEMAにて放送開始となった『今日、好きになりました。夏空編』(以下:今日好き)。同番組は、現役高校生たちが2泊3日の“恋の修学旅行”を通して、運命の恋人を見つけるまでを追いかける、胸キュンあり、涙ありの甘酸っぱい青春リアリティーショーだ。

 以下、8月24日に公開となった第5話の見どころをレポートする。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

(参考:最終回前の“駆け込みツーショット”続々! 『今日好き 夏空編』涙と葛藤の第4話

 第4話終盤の“気になる展開”から、今週までずっと気を揉んだ視聴者も多かったことだろう。『紫陽花編』で恋に落ちた小林希大(きだい)を心の片隅で忘れられない石川涼楓(すずか)と、そんなすずかに健気なアプローチを見せる酒寄楓太(ふうた)。ふうたは、3日目の朝にビーチを散歩する約束をこぎつけるも、前日のギリギリのタイミングで、すずかから「(行くか)悩んでいる」という相談をされるなど、依然として雲行きの怪しさが漂っていた。

 翌朝、ふうたは明け方の眩しい波打ち際にしゃがみこんで、すずかを待つ。すずかが来るだろう宿泊先の方を何度も振り返っていたが、彼女がようやく現れ、ふうたの神妙な面持ちがようやく解けたのは、しばらくしてからのこと。それでも、この後に待つのは、すずかの悲しすぎる“告白”だったのだ。

 この日、彼女が夕方を待たずして出した答えは、旅のリタイア。当初から「吹っ切れた」と語りながらも、「この旅に来ても、正直思い出しちゃうことがあって」と、きだいの存在をやはり忘れられなかったすずか。「昨日の夜、めっちゃ考えて、たぶんこのまま旅を続けても、次の恋に進まなきゃと思いすぎて……」と、ふうたに対して慎重に言葉を選びながらも、最後には「もうあと1日しかない時点で、この旅で好きな人はたぶんできないと思うの」と、リタイアの意志をはっきりと伝えたのだった。

 すずかにとって、ようやっと自分の気持ちに素直になれたのだろう。間違いなく、ふうたの優しさが彼女の本心を引き出したのだ。その答えを受けて、ふうたは後に「したかったです、(きだいとの恋の)上書き」と悔しさを滲ませていたが、すずか本人の前では「自分でもこんなに好きになると思ってなくて……大好きでした」と涙を拭いながら想いをぶつけ、最後には「ありがとう」と感謝を交わし合っていた。

 これまでの旅でも、自身の想いに整理をつけられず、悩み抜いた末にリタイアという結末を選んだメンバーはいたが、大切なのはこの後の歩みをどう正解にするかだろう。きだいが次の旅に参加する保証はない今、すずかはもちろん、彼女を本気で好きになったふうたにも、ぜひ前向きな道を選んでほしいし、すぐに切り替えられないとは思うが、自身を慕う横田未来(みらい)と向き合う機会としても、残りの時間を大切に過ごしてほしく思う。

 そこから、女子からの最後のアピールタイムに突入。それぞれが話したい男子を指名する場面で、まずは梅原麻緒(まお)が動く。指名した相手は、前日に作ったオリジナルハンカチを交換すると約束している天野冬海(ふゆみ)だ。

 ハンカチを交換しながら、お互いの現状報告をすると、告白当日ながらも「まだ意中の相手を絞り切れていない」と明かすふゆみ。そんなふゆみに対して、彼が周囲の“男らしくなってほしい”という期待に応えていることから、「(以前よりも)もっとかっこよくなってるなって」と、嬉しい言葉を投げかける。また、別れ際には「昨日話して、もっと話したいなとずっと思って……好きになったなって」と締め括った。ツーショット内容としてはやや端的だったが、掴むべきポイントがしっかりとしているだけに、まお本人としても好感触だったようだ。

 さらに、ふゆみは川畑愛真(えま)ともツーショット。前日のクルージングデートを経て、「やっぱりえまは、ふゆみくんのことしか思ってない」と、えまは最初から勝負に出て、2度目の手繋ぎに成功する。ふゆみこそ「最後まで考えさせて」と返事をしていながらも、2人だけの穏やかな空気感が共有されていたように思えた。すると、えまから「待って……三線弾いていい?」と、THE BOOM「島唄」を歌うという突然の沖縄感ある提案が。『紫陽花編』でも、ふゆみは瑛人「香水」のセッションがあっただけに、これにはスタジオメンバーからも「ふゆみのツーショには音楽が必要やから!」というコメントが投げられた。

 そして、第5話のハイライトといえるのが、三島啓史(けいし)と三野宮鈴(すず)による、『今日好き』の歴史で語り継がれるだろうツーショット。ここでは、まだ告白の相手を悩んでいるすずがけいしを誘ったのだが、その理由として、彼が初日夜に猛アピールした“すずのかわいいところを10個言う作戦”が、ボディブローのようにじわじわと効いてきた様子。すずのもっと話したいという気持ちを引き出したとのことだ。

 また、けいしはすずの悩みをしっかりと受け止めつつ、前述した彼女のかわいい部分について「もっとあるけどね!」とさりげない一言を添えて微笑み返したり、「本気だよ、俺は一途だから」と力強い言葉を掛けたりと、最終日にして落ち着いた雰囲気だ。話の聞き手に徹したこの日のけいしに対して、すずの方が逆にたどたどしくなっていた点に、わずかな心変わりの可能性を感じられたといえる。

 ……かと思うと、「最後に言いたいこと言っていい?」と、けいしはおもむろに立ち上がり、海の方へと近づいていく。もう一度、「言うよ? 聞いててね?」とじっくり溜めると、真っ青な大海原に向かって「聞いて! すず大好きだよーー!」と、顔をくしゃくしゃにした精一杯の笑顔で、最大級の恋心を爆発させた。

 『夏空編』ダイジェスト映像でこそ、このあまりに開放感ある清々しいシーンについて、スタジオメンバーは「三代目J SOUL BROTHERSのPV」と称していたが、最高の夏に甘酸っぱい胸キュンを届けてくれたけいし。この不器用なほどのストレートさこそ彼の人間力であり、『今日好き』の歴史に刻まれる究極のワンシーンとなった。もはや爆笑状態だったが、すずの心もおそらく、ぐっと引き寄せられたことだろう。ちなみに、ツーショットが終わった後の帰り際には、けいしが一人、「写真撮るの忘れた!」とハッと気付く完璧なオチも。ただ、すずの心には写真以上の思い出を残せただろうから、心配ないかと思われる。

 次週はいよいよ、運命の告白回を迎える。ふうたとみらいはどんな結末を迎えるのか。ふゆみやすずの恋心を射止めるのは誰になるのか。もう間もなく、ひと夏の淡い恋の全貌が明かされようとしている。

(一条皓太)

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