インテルはメッシ獲得のためにオーナーグループが特別な資金を用意する方針か
バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシはクラブへ退団の意思を伝えたと報じられ、その動向が注目されている。とはいえ、このレベルの選手を抱えるにはクラブにかなりの財政的な力も必要とされるだけに、イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」は現実的にメッシを獲得できるクラブはどこかと特集を組んでいる。
メッシは下部組織時代からバルセロナで過ごしてきた生え抜きの象徴的存在だが、今季はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でバイエルンに2-8の歴史的大敗。シーズン中の監督交代もあり、国内タイトルも含め12シーズンぶりの無冠となった。さらに、新監督にロナルド・クーマン氏を選定した判断もメッシにとっては不服なもので、クラブに対する不信感はピークに達して退団の意思を示したとされる。
2021年まで結んでいた契約では違約金7億ユーロ(約880億円)が設定されていたが、メッシ側からは契約打ち切り可能な条項が存在。バルセロナ側は6月10日で失効していると主張しているが、メッシは新型コロナウイルスの影響でシーズンが延びたことにより、現在からの行使を主張。これが認められれば、他クラブへの移籍も現実的なものとなる。
イタリアメディアだけに、セリエAの強豪インテルが獲得を夢見ているとの先日の報道からも、インテルが獲得の一番手として取り上げられた。元会長のマッシモ・モラッティ氏は、現在のオーナー企業になっている中国の蘇寧グループがメッシ獲得となれば特別な資金を用意する方針があることをコメントし、「今年は正しい年かもしれない」と、移籍実現の可能性を示唆している。
マンチェスターの両雄、フランス王者PSG、米MLSの2クラブも可能性があると指摘
一方で、バルセロナで指導経験を持つジョゼップ・グアルディオラ監督が率いるプレミアリーグのマンチェスター・シティ、資金的には問題ないとされるマンチェスター・ユナイテッドの両クラブも有力な選択肢に挙がった。一方で、シティに関してはファイナンシャル・フェアプレールールへの懸念から、メッシを獲得した場合でも支払いの持続可能性については疑問符があるとされている。
CL決勝で敗れたフランス王者パリ・サンジェルマン(PSG)もまた、資金的には可能性のあるクラブの一つだ。ブラジル代表FWネイマールとバルセロナ以来の共闘をさせ、フランス代表FWキリアン・ムバッペを交えたトリオの形成には可能性があるとしている。一方で、こちらも給与支払いの持続性については確証がないという評価になった。
そして、アルゼンチン復帰に関しては「示唆に富むが重要性の低い仮説」と言及。一方で、米国メジャーリーグサッカー(MLS)に関しては、元イングランド代表デイビッド・ベッカム氏が共同オーナーのインテル・マイアミと、元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチ(ACミラン)らもプレーしたロサンゼルス・ギャラクシーが、欧州以外では可能性のあるクラブとされている。
果たして、バルセロナ一筋のキャリアで栄光を積み重ねてきたメッシは今夏にどのようなキャリアの分岐点を迎えるのか。世界中からの注目が集まっているのは間違いのないところだ。
(Football ZONE web編集部)
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