20年を過ごすバルセロナへトランスファーリクエストを出したことで去就が大きな注目を集めているアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ。しかし、地元は大きな騒ぎとなっているようだ。
ニューウェルズ・オールドボーイズでサッカーをしていたメッシは、2001年に13歳でバルセロナのカンテラに加入。そこからの輝かしいキャリアは説明するまでもないだろう。
バルセロナでは、731試合で634ゴール285アシストを記録し、ラ・リーガ10回、チャンピオンズリーグ4回など、34のタイトルをもたらせている。
そのメッシが退団を口にしたことは、世界中でも大きな話題に。そして、どこでプレーするのかが最も関心を集めている。
移籍先候補筆頭はマンチェスター・シティとされ、その他にも、パリ・サンジェルマンやインテルの名前も挙がっている。
そんな中、地元のアルゼンチンではファンがパレードを行っているとイギリス『BBC』が報じた。
パレードを行ったのはメッシが幼少期にプレーしたニューウェルズのファンたち。メッシの故郷であるロサリオの街に集まり、呼び戻そうとパレードを行ったようだ。
バルセロナに入団するまでプレーしたニューウェルズにとっては、世界的大スターにまでに成長したメッシの復帰は願っても無いことだろう。
かつてメッシも古巣への復帰を口にしたことはあるが、誰もがキャリアのラストだと考えていたはず。もちろん、バルセロナからの移籍でという形だっただろうが、まだ先だと考えていたはずだ。
しかし、33歳とまだ第一線でプレー可能なメッシがバルセロナを退団すると言われれば、当然復帰を希望する。
もちろん、資金力もクラブとしての力も強いライバルがいるなかで、いくら故郷のクラブと言えどもニューウェルズに復帰する可能性は低いと考えるのが普通だろう。
しかし、その可能性が“ゼロ”と言えない前例がある。それが、“神の子”ディエゴ・マラドーナだ。
マラドーナは、アルヘンティノス・ジュニアーズでキャリアをスタート。その後、ボカ・ジュニアーズを経てバルセロナへと移籍。ナポリで名声を上げると、セビージャでプレーしていた1993年にニューウェルズに加入した。年齢は33歳。今のメッシと同じ年齢だ。
ピッチ外での問題も大きく抱えていたマラドーナだったが、母国の英雄が加入するとあって、ニューウェルズのファンは多いに沸いた。結果として、契約問題などもあり7試合しかプレーしなかったが、マラドーナが来たのだから、メッシが戻らないとは言えない。しかも、古巣だ。
クラブの副会長であるクリスチャン・ダミコ氏はアルゼンチン『Tycスポーツ』で「マラドーナがやってきて、誰もがありえないと思っていた。ニューウェルズのファンには、我々のシャツを着る最高の選手を夢見ていませんか?」とコメント。マラドーナのようにメッシが戻ってくることを期待するファンを煽る発言もしている。
世界中のサッカーファンの意見とすれば、バルセロナを退団してもヨーロッパの第一線でプレーする姿を見せて欲しいというものだろう。衰えを感じることもなく、まだまだ多くのゴールを見せてもらいたいものだ。
それはニューウェルズのファンも同様の考えの様子。サポーターズクラブの責任者であるジェイミー・ラルフさんは「メッシはニューウェルズのために1日ならプレーすると思うけど、個人的にはまだ早過ぎると思う」と素直な心境を語っている。
古巣に帰って来て欲しい気持ちもありながら、やはりトップで輝き続けて欲しいと願うのもファンの心理だろう。
ただ、アルゼンチンに帰る可能性は、まだ“ゼロ”ではない。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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