夏の風物詩として、これまで610 万人を動員してきた国内最大級の音楽フェスa-nation」。19回目を迎える今年は、コロナ禍により史上初となるオンライン・フェス「a-nation online 2020」として、8月29日に、Blue Stage、Green Stage、Yellow Stageという3ステージの有料チャンネル、そして、Purple Stage、White Stageという2ステージの無料チャンネルという計 5 ステージにて開催された。

【写真を見る】MCでは流ちょうな日本語でもあいさつ!

■ “K-POP界のアベンジャーズ”、SuperMがa-nation初出演!

アジア各国からの参加アーティストの中で、今年、一番注目を集めたのは韓国から初参加したSuperMだろう。

「K-POP界のアベンジャーズ」と例えられるSuperMは、日本でのコンサート動員が168万人を超えるSHINeeのメンバーにしてソロアーティストとしても絶大なる人気を誇るテミン、全世界でのCDセールスが1,000万枚を超えるEXOのメインボーカル・ベクヒョンとダンスの要・カイ、アメリカツアーも成功させたグローバルグループNCT 127のリーダー・テヨンとさまざまなグループを兼任しているスーパーラッパー・マーク、そして中華圏を中心に活動の幅を広げるWayVから驚異の10頭身・ルーカスと無重力のようなダンスを見せるテンという、最高のグループの最強のメンバーから構成されたチームだ。

昨年の全米デビューと同時に、「ビルボード200」1位という快挙を達成。日本でも4月に東京ドームでの公演が予定されていたが、日本公演はコロナ禍で中止に。しかし中継ではあるが、8月21日に『ミュージックステーション2時間SP』(テレビ朝日系)で日本のテレビ番組への初出演を果たすと、その規格外のパフォーマンスで大きな話題となった。

■ まさにアベンジャーズらしい完璧なパフォーマンスを披露!

映画『アベンジャーズ』を彷彿させる壮大なサウンドで始まったのは、デビュー曲「Jopping」。サビで全員がそろう部分は、まるで映画のクライマックスの様相。その中で各人が自分のパートで見せ場を作る。歌詞は、ほぼ英語。もはや海外進出している韓国グループはK-POPという枠を超えて、世界のスタンダートで勝負をかけている。

ベクヒョンの天を割くような高音、すべてを炎で包み込むようなカイのダンスは、誰が見ても超一流。とにかく、一瞬たりとも彼らのパフォーマンスから目が離せない。

「Super Car」は、マーク、テヨン、テンのラップパートと、ベクヒョン、テミンのボーカルによるメロディーパートが美しいケミストリーを作り上げる楽曲。自分をSuper Carに見立て、世界を疾走するという歌詞を「ブーン」というエンジンの音を交えてユーモラスに表現している。最後にはカイとルーカスも加わり、7人での力強いエンジンの音をとどろかせた。

■ SuperMが語るオンラインライブならではの良さとは?

トークパートでは、「SuperMとしては初出演ですが、a-nationにはそれぞれのグループで出演したこともありますよね」とベクヒョンが話題を振ると、「a-nationといえば、夏。夏の暑さに負けない熱いステージですが、今回はオンライン公演なんですよね」というカイ。

そして「オンラインの最大の利点は、世界中どこの国でも同時に楽しめるという点です」というテミンに、テヨンが「今日は韓国からステージをお送りしていますけれども、最近はアメリカの番組や日本の『ミュージックステーション』にもオンラインで出演しました」と続けると、カイが「僕たちの表現する音楽や姿をリアルタイムで多くの方々に楽しんでもらえるということですよね」と、この状況での活動をかみしめた。

そして話題は、9月25日リリースされる新アルバム『Super One』に。ルーカスが「僕ら、新しい曲を準備していますよね」と振ると、ベクヒョンが「「100」という曲が配信開始されたばかりですが、まもなく「Tiger Inside」という曲も配信されます。カッコいい曲なので、たくさん期待してくださいね」と手でトラのジェスチャーを見せながら紹介。

テミンも「この2曲だけでなく、アルバムに向けてたくさんの曲を準備しています。皆さんに引き続き良い姿をお見せしたいと思いますので、応援してください」と意気込みを伝えた。

■ 最後はミュージックステーションで披露され話題になったあの曲!

テンの「聴いてくださ~い」という前振りで始まった「With You」は、レディー・ガガの呼びかけで行われたチャリティー・コンサート『One World: Together At Home』で披露された曲。唯一のK-POPアーティストとして出演した7人は、自宅からすっぴんで、日常の「おうち時間」を紹介しながら参加して話題となった。

激しいダンス曲が続いていたが、この曲ではマイクを手に「一緒に楽しみましょ~」と、横1列に並んで7人7様の歌声を届けてくれた。

続く「Dangerous Woman」は、そのまま7人が美しいハーモニーを重ねてスタート。7人の声が重なるサビのユニゾンはもちろん、ダンスの要のカイが楽しそうに笑顔で歌っている姿も印象的だったが、ダンス曲とボーカル曲、どちらもキチンとこなせるのが彼らの強みだ。

最後の曲を前にテミンが、「今年はオンラインでの開催となったa-nationでしたけれど、いつもと変わらないエネルギーで楽しんでもらえたならうれしいです。ありがとうございます。またお会いしましょう!」と日本語で呼びかけると、テヨンが「最後までパワフルにいきましょう! 聴いてください「100」!」と最後の曲を紹介し、『ミュージックステーション』でも披露した新曲「100」をパフォーマンス。

リズミカルなベース音に乗るテヨンとマークのラップに、特徴的な低音のルーカスのラップがアクセントをつける。テミンとベクヒョンの延びのある歌声に併せて、軽やかに舞うカイとテン。それらがすべて美しく融合する。まさにエースの集合体、他のグループが超えられない高い壁を見せつけられた圧巻のステージだった。

【SuperM セットリスト

1. Jopping

2. Super Car

-MC-

3. With You

4. Dangerous Woman

-MC-

5. 100(ザテレビジョン・取材・文=坂本ゆかり)

a-nationに初出演したSuperM