9月1日防災の日。1923年のこの日に発生した関東大震災では、10万人以上の死者・行方不明者が出ました。(※1)現在、日本では地震や台風、豪雨などさまざまな自然災害が相次いで発生しています。最近では新型コロナウイルス感染症COVID-19)の影響によるステイホーム期間中に、食料品や生活用品を買いだめする人々の姿も話題になりました。

災害はいつ私たちを襲ってくるか分かりません。日頃からの備えが大切ですよね。みんなの防災に対する意識や、家庭で心がけたい防災対策などについて、ちょっと考えてみましょう。

(※1)「9月1日 防災の日 今日は何の日?」なるほど統計学園 総務省統計局

「防災対策をしている人」は45.2

セコム株式会社は、2020年8月18日に「防災に関する意識調査」を公表しました。これは、20代以上の男女計500名(20代~60代以上の男女各50名)に対象に、インターネット上のアンケートで実施したものです。

この調査の結果、「今後、災害の増加や被害が拡大する可能性があると思うか」という質問に対して「そのように思う」と答えた割合は22.8%、「どちらかといえばそのように思う」は63.2%となりました。合わせて8割以上もの人が、今後大きな災害が起きると予感しているようです。

その一方、「防災対策の有無」に関する質問において、「対策をしている」と回答した割合は45.2%でした。「大きな災害が起こるかもしれない」と思いつつ、防災対策までは手が回っていない人が多い、というのが実状のようです。

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ステイホームで見直される「ローリングストック」

では、具体的にはどのように「いざというときの備え」を行えばいいのでしょうか。ここで、「ローリングストック」という考え方をご紹介しましょう。

これは、「普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく」という方法です。(※2)(日常の中で備蓄と消費のサイクルを繰り返すことで、「消費期限が切れていた」「使い方や食べ方が分からない」といった事態を防げるメリットがあります。

なお、農林水産省の「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」で推奨されている備蓄量は「最低3日分、大規模災害に備えてできれば1週間分程度」です。まずはレトルト食品などを数日分用意し、「食べたら補充すること」を意識しましょう。

カセットコンロや乾電池など、非常時に活躍する生活用品についても、同じように備えておくと安心ですね。特に、携帯電話やスマートフォンの充電対策は忘れないようにしたいものです。

(※2)「備蓄の心得 ローリングストックについて」トクする!防災 一般財団法人日本気象協会

一歩先を見据えた対策を

ローリングストックに加え、「二次災害の対策」を行っておくことも大切です。とくに大きな地震では、津波、火災、液状化現象などの二次災害が起きる可能性があります。

大きな家具は固定しておく、高台や避難所の場所を示した地図などを目立つところに貼っておく、防炎カーテンに替えるなど、入念な対策をしておきましょう。

また、災害時に備えたお金の準備も必要です。以下の点を踏まえながら、防災グッズと一緒にセットしておきましょう。

  • 小銭をたくさん用意しておく

  • 本人確認書類のコピーなどを入れておく

  • 取引している金融機関リストを作成しておく

  • 現金や重要書類などは、濡れないようビニール袋などに入れておく

災害時は、お釣りの受け渡しや現金の引きおろしが難航する可能性があります。多めの小銭や本人確認書類があれば、スムーズに対応できるでしょう。スマートフォンや携帯電話にデータを保存しておく、家計簿ソフトに登録している金融機関の一覧を印刷しておく、といった方法もよいかもしれません。

さいごに

今すぐ着手できる防災対策はたくさんあります。「食料の備えはしていたけれど、お金の備えはしていなかった」と気づいた方もいるのではないでしょうか。

大災害は突然やってきます。「備蓄はある程度あるから大丈夫」「以前に買った防災グッズを長年放置している」なんて人は、防災の日を機に再確認してみましょう。「備えあれば憂いなし」です。

【参考】
(※1)「9月1日 防災の日 今日は何の日?」 なるほど統計学園 総務省統計局
防災に関する意識調査」セコム株式会社
(※2)「備蓄の心得 ローリングストックについて」トクする!防災一般財団法人日本気象協会
緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド農林水産省