撮影=Tatsuya Kawasakiisai.inc)

 活動10周年を迎えた天月-あまつき-8月29日と30日、幕張メッセイベントホールより『天月-あまつき- 10th Anniversary Live Final!!~Love&Pop/Rock&Cool~』を行った。活動10周年を締めくくる同ライブは4月に開催予定だったが、コロナウイルス感染拡大の影響により延期、中止も考えられたなか、無観客生配信という形で実現した。ライブは「Love&Pop」と「Rock&Cool」とセットリストを変えたテーマで2日間開催。天月の2面性を打ち出したライブは2日間合計で5万人が視聴した。新曲「ライフ イズ ビューティフル」や「Dear Moon」などアンコール含め全16曲を披露した29日の「Love&Pop」の模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

僕は本当に成長できているのだろうか

撮影=Tatsuya Kawasakiisai.inc)

 会場の真ん中でアコギを抱え「Dear Moon」をギターで弾き語り始める天月。美しいライティングが幻想的で、一気に世界観に惹きこまれる。ワンコーラス歌い上げると、「やっぱりダメだなあ…俺」と天月。突如スクリーンに投影された天月の家に住んでいる正宗の遠い親戚だという“マサえもん”とのやりとりからスタート。マサえもんからの叱咤激励に、ネガティブな言葉を漏らしていた天月は、「あれから10年、僕は本当に成長できているのだろうか。証明して見せる、自分の成長した姿を」と、『Love&Pop』の幕は開けた。

 ゴージャスなバンドサウンドによるオープニングから、青と赤を基調としたジャケット衣装を着た天月が登場。「Love&Pop楽しんでいこう!」と投げかけ、1日目はコミカルなラブソングかいしんのいちげき!」でスタート。シャボン玉がステージ上に舞い上がる演出も幻想的。4人のダンサーとともに華麗なダンスで極上のポップスサウンドを届けた。この日のライブの特色として、2人のブラス隊を起用し、煌びやかなサウンドで彩っていたのが印象的。続いて、軽快なリズムの「恋に溺れて」、憂鬱な気分を晴らしてくれるような「ライフ イズ ビューティフル」と、3曲連続で披露。楽しそうにパフォーマンスする姿が印象的だった。

 MCではチャットコメント欄に届いたメッセージを確認しながら進行。離れていても繋がっていることを感じ取れた瞬間。「自由に楽しんでほしい、心も体も解してほしい」と、モンゴル800のカバーで「小さな恋のうた」を歌唱。天月の温もりのあるエネルギッシュな歌声で、オリジナルとはまた違う魅力を届け、“恋のうた”を響かせた。心に寄り添う歌声が、一気に距離感を縮めてくれるような感覚を与えてくれた「きみだけは。」。そして、天月が「この会場で歌える日を待ってました!」と、感情が溢れた「ホシアイ」とメロディアスな2曲で楽しませてくれた。

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 ファンクポップ的なオシャレなインストをバックに、サポートバンドメンバーとダンサーを紹介。カジュアルな衣装にチェンジした天月が再びステージに登場し、「月曜日の憂鬱」でライブは中盤戦へ突入。天月はペンライトを手に持ち、ダンサーとともにキュートな振り付けで楽しませる。

 そして、ノリノリで走り出したくなるようなビートの「Sing! Swim! Swing!」は、エアチューブがステージ後方で揺らめく中、最後のサビに突入すると、多くのダンサーがステージに登場し、華やか空間を作り上げた。「さあ、もっといこうぜ」と投げかけ「カラフルタッグチーム」、さらに、一緒に<もっと>と声をあげたくなる「ファンサ」と、天月は最高の笑顔で歌い上げた。

言葉と歌で皆さんに伝え切れたら

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 MCでは自身初となるオンラインライブについて語る天月。少人数でも開催できたが、すでに当選していたお客さんを再度選別することが嫌だった、平等に観てもらいたかった、とその理由を語った。無観客という環境については、天月自身が動画生配信からスタートしたこともあり、画面の向こうでみんなが聴いていてくれる感覚はあるという。しかし、目の前に観客がいないのは寂しいと心中を語り、「溜まりに溜まった溢れそうな想いを、言葉と歌で皆さんに伝え切れたら」と、このライブへの想いを伝えた。

 ライブは後半戦へと突入。天月がキーボードを弾きながら届けたのは「キミトボク」。会場一面を覆ったスモークが雲の上で歌っているかのような、壮大な空間を演出。その中で丁寧に言葉をメロディに乗せ歌い紡ぐ天月。この曲の歌詞にある<君がいるから 僕はここにいるよ>と、続いて披露された4月時の開催のために作っていた「Letters to me」での<僕は支えられているんだ>と、この10年間続けられたこと、このステージに立てていること、ファンへの感謝のメッセージとも受け取れる2曲だった。

「みんながいるからここまで来ることが出来た」

 この10年を振り返る映像とともに伝えられた言葉。まだまだ旅は続くと「流れ星」を歌唱。ブラスの音色がキラキラと輝く星々を想起させるアレンジ。まだ見ぬ未来を祝福するかのようにスパークラー(花火)がステージ前方で吹き上がる。天月は間奏で「見る場所、歌う場所は違えど、みんなが一人ひとりが一つになった1日だと思っています」と熱いメッセージを送る。

 本編ラストはオープニングに弾き語りで披露された「Dear Moon」をフルバンドバージョンで届けた。自分は誰かの道標になれているのだろうか、この声は届いているのか、と様々なものを背負いながらこの10年間歌い続けてきたことを、感じられるパフォーマンスだった。最高の笑顔でステージを後にした。

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 「よっしゃアンコールいくぞい〜」と颯爽とステージに登場した天月。披露したのは「恋人募集中(仮)」。甘酸っぱい恋愛模様を、聴くものをキュンとさせる歌声と振り付けで届ける。「一つずつ繋がった感情や声がどんどん大きくなって、みんなと楽しい時間を過ごすことができました。だからもうちょっと愛について考えてみませんか?」と投げかけ、最後に「きっと愛って」を届けた。銀テープが放たれキラキラと輝く中、天月の希望を感じさせる歌声を響かせた。「Love&Pop」というテーマに相応しいセットリストで、『天月-あまつき- 10th Anniversary Live Final!!』は大団円を迎え、翌日の「Rock&Cool」へと引き継がれた。

セットリスト

天月-あまつき- 10th Anniversary Live Final!!~Love&Pop~』

8月29日Love&Pop」
-映像「マサえもん登場!」-
-OP-
01.かいしんのいちげき
02.恋に溺れて
03.ライフ イズ ビューティフル
-MC-
04.小さな恋のうた
05.きみだけは。
06.ホシアイ
-Band&Dancer紹介-
07.月曜日の憂鬱
08.Sing! Swim! Swing!
09.カラフルタッグチーム
10.ファンサ
-MC-
11.キミトボク
12.Letters to me
-映像「10年間を振り返ってみて」-
13.流れ星
14.Dear Moon

-メイキング映像「みんなに出会えてよかった」-

ENCORE
EN1.恋人募集中(仮)
EN2.きっと愛って