9月6日(日)、13日(日)に、ドラマ「不倫をコウカイしてます」(夜11:25-11:55ほか、ABCテレビほか※テレビ朝日では9月12日[土]26日[土]夜2:30-3:00)が放送される。

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とある夏の夜に起こるミステリアスな事件を描く、新たなドラマシリーズ「ステイナイトミステリー」として、7月から9月まで新作ミステリーが毎月登場し、本作は全3作品の第3弾となる。

塩野瑛久演じる若手会社員・境通は、妻がありながらも複数の女性と社内不倫を続ける人物。しかし、妻・由香里(長井短)に出張と偽り、不倫相手と情事を楽しんでいた、ある日の翌朝、目が覚めると通の首には何者かによって爆弾が装着されていた。

そんな通に「今から不倫をネットで生配信しろ。視聴者数が5人以下になれば、爆弾は爆破させる」という脅迫メールが届く。

通の不倫相手や妻、さらには会社の同僚・仲村(西銘駿)を巻き込んで生配信の裏に隠された、衝撃的な陰謀に迫るノンストップラブミステリーが全2話で展開される。

今回、WEBサイト「ザテレビジョン」では、追いつめられるクズ男を演じた塩野とその同僚役の西銘にインタビューを実施し、前、後編で紹介。後編では、生配信のような撮影という新しい形のドラマに挑戦した苦労を語ってもらった。

■ 生配信のような雰囲気での撮影の苦労

――映画「カメラを止めるな!」の曽根剛カメラマンの撮影に加え、生配信のような雰囲気での撮影ということですが、今までの撮影と違うところはありましたか?

塩野瑛久:今回は、カメラの位置が決まっていたり、僕がずっとカメラを持って撮影している時もあれば、持っているふうで撮影する時もあり、基本的に僕は片手が使えない状態でした。カメラの画角の中にみんなを映さなければならないので、カメラを気にしながら、なおかつ膨大な量のせりふを言うというのは、すごく大変でした。

カメラを持つという縛りもあって、意外と肩身が狭く…もう少し自由が利けば表現できることも、もっとあったと思います。でも、僕が動き回るとみんなが映らなくなったり、僕も視聴者も画面酔いしてしまうと思うので(笑)。その点では、僕もスタッフさんも苦労したんじゃないかなと思います。

あとは、カメラを落として映す場面も「あ!落としにいったな」というのが分からないように、不自然さが残らないようなアクションを、こちらが起こさなきゃいけないことにも頭を使いました。ほぼほぼ、僕はモニターも見られないので、見ている監督を信じて演じていましたね。

西銘駿:塩野くんが言った通り、「本当に大変なんだぜ!」というのを伝えたいですね。

普段俳優って、カメラの存在を消し去って演じるのが当たり前で、カメラは空気と思っているから“演じる”という一つのことに集中できると思うんです。

でも、今回はカメラの画角を気にしつつ、お芝居をするという2つのことをやらなければいけないんです。「縄跳びしながら平均台を渡る」そういう難しさを塩野くんはやっていたんです!そんな塩野くんを僕は尊敬しますし、経験値がないとできないことだと思います。

塩野:正直、できてたかどうかは分かってないです(笑)。

■ 塩野瑛久、何回もビンタされる!?

――いろいろと大変さがあった撮影のようですが、その中でも「これ、一番大変だった!」というところはどこですか?

西銘:僕は、2話の後半に塩野くんに思いをぶつけるシーンがあるのですが、今回演じた役としては一番感情が表に出るところなので、大変というか気合が入ったところですね。

体力的に一番大変だったのは、塩野くんと何回もオフィスを走りながら疾走感のあるシーンを撮ったんですが、そこが大変でしたね。

塩野:本当に全部なんですけど(笑)。そのシーンは、何テイクかして、めちゃめちゃ走って、最後に僕がビンタされるシーンだったんです。

西銘:あの一連の流れが大変でしたね(笑)。

塩野:ワンカットの中に、“エレベーターがタイミングよく到着する”というのも含まれていたので、リアルにタイミングよく到着するまで何テイクかしました。また、疾走感のあるシーンでもあったので、いろいろなものを気にしながらの撮影だったのですが、ビンタされた後にNGが発覚して、何回もビンタされたりもしましたね(笑)。

ビンタ自体は全然大丈夫なんですけど、この全体を通して「一体、僕が何をしたんだ!? ABCさんの恨みを買ったかな?」と感じてしまうほど…大変でした(笑)。

――お話を伺っていると、本編の裏側も見て見たくなりますね。

塩野:裏側ですか!?僕、終始必死な顔してますよ(笑)。僕自身に余裕があって、ほんわか和気あいあいとしてる現場だったら良かったんですけど、僕はずっと人を殺すような目で見ていたので…(笑)。

共演者の方もスタッフさんも話し掛けてくださったので、僕からもアプローチしたかったんですけど、そんな余裕もなく…。

西銘:塩野くん、ずっと楽屋で、せりふをお経みたいに唱えてました。楽屋の端から端を歩きながらせりふを入れていて。「そうだよな、大変だよな」って僕はご飯を食べながら見ていました。

■ すごく挑戦的で新しいドラマ

――最後に、番組の見どころと読者の方へメッセージをお願いします。

西銘:いい意味であらを探してほしいと思います!実際のドラマは、1カット1カットきれいな状態で撮られるけど、今回は1カットで長い時間を撮っているので、「ちょっとかんだ」っていうのも、最後まで流れたら「はい!OK」ってなるんです。

だからこそ「わ!ここめちゃくちゃリアルだった」とか、僕らの緊張感も感じていただけるところがこのドラマの楽しいところだと思います。あとは、塩野くんがいろんなことをやっています(笑)。そこも見どころだと思います!

僕は、こういう取材のときに、毎回言っている言葉があって「今回は、めちゃくちゃいい作品ができました!」って、絶対言ってるんです(笑)。そして、今回も仕事が終わって本当に思っています。

僕らのファンの方だけでなく、ドラマ好きはぜひ見てほしいと思います。1カットで撮るときの役者やカメラの動きなど、今までとは違った角度から見ていただけるドラマになっていて、面白いと思うので、ぜひ見てください!

塩野:すごく挑戦的で新しいドラマだと思いますし、たまたまテレビをつけた方も「おや、不思議なものをやってるぞ」っと思っていただけるんじゃないかなと思います。しかも、それが2話完結で見られるというお手軽な作品になっています。

僕の本音を言うと、僕を知っている方よりは知らない方に見てほしいなと思います。なぜなら、僕を知っている方だと、もしかしたら目をつむりたくなってしまうシーンがあるかもしれません。でも、そうじゃない方からしたら「ぶっ飛んでんな!」と思っていただける、その反動が楽しみです。

そして、真面目に見ないでください(笑)。僕の中で、今までもこれからもないような挑戦的な作品でもありますし、もしかしたら将来的には黒歴史になるかもしれない(笑)。

西銘:そんなことない!(笑)

塩野:そんな、黒歴史をぜひ目の当たりにしていただければと思います。でも、これ活字になるからニュアンスが伝わるか分かんないですけど、僕が、ふざけて言っている“黒歴史”っていう意味は、何年後かに「塩野くん、そういえばあの時、あんな役してたな~」って、ファンの方にも笑ってもらえたらうれしいなという思いです。それだけ、挑戦しているので楽しんでもらえたらと思います。(ザテレビジョン

境通(塩野瑛久)、仲村哲治(西銘駿)