株式会社GAZIRU(読み:ガジル、本社:東京都港区、代表取締役:福澤茂和、以下「当社」)は、画像認識によって同じモノでもひとつひとつを識別する物体指紋認証技術を用いた「GAZIRU個体識別サービス」を流通業向けに提供開始いたします。第一弾は国内二次流通(リユース)商品を対象に2020年7月より開始しており、第二弾として一次流通商品を対象に2020年10月より開始を予定しております。
GAZIRUは、日本と米国シリコンバレーに活動拠点を置くベンチャーキャピタルであるGlobal Catalyst Partners Japan(読み:グローバル・カタリスト・パートナーズ・ジャパン、本社:東京都港区、代表:大澤弘治、以下「GCPJ」)が100%出資するベンチャー企業です。Structured Spin-in(SSI)というシリコンバレー流投資モデルを活用し、GCPJ2号ファンドのLPとして参画する日本電気株式会社(以下、NEC)の物体指紋認証技術を同社既存事業の領域以外の市場へと展開を加速させることを目的に2020年4月に設立いたしました。NECが開発した画像認識技術である物体指紋認証技術をコアテクノロジーとした「GAZIRU個体識別サービス」を、クラウドサービスやソフトウェアの形でユーザに提供します。本個体識別サービスは、タグ等でシリアルナンバーを付与されていなくても、製造物や商品そのものを撮影した画像から同一の製造物個々の微細な違いを捉え、個体識別を実現します。

シリコンバレーSSI投資モデルとは
SSI投資モデルとは、日本の大企業が新規事業開発に取り組む中で、領域によって推進が難しい事業アイデアを社内から隔離し、GCPJが100%出資するベンチャー企業として事業開発する仕組みです。SSI投資モデルでは、大企業の既存のガバナンス、社内システムとの整合性を保ち、かつ新規事業に携わる社員および関係者のモチベーションを担保したシリコンバレー流起業メカニズムを提供し、多くのSSIベンチャー企業を設立することにより、大企業における「新規事業開発促進」と「イノベーション人材育成」を実践しています。新型コロナウイルス感染症Covid-19」により世界全体の経済が不安定な状況にあるいま、市況に左右されないSSI投資モデルに注目する企業も増えています。

■二次流通市場におけるブランド商品や流通商品の個体管理・トレーサビリティの実証事業を開始
フリーマーケットアプリの台頭等により、国内二次流通(リユース)市場は年々市場規模が拡大しています。2019年の国内ファッションリユース市場では小売金額ベースで前年比116.1%の7,200億円、2022年には9,900億円にまで拡大するとの予測も出ています(出所:矢野経済研究所「2020 ファッション業界のリユースマーケット動向」)。市場が拡大する一方で、特に高級ブランド品における模倣品・海賊版被害も拡大の一途をたどり、業界全体の課題として挙げられます。

この課題解決の糸口として、当社の「GAZIRU個体識別サービス」を活用できると考え、画像を用いた二次流通商品のトレーサビリティサービスの実証事業を2020年7月より開始しました。本実証事業は、二次流通ブランド商品の鑑定を事業とするベンチャー企業:株式会社Myblex(読み:マイブレックス、本社:東京都台東区、代表取締役:竹林雅夫)をパートナーとし、スマートフォンを用いて手軽に中古ブランド商品を鑑定できるサービスを提供します。本実証事業は、経済産業省が新設した「令和元年大企業人材等新規事業創造支援事業費補助金(出向起業等創出支援事業)」に採択されました。
※出向起業等創出支援事業について https://sii.or.jp/co_hr_innovation/

さらに第二弾として、二次流通市場のみならず一次流通商品の個体管理・トレーサビリティの実証事業を2020年10月から開始いたします。本実証事業は国内化粧品メーカーと連携し、スマートフォンを用いた物体指紋認証による商品個々の流通管理やトレーサビリティの価値検証を目的としています。シリアルナンバーやタグ等の紛失や改ざんが生じた場合に対しても、カメラで商品を撮影するだけで商品個々の流通経路を簡単かつ確実に確認できるようにし、不正流通の経路の分析やその抑止への効果を検証する予定です。今年度中を目処に、流通商品の個体管理を手軽に実現可能なスマートフォン向けのアプリの開発を進め、利用者にとってさらに使いやすいサービスに進化させるとともに、収益を挙げられる事業に成長させることを目指します。

<サービス紹介動画
https://youtu.be/maNtJ5ACDlk

「GAZIRU個体識別サービス」を利用した 中古ブランド商品鑑定サービス
「GAZIRU個体識別サービス」を利用した 撮影風景。スマートフォンで個体管理を実現


■「GAZIRU個体識別サービス」を性能強化し、流通業での新事業に対応

2020年7月に「GAZIRU個体識別サービス」の性能強化を実施し、物体指紋認証技術による個体識別の処理性能向上を実現しました。従来比で照合処理を約10倍高速にし、1万件規模の照合処理を1秒以内に処理可能です。これにより、大量に流通する商品や製造物の個体管理に対応できるようになりました。さらに、性能強化した「GAZIRU個体識別サービス」のクラウドサービスおよびオンプレミス製品提供に加え、iOS向けアプリケーションの配信も開始し、利用者にとってさらに使いやすいサービスへと進化を遂げています。また、Windows PCとUSBカメラの構成にも対応できるように、Windows PC向けのアプリケーションも提供いたします。対象とする製造物・商品や利用シーンに応じて、撮影機器構成を選択できるようにしております。

■今後の展開
二次流通(リユース)市場への参入を進め、高級ブランド品にフォーカスした画像認識による個体管理・トレーサビリティサービスの国内シェア獲得を目指し、ひいては製造業、流通業、小売業の一次流通に対し同サービスを幅広く展開してまいります。今後も、画像認識技術を積極的に活用した製品やサービス開発を軸に、さまざまな業界課題を解決していく所存です。

■株式会社GAZIRUが提供する画像認識製品
株式会社GAZIRUは、「実社会のモノ」を画像から識別し認知するクラウドサービス、およびソフトウェアを提供します。クラウドサービスは2つあり、1つは商品や雑誌/ちらし/ポスター等を認識し、それに関連したクーポン券やECサイトといったデジタル情報を提供できる「GAZIRU平面物認識サービス」です.もう1つは、製造中から製品・部品1個1個を識別してトレーサビリティ(個体管理)を確保し、流通においてはブランドの正規品/模倣品を識別できる「GAZIRU個体識別サービス」になります。モノにカメラをかざすだけで、利用者が手間をかけることなくモノを識別し、必要な情報を瞬時に提供します。2020年9月現在、株式会社GAZIRUが提供する製品は下記の通りです。

◯クラウドサービス:画像認識機能をサブスクリプション形式で提供
・「GAZIRU平面物認識サービス」
・活用例:雑誌/チラシ/ポスターを認識してクーポン券やECサイトを表示
・「GAZIRU個体識別サービス」
・活用例:部品1個1個のトレーサビリティ、商品の個体管理

◯ソフトウェア製品:オンプレミスへのニーズに対応する画像認識ソフトウェアの提供
・「GAZIRU個体識別オンプレ版」
・活用例:製造現場や工場内のシステムに個体識別機能を組み込み、工場内の製造物や部品を個体管理

<株式会社GAZIRUが提供する製品の概要>


▼株式会社GAZIRU 会社概要
NECに所属する4名の社員を創業メンバーとして2020年4月に設立。高性能なカメラを搭載するスマートフォンが世の中に広く普及している昨今、幅広い業界や市場において画像認識技術を活用した新規事業やイノベーティブなサービスを創出できる可能性が高まっています。市場から寄せられる多くの期待やニーズに対して迅速かつ柔軟に対応し、さまざまな業界の課題解決や新規事業創出に挑戦すべく、このたび社外出向を活用してベンチャー企業:株式会社GAZIRUを新設いたしました。
GAZIRUは、「画像から識る(しる)→画識る(がじる)」を文字ってつけられた名前です。インターネットが普及した現在、サイバー空間には膨大な情報が溢れ拡大を続けています。「ビッグデータ」と現実空間を接続することで産まれるさらなる利便性や新たな社会価値の可能性を信じ,サイバー空間上のビッグデータとリアル空間とを紐づける技術を今後も提供し続けてまいります。

■社名   :株式会社GAZIRU
■H P   :https://gaziru.co.jp/
■所在地  :東京都港区南青山1−1−1新青山ビル西館7階
■設立   :2020年4月1日
■代表者  :代表取締役 福澤 茂和
■事業内容 :画像による個体識別・種別認識機能の提供

配信元企業:株式会社GAZIRU

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