中国高速鉄道は営業速度で世界一の立場にあるほか、総延長距離においても世界一となっている。中国では世界初の高速鉄道として開業した新幹線をライバル視する人が少なくないが、中国高速鉄道新幹線で最も大きな違いの1つが「利便性」ではないだろうか。

 新幹線は一般的に各都市の中心にあるターミナル駅に乗り入れていて、他の公共交通機関との乗り換えも非常に便利だ。また、乗車券は実名制ではなく、年末年始やお盆など混雑する時期でない限り、移動したいタイミングで乗車券を買い、そのまま新幹線に乗車して移動することができる。手荷物検査などの煩わしさもないため、非常に気軽に利用できる公共交通機関だと言えるだろう。

 一方、中国高速鉄道乗車券は実名制であるため、乗り遅れると振り替え手続きが非常に面倒だ。駅は一般的に都市の郊外にあって移動も不便であるうえ、手荷物検査もあるため、交通手段として見た場合は利便性に「少々不満」があると言えるだろう。

 中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、新幹線の駅は都市の中心部にあって、繁華街や商業エリアにも近くて便利な場所に存在するというのに、「中国高速鉄道の駅はなぜ都市の中心部にないのか」と疑問を投げかけるスレッドが立てられ、中国人ネットユーザーたちが議論を交わしている。

 中国人たちも中国高速鉄道の駅が郊外にあることは「不便」と感じていたようだが、スレッドには多くのユーザーから「問題は郊外にあることより、他の公共交通機関との連結がうまくいっていないことだ」という指摘が寄せられていた。一部の高速鉄道駅は地下鉄とも連結しておらず、駅の外で待っているのは「違法タクシー」のみというケースもあるようで、こうした状況は日本では見られないことを指摘するコメントが見られた。

 また、中国は高速鉄道の建設においてスピードを優先したがゆえに、「土地の収用や建物の解体などで時間がかかる都市中心部での駅建設を諦め、郊外に駅を建設する道を選んだのではないか」という意見や、「中国の地方政府にとって土地の売却益は重要な収益源であり、広い土地を確保できる郊外に駅を建設し、その駅周辺の土地価格を引き上げることで大きな売却益が見込める」という動機が原因だったのではないかというコメントも見られた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

あぁ、中国高速鉄道も「新幹線のように都市の中心に駅があれば良かったのに・・・」=中国ネット