誰もがCOVID-19に感染、発症する可能性がある今、後遺症が気になるところだ。

 先行している諸外国からの報告をまとめると、「コロナ後遺症」の主な自覚症状は、慢性疲労症候群なみに「しつこく続く倦怠感」と「息苦しさ(呼吸困難)」だ。

 春先に多数の死者を出したイタリアローマ大学の報告によれば、COVID-19を発症してから2カ月後の時点で、検査結果が陰性であったにもかかわらず、およそ9割(87.4%)の“元”患者に、何らかの症状があったという。

 逆にいえば、COVID-19関連の症状が「消失」する“元”患者は1割ほどにとどまるわけだ。

 同報告で明らかになった「その後」の症状は、「倦怠感(53%)」と「呼吸困難(43%)」「関節の痛み(27%)」そして「胸の痛み(22%)」だった。このほか「咳」「臭覚障害」「頭痛」「筋肉痛」など多彩な症状があり、患者の32%が一~二つの症状を、55%が三つ以上の症状を訴えていた。

 また、生活の質が低下したという患者は44%だった。

 ただ、この報告は「入院例のその後」であるため、自宅などで療養していた軽症例の「その後」が気になる。現在、厚生労働省や一般社団法人・日本呼吸器学会が国内の“元”患者を対象に後遺症の調査を行っている。最終的な調査結果を待ちたい。

 また、「専門家の意見」レベルでは(科学的に証明された話ではない)、原因ウイルスの感染経路になる分子が多い臓器の機能が炎症で障害を負い、男性不妊や糖尿病、脳卒中、心筋障害や腎障害を引き起こす可能性が指摘されている。年齢や重症度に関係なく報告されており、ケースによっては中・長期的な治療が必要になるだろう。

 COVID-19の治療費は公費負担だ。しかし、少なくとも現時点(8月)で、後遺症に関する医療費は全額自己負担(一般的な被保険者なら3割)である。

 自粛疲れで「もう我慢はイヤだ」と自暴自棄になる気持ちはわかるが、感染後も自分や家族に数カ月から数年、ひょっとしたら一生の負担を強いるリスクがあることを想像してほしい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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