新型コロナウイルスの感染が拡大する前、日本では様々な場所で中国人観光客の姿を見かけた。商業施設などでは中国語の案内が表示されたり、中国語のアナウンスが流れたりと、観光業に携わっていない日本人でも中国人インバウンドの勢いを感じていたのではないだろうか。

 また、訪日した中国人も「日本滞在中に至る所で中国語を耳にしたことから、大量の中国人が日本に押し寄せている」という印象を受けた人は少なくないようだ。一方、中国人からすると中国の観光地に日本人観光客が大量に押し寄せるという印象はないため、中国のQ&Aサイトの知乎にはこのほど、「なぜ中国には大量の日本人観光客が押し寄せないのか」と問いかけるスレッドが立てられ、中国人ネットユーザーから様々な意見が寄せられた。

 中国の人口は日本の10倍以上に達するが、中国人が大量に訪日しているように見えるのは「人口比」が原因だと主張する声が見られ、実際には日本人の方が中国に押し寄せているのであり、「中国人が日本に大量に押し寄せているというのは主観に過ぎない」という声も見られた。これは一体どういうことだろうか。

 スレッドに寄せられた中国人ネットユーザーの主張を見てみると、「2019年に訪日した中国人旅行客は中国の13億の人口から考えると135人に1人の計算となる」と強調。近年、中国を訪れる日本人の数は年間300万人弱が続いているが、この数字を日本の人口比で考えると50人に1人前後という数字になることを強調し、つまり「人口に対する比率で見れば、日本人のほうが多く中国を訪れているのが現実」という意見だった。

 また、仕事で初めて中国を訪れたという日本人と接した経験があるという中国人ユーザーは、「日本人の中国に対するイメージは30年前のままで止まっている。だからこそ訪中する日本人が増えないのだろうが、こういう日本人は現在の北京や上海の発展ぶりを見て腰を抜かしている」と指摘するコメントを投稿していた。

 そのほか、訪日中国人客の一部は「日本のアニメや漫画のファンであり、日本文化や日本人の生活に興味を向ける」のに比べ、訪中日本人客は中国文化に対して強い関心を抱いていないようだ」と強調し、ビジネス目的ではなく、観光や買い物目的で訪中する日本人が少ないのは「中国文化に対する関心」が薄いからではないかという意見もあった。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本人が観光で中国に「押し寄せない」のは一体なぜ? 中国ネット「関心が薄いからじゃ・・・」