スウェーデンサーブが開発した「グリペン戦闘機は、そこそこの性能で価格が安い、いわゆるコスパに優れた戦闘機として採用国を徐々に増やしています。さらにスウェーデンアドリア海に面したクロアチアにも導入提案を行いました。

スウェーデン国防省は2020年9月9日(水)、クロアチアに対して自国サーブJAS39グリペン戦闘機12機の供与案を提出しました。提案したタイプは、ひとり乗り単座型のC型、およびふたり乗り複座型のD型です

これと並行してサーブは、クロアチアの防衛企業などと技術提携し、長期的なパートナーシップを構築する戦略的協力パッケージを提案しています。

今回の提案に対し、サーブの航空部門責任者であるヨナス・ハイレム上級副社長は次のようにコメントしています。

スウェーデンサーブは、今後数十年にわたってクロアチアの国土防衛や安全保障のために、包括的かつ長期的なソリューションを提供します。クロアチアグリペンを採用した場合、サーブはノウハウと技術を提供し、クロアチアに航空機関連のサポートサービスセンターを設立する用意もあります。これにより、地元の防衛産業や航空学術関連で長期的な協力関係を構築することができ、約500のハイテク分野の仕事が生まれるでしょう」

現在クロアチアが運用する戦闘機は、旧ソ連製のMiG-21Bisで、機数は10機程度です。約半数が2000年代初頭にルーマニア企業によって近代化改修が施されているものの、将来的には性能不足が予想されます。

JAS 39C/Dはすでに近隣のハンガリーチェコで運用されているほか、タイや南アフリカも導入した実績があります。また最近では、次世代型のJAS 39E/F「グリペンNG」をブラジル空軍が導入しています。

スウェーデン空軍のJAS 39D「グリペン」戦闘機(画像:サーブ)。