2020年6月1日から「パワハラ防止法」が施行されました。厚生労働省によるパンフレット「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」によると、殴打などの身体的な攻撃のほか、「長時間の厳しい叱責」「人格を否定するような言動」「大勢の前で大声での威圧的な叱責を繰り返す」などがパワハラに該当すると考えられるそうです。

しかし、パワハラとまではいかずとも、いつも上から目線の上司に対して悩みや苛立ちを抱えている人も少なくないことでしょう。そんな上司を、簡単に論破できる方法があるとしたらどうでしょうか?今回は、そんな「簡単に論破するためのテクニック」を、メンタリストDaiGoさんのYouTubeを通してご紹介します。

DaiGoさんの「論破に関するテクニック」とは

TVやネットでも大人気のメンタリストDaiGoさん。恋愛からお金の知識まで、科学に基づいた知識を分かりやすく解説してくれるYouTubeチャンネルは、登録者数221万人に達し総再生回数も4億5824万回以上という人気ぶりです。

そんなDaiGoさんは、「論破(議論して相手の説や言い分を言い負かせること)」に関してもさまざまな知識を披露されています。その内容は多岐にわたりますが、今回ご紹介するのは「ほぼどんな相手にも対応できる強力な論破テクニック」というこちらの動画。

上から目線を叩き潰す論破テク【アナロジー乱用】を解説」続いては、こちらの内容について詳しくご紹介していきましょう。

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簡単で誰でもできる!DaiGoさんの語る論破テク「アナロジー乱用」とは

「君のためを思って…」「みんなのためによかれと思って…」という「偽善者タイプ」には特に効くという今回の論破方法。2007年に経済学者マドセン・ピリー氏が議論に勝つ方法として論理的誤謬リストをまとめ、それに2018年社会心理学者ポール・ベネット氏が詭弁の考え方を加えて「詭弁の効果を集めたサマリー」を発表。そこから今回の「アナロジー乱用」というテクニックを紹介されています。

あなたは、「誕生月が一緒」「名前の一部が同じ」「好きなアーティストが一緒」などの共通点から、相手に対して親近感を覚えた経験はないでしょうか。このように、なにか1つでも「類似点」がある相手に対しては、影響力(=説得力)が2倍にあがるのだそうです。

よく、相手と仲良くなりたいなら共通点を探したり、その共通点をアピールしたりするといいといわれますよね。その類似点を意図的に乱用し、「論破」に使おうというテクニックのことを「アナロジーの乱用」といいます。

論破というのは、1対1では平行線になってしまうため、オーディエンスがいないと成り立ちません。「アナロジー乱用」で相手を論破する場合は、自分と相手の共通点をみつけるのではなく、相手を「敵やネガティブな対象」との共通点で結びつけてしまうことで、簡単に打ち負かしてしまえるというのです。

「アナロジー乱用」した論破の例

ここで、動画でも挙げられている「アナロジー乱用」で論破する例をご紹介します。

A「あくまでも、善意でみんなのためにしたことだ」
B「でも、ヒトラーだって善意で行動していたよね」

A「自分はみんなのためを思ってしたんだ」
B「わいろを受け取るような悪徳政治家ほど、国民のために頑張っているとアピールするよね」

このように、悪いイメージをもつ対象と結びつけてしまうことで、あたかも相手が悪役であるかのように仕立て上げてしまうことができるのです。例えばエコ団体などのコミュニティに属しているなら、「そんなことをいうなんて、まるでビニール袋をいくらでも使っていいと思っている人たちと同じようだね」と自分の所属コミュニティの敵と相手の主張を結び付けてしまえばいいわけです。

人間関係にも影響が…使いどころは気を付けて

しかし、この「アナロジー乱用」を使った論破方法は、相手を好ましくないものと強制的に結びつけてしまうことから、相手との人間関係が粉々になってしまうおそれがあるとDaiGoさんは注意喚起されています。この方法はあくまでも「攻撃」ではなく、「反撃」シーンで使うといいでしょう。「大義名分をかざして、お前が悪いと攻撃してくるような人」に対してはとても強力に作用するとDaiGoさんも語っています。

会社で上司をスカっと言い負かすのは気持ちがいいかもしれませんが、その後の人間関係も考慮して、使いどころはしっかり考えていきましょう。うまく使いこなすことで、不要なトラブルを避ける術になるかもしれませんよ。

【参照】
厚生労働省パンフレット「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!
YouTube「メンタリストDaiGoの心理分析してきた