◆■ベガルタ仙台 攻守の柱・マテ&ジャーメインが復帰。念願のホーム初勝利へ

【プラス材料】
 今のチームにプラス材料は少ない。その現状で挙げるとすれば、まずはDFシマオ・マテに続いて、FWジャーメイン良が戦線復帰したこと。第9節のヴィッセル神戸戦から欠場が続いていたが、前節の鹿島アントラーズ戦で早速先発出場した。ここまで2得点のストライカーには苦しい流れを変えるゴールを期待したい。

 また、FWでは鹿島戦で途中出場のFW長沢駿が意地のゴールで1点を返したことも、チーム状況を考えれば大きなこと。先発争いが活発になる中で、ひとつでも多くの結果を出すことはできるか。

 序盤戦でなかなか生まれなかったセットプレーからのゴールが、ここ2試合は連続で決まっていることも光明としたい

【マイナス材料】
 一番痛いのは、またしてもケガ人が増えてしまったことだ。前節の鹿島戦は、試合前のウォーミングアップでDF蜂須賀孝治が痛んで出場不可能になり、試合中にはDF吉野恭平が前半のうちに負傷交代を余儀なくされた。復帰した選手もいる一方で、なかなか選手が揃わない。

 そして、ホームゲーム未勝利のプレッシャーも不安材料としてのしかかる。J1全18クラブのうち、今季ホームで勝てていないのはベガルタ仙台のみ。チームだけでなく、サポーターも全力で戦えるかどうかが問われている。この試合で勝てなければ、仙台は前半戦のホームゲームを未勝利のまま終えてしまう。

 セットプレーからのゴールに計算が立つようになった一方で、流れからのゴールが2試合連続で取れなかったことも痛いところだ。

文:totoONE編集部

◆■大分トリニータ 前節の終盤に見せた決定力を早い時間帯から出せれば

【プラス材料】
 前節・湘南ベルマーレ戦は2点ビハインドの状況を追いつき、引き分けに終わったことは収穫。後半は前に行く意識が高く、2本のシュートに終わった前半とは打って変わり、11本のシュートを放って3点目も予感させた。特に73分からFW知念慶に代わってピッチに立ったFW伊佐耕平は、前線の空いたスペースを見つけては抜け出し、そこを起点に攻撃の形を作った。また、同点ゴールの場面ではクロスのコースを変える技ありのヘディングシュートを決め、チームに勢いを与えた。

 消極的だった前半から一人気を吐いたMF町田也真人の活躍は今後も楽しみだ。ギャップで受け、相手のほころびを突いた。MF田中達也の武器である長いスプリントを引き出し、センターバックのDF三竿雄斗の攻め上がりを促すなど、3人の関係で左サイドを活性化させていた。

【マイナス材料】
 前節・湘南戦の課題は早い時間帯での失点だ。リスク管理を徹底していたにも関わらず、自陣でボールを奪われ、サイドを完全に崩されて先制点を献上。その4分後には懸念していたセットプレーから追加点を奪われた。今季は複数失点が多くなっていることが気がかりだ。

 アウェイでの連戦が続く。ボランチのMF長谷川雄志はコンディション不良で第14節・FC東京戦から2試合続けてベンチ外。DF羽田健人をコンバートして穴埋めしているが、長谷川ほどの展開力を求めるのは酷であり、ケガ人がこれ以上増えると戦力低下は否めない。大分トリニータサッカーにおいてボランチの役割は大きく、選手層の薄さは致命傷になりかねない。

文:totoONE編集部

[写真]=J.LEAGUE