コンビニ店主らでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」は9月14日セブンイレブンなどコンビニ各チェーンと日本フランチャイズチェーン協会に加盟店への対応を改善するよう申し入れた。

主な内容は、(1)オーナー募集時の適切な説明、(2)仕入れ強制の改善、(3)見切り販売の簡便化、(4)時短交渉拒否の見直し、(5)ドミナント出店時の適切な配慮など。

公正取引委員会9月2日に発表した、加盟店の実態調査結果の報告書を受けたもの。

同報告書は、8チェーンに加盟する約1万2000店へのアンケートから、時短営業を希望した店舗の8.7%が交渉にすら応じてもらえなかったなどの結果をまとめた。こうした、24時間営業の強制などが独占禁止法違反に当たる恐れがあることも指摘している。

報告書について、加盟店ユニオン顧問の中野和子弁護士は、「(時短希望の加盟店は)勇気を出してやめたいと言うべき。今ならできる。ダメなら拒否されたと公取委に申告したら良い」と話した。

ただし、酒井孝典執行委員長によると、時短しても、24時間営業の奨励金等がなくなるため、店舗の利益が減る可能性があるという。

●「加盟店により一層寄り添う姿勢を」

公取委の報告書はこのほか、コンビニ店主の世帯資産が債務超過状態(17.3%)と500万円未満(43.5%)をあわせて6割超など、加盟店の苦境も明らかにしている。

加盟店ユニオンは「これまでは、本部に不満を持つ一部のユニオン関係者だけの事情だとして退けられてきたことが、大規模な調査によって裏付けられた」と評価している。

酒井執行委員長は、新型コロナウイルスの影響で、公取委の調査時よりもコンビニ業界の状況は厳しくなっているとして、「(本部には)加盟店により一層寄り添う姿勢を持っていただきたい」と語った。

コンビニ店主ら呼びかけ「時短拒否」されたら「公取委へ申告を」 希望店舗の8.7%で交渉拒絶