プロ野球の巨人の優勝マジック点灯が秒読み段階に入った。巨人は2020年9月15日東京ドームで阪神と対戦し、勝利すれば優勝マジック「38」が点灯する。今シーズンはここまで順調に勝ち星を積み重ね14日時点で貯金「23」で2位阪神に9.5ゲーム差を付け首位を独走。リーグ連覇へ圧倒的な強さを誇る巨人の強みとは何か。J-CASTニュース編集部は、巨人の戦略コーチを務めた野球解説者の橋上秀樹氏(54)に話を聞いた。

「結果を出しやすい環境で起用している」

シーズン原辰徳監督(62)は開幕直後から積極的に補強に動いた。シーズン開幕間もない6月25日に巨人・池田駿投手(27)と楽天ゼラス・ウィーラー内野手(33)の交換トレードを成立させ、7月14日には巨人・高田萌生投手(22)との交換トレードで楽天・高梨雄平投手(28)を獲得。さらに9月7日には巨人・澤村拓一投手(32)とロッテ香月一也内野手(24)の交換トレードを行った。

橋上氏はこれらトレードによる戦力補強がチーム内に緊張を生み出し、チームの活性化につながっているという。また、橋上氏は指揮官の若手の起用法に注目。2軍から上がってきた若手が1軍で結果を残していることが巨人の独走の要因になっていると指摘する。

シーズン当初から若い選手の積極的な起用が目立っていた。そして若い選手が首脳陣の期待にしっかり応えている。良い状態の選手を良い場面で起用するのは、原監督の采配ですが、これだけ若い選手が活躍出来るというのは、1軍と2軍の連携がしっかり取れているからだと思います。結果を出しやすい環境で起用していると感じます」(橋上氏)

「阿部2軍監督は自分の思っていることをストレートに」

シーズン原監督は2軍から上がってきた選手を積極的に起用してきた。橋上氏によると、2軍から上がってきた選手をすぐに1軍で起用することは、首脳陣にとって様々な葛藤があるという。そのような中で原監督が積極的に若手を起用するひとつの要因として、阿部慎之助2軍監督(41)の存在があると指摘する。

「2軍から上がってきた若手をすぐに1軍で起用するのは、1軍と2軍の首脳陣の信頼関係からくるものでしょう。原監督と2軍の阿部監督がどのような会話をしているか分かりませんが、阿部2軍監督は自分の思っていることをストレートに伝えているのではと感じています。2軍の首脳陣は1軍に対して遠慮がちになってしまう。自分が推薦した選手の結果が出なければと思うと推薦しきれないこともある。阿部2軍監督は腹をくくって、極端に言えば、『この選手を起用して結果が出なければ自分の責任です』というような話をしているかもしれません」(橋上氏)

橋上氏は今シーズンの原采配のなかに「勝負強さ」を見たという。1点を守り、1点を奪いにいく野球。なかでも橋上氏が注目したのが、増田大輝内野手(27)の起用法だという。走りのスペシャリストとして試合の中盤戦から終盤戦にかけて勝負のカギを握る存在でもある。

「代走というのは100%成功して当たり前とみられ...」

「今シーズン、原監督による采配は色々ありましたが、増田選手の代走の起用法が一番印象に残っています。6回に使う時もあれば、9回に使う時もある。勝負所を見極める原監督の力量だと思います。1点を取りに行くときは、増田選手などの機動力を使い、監督の采配で1点をもぎ取っている。増田選手本人も自分の担うべき役割をしっかり認識した上でプレーしている。代走というのは100%成功して当たり前とみられ、ある意味、一番失敗が許されない。そのような中でしっかり仕事をしている増田選手は素晴らしいと思います」(橋上氏)

また、橋上氏はエース菅野智之投手(30)の存在がチームの支えになっているという。橋上氏は「絶対的なエースがいるのはチームに安心感を与える。絶対的エースがいることで、チームは大きな連敗をしないという安心感につながります」と話す。9月15日は菅野が先発のマウンドに上がる予定で、対する阪神は高橋遥人投手(24)が先発を予定。巨人の優勝マジックは点灯するのか。注目の一戦となる。

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