飼い猫が野良猫を家族にスカウト

飼い猫野良猫を家族にスカウト image credit:la_riek/Instagram

 野良猫が人間に助けを求めて、永遠の家を手に入れるという話は何度かカラパイアでも紹介したが、今回のケースは、飼い猫野良猫と仲良くなって家族に招き入れるという話だ。

 NNNねこねこネットワーク)の暗躍があったかどうかはわからないが、元々は辛い野良生活を送っていたその飼い猫は、野良の子猫を放っておけなかったのかもしれない。

 いつのまにか2匹は強い絆を育み、飼い猫のサポートもあって、子猫は徐々に飼い主に心を開き、永遠の家族を手に入れることができたようだ。

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ギリシャからやってきて、オランダ農家で暮らす3匹の保護猫

 オランダで家族と農家に住むクラリークさんには、ジャック、ルイ、スタブロスという3匹の飼い猫がいる。

 3匹とも1年ほど前にギリシャから養子縁組をして引き取った猫たちだ。


 特にスタブロスは、ギリシャでは路上生活をしており、保護された時には健康状態も良くなかったという。


 縁あってオランダまでやって来た3匹の猫たちをとても可愛がっているクラリークさんは、夫と話し合い、「3匹いれば十分だから猫を飼うのはもう止めよう」と言っていた。

突然庭に現れた子猫に目をかけるスタブロス

 しかし、先月になって1匹の子猫が自宅庭に姿を見せるようになった。

 その痩せている子猫をこれまで見たことがなかったクラリークさんは、家猫なのか野良猫なのかわからなかった。ただ、人間には強い警戒心をもっていて、近づいてくるようなことはなかった。

 そんな子猫を放っておけなかったのがスタブロスである。子猫はスタブロスにだけは心を開いていった。

 もしかしたら本当は誰かに頼りたかったのかもしれない。スタブロスはそれにいち早く気づいたのかもしれない。


 ある日2匹が一緒にいるところを見たクラリークさんは「まるで親子か親友のよう」と思ったという。

 自宅庭に入り込んでくる子猫を、スタブロスはやさしく見守った。子猫の安全を常に確認し、子猫が遊んでいる間、スタブロスは我が子のように見守る姿勢も見せた。


2匹は深い絆を育んでいく


 庭の物置で、スタブロスと野良の子猫は一緒に過ごす時間が増えた。

 子猫は、スタブロスにはすっかり心を許したようで、いつも2匹は寄り添っていたが、人間の姿を見ると逃げ出してしまう。

 そんなある日、台所でクラリークさんが3匹の飼い猫に餌をやると、スタブロスは食べようとしなかった。

 お腹がすいていなかったわけではない。しばらくしてスタブロスの様子を確認すると、子猫に自分の餌を食べさせていたのだ。


 それならばと、クラリークさんは子猫のために別のボウルを用意して餌をあげてみたが、クラリークさんの姿を見ると子猫は逃げて行ってしまう。

スタブロスは、子猫が自分の餌を食べてもまるで気にしている様子はありませんでした。きっと、自分もギリシャ野良猫として暮らしていたので、空腹がどれほど辛いものかを知っているのでしょう。スタブロスは、子猫が心ゆくまで餌を食べるのを見守っていました。

子猫も、人間には警戒心をもっていますが、きっと空腹に耐えられず台所まで来てしまったのでしょう。(クラリークさん)



子猫、クラリークさんの家族の1員になる


 家族が、子猫とスタブロスの間に強い絆が育まれていることに気付くのに、そう時間はかからなかった。

 3匹以上猫は飼わないと決めていた一家だったが、結局その子猫を4匹目として家族に迎え入れることにし、チャーリーと名付けた。


最初の頃は、2匹はほとんど物置で一緒に過ごしていました。飼うようになったとはいえ、チャーリーは人間にはまだまだ人見知りが激しかったのですが、数週間後にはスタブロスに促されてやっと家に入るようになり、私たちに撫でたり抱っこさせてくれたりもするようになりました。

チャーリーは、トイレ用トレイの使い方も知らなかったのですが、スタブロスが教えたのでしょう。数日中には家の中の全てのもの慣れるようになりました。(クラリークさん)



 チャーリーは、どこへ行くのもスタブロスの後を付いて回り、そんなチャーリースタブロスは時に親のように、時に親友のように見守り、世話を焼いているそうだ。

 チャーリーを獣医院へ連れて行き、必要な検査や治療を施したが、幸いチャーリーは健康状態がとてもいい状態だったようだ。


 今もちょっぴり人間にはシャイなチャーリーは、クラリークさん宅の2階で1日のほとんどを過ごすそうだが、どこへ行くにも傍にはもちろんスタブロスの姿がある。


 永遠の家と親友を手に入れることができたチャーリーは、もう食べ物や避難場所を心配する必要もなくなった。今は、クラリークさんのもとでVIP生活を満喫中ということだ。

written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52294664.html
 

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