9月17日、移植版『モンスターファーム2』が、Nintendo Switch/iOS/Androidで配信開始となった。

(参考:『聖剣伝説3 ToM』は“リメイクもの”の傑作か? プレイの先に見えてきた『FF7R』との対照性

 育成シミュレーションの王道『モンスターファームシリーズの第2作として、1999年オリジナル版が発売された同作。今年7月のリリース発表時には、ファンから大きな期待の声が上がった。

 本稿では、シリーズの概要や移植版の変更点を踏まえ、その未来へと迫っていく。『モンスターファーム6』が発売される日は訪れるのだろうか。

・CDから誕生したモンスターを育成するシミュレーション
 『モンスターファームシリーズは、テクモ(現コーエーテクモゲームス)より1997年リリースされた同名タイトルを初作とする作品群。これまで5つのナンバリングを含めた10作以上が発表されており、なかでも初作『モンスターファーム』と第2作『モンスターファーム2』は、ゲーム史に名を残すほどの高い評価を獲得している。

 ナンバリングにおけるジャンルは、当時トレンドだった育成シミュレーションで、そのすべてがPlayStation系列のプラットフォーム発。「CDから誕生させたモンスターを育て、バトルでの勝利を目指す」という珍しいゲームシステムを武器に、一躍人気シリーズへと上り詰めたのが『モンスターファームシリーズだ。

シリーズ最高傑作の呼び声高い『モンスターファーム2』の魅力とは
 『モンスターファーム2』には、前作から踏襲したシステム面の魅力をそのままに、さまざまなパワーアップが施されている。

 同シリーズの看板であるモンスターの数は400種類弱まで増加。選択肢の広がりは、大きな遊び心をプレイヤーにもたらした。難易度面では、システムの調整とレベルデザインが絶妙なやりごたえを演出。前作の経験・未経験を問わず楽しめるそのバランスは、“見事”と言うにふさわしく、あらゆる方面から期待がかかるシリーズ2作目の役割を大いに果たすものとなっている。

 結果として『モンスターファーム2』は、好評だった初作以上の評価を獲得。同シリーズを「育成シミュレーションの王道」と言われるまでの立ち位置へと押し上げ、自身は“ゲーム史に名を残す佳作”として、20年以上が経過してもなお愛され続ける作品となった。同タイトルが時を越えて再リリースされる意義、界隈がこれほどまでに盛り上がる理由については、プレイしてもらえればご理解いただけるはずだ。

・『モンスターファーム2』は思い出補正を超えられるか
 今回リリースされたダウンロード版の『モンスターファーム2』は、1999年に発売されたオリジナル版のベタ移植ではない。時代をまたいでの再出発にあたり、同タイトルにはさまざまなブラッシュアップが盛り込まれた。

 Twitter公式アカウントから発表された変更点の数は50。その多くが、オリジナル版において強いて挙げられたマイナスポイントを修正するものであるため、移植版ではさらに磨き込まれた『モンスターファーム2』の世界を体験できそうだ。もちろんそこには、映像とサウンドリマスターや新たな機能的UIの追加、オンライン対戦の実装といった新要素も含まれる。インフレする期待を優に超えてきそうな変更点の数々により、睡眠不足となるプレイヤーが続出するのではないだろうか。

 なお、移植版の『モンスターファーム2』では、昨年リリースされた初作の移植版に引き続き、CDからモンスターを生み出すシステムが撤廃されている。プラットフォームの変更と時代の流れに起因する変化に対し、「しかたない」とは思いつつも、オリジナルリリース当時を知るフリークの1人としては、そこに「残念さ」を感じずにはいられない。

 ここまで育成シミュレーションの王道として語ってきた『モンスターファームシリーズだが、第2作以降はやや尻すぼみの作品群となってしまっている。最後のナンバリングである『モンスターファーム5 サーカスキャラバン』が出たのは2005年。年表だけで考えれば、もう終焉を向かえてしまったシリーズと言えるのではないだろうか。

 初作、第2作の復刻が続き、歴史の再始動を感じさせる同シリーズファンの期待する未来は、『モンスターファーム6』の発売であるに違いない。今後シリーズはどのような道をたどっていくのだろうか。その手がかりは、移植版『モンスターファーム2』の成否に眠っていると言えそうだ。

(結木千尋)

『モンスターファーム2』