アメリカのニューメキシコ州をはじめ、コロラド州やテキサス州、メキシコに至る広い地域で、8月末から大量の渡り鳥の死骸が発見されるという謎の出来事が相次いだ。その数は現在、確認できるだけで数十万羽以上とされている。
また、目撃した人の話によると、鳥たちは死ぬ前に奇妙な行動を起こしていたという。
現在死因は調査中だが、カリフォルニアや西海岸で発生した大規模森林火災が影響している可能性も示唆されている。『Sciencealert』などが伝えた。
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ニューメキシコ州全域で渡り鳥の大量死を発見
8月20日、ニューメキシコ州にある米陸軍のホワイトサンズ・ミサイル発射場とホワイトサンズ国定公園で、大量の渡り鳥が死んでいるのが発見された。
これらの鳥は、スズメ、ツバメ、ウグイス、ルリツグミ、ムシクイ類、クロウタドリ、ニシモリタイランチョウ、タイランチョウなどだ。
UPDATE (14 Sept 2020): Students from @nmsu_fwce 110 class surveyed campus for dead birds as part of their lab class today. In just a few hours they collected several individuals of different species. #SWAvianMortality #avian #conservative #migration pic.twitter.com/idvW2fAPZj
— Allison Salas (@salasphorus) September 14, 2020
この事態は、ドニャアナ郡やロズウェル郡、ジェメスプエブロ郡やソコロ郡などニューメキシコ州全域に及び、更に後日にはコロラド州、テキサス州やメキシコなどでも相次いだ。
その数は少なくとも数十万羽にのぼるという。
I just recorded this up in Velarde, N.M. I've never seen anything like it. I'm told of other dead migratory birds found in Hernandez, Ojo Sarco and El Valle de Arroyo Seco. https://t.co/GpeFZbyuW7 pic.twitter.com/XXVM4AZrDu
— objectivity haver (@austieJFish) September 14, 2020
大量死前に目撃された渡り鳥の奇妙な行動
実は、これらの渡り鳥たちは死ぬ前に奇妙な行動をとっており、それを住民らに目撃されていたようだ。
通常、鳥は低木や樹木に止まっていることが多いが、大量の死骸が発見される数日前から、地面で餌を探している姿が目撃されていた。
特にツバメは地面を歩くことなど全くと言っていいほどないが、なぜか地面に座り込んでおり、人が近付いても飛ぶ様子を見せなかったそうだ。
住民たちは、「多くの鳥が無気力で無反応だった」と口を揃えて話している。
We have noticed that the majority of species collected are insectivores and long-distance migrants, such as swallows, wood-pewees, empidonax flycatchers, and warblers. (4/9) pic.twitter.com/dPoR1QFqtz
— Allison Salas (@salasphorus) September 13, 2020
森林火災が原因か?気候変動か?
約300羽の鳥の死骸を12日から調査しているニューメキシコ州立大学の魚類、野生生物、保全生態学学部のマーサ・デスモンド教授は、このように話している。
カリフォルニアなど西部で広がっている大規模森林火災が原因のひとつかもしれません。鳥たちは、渡りの準備が整っておらず、十分な脂肪を蓄える前に、渡りを強いられた可能性もあります。また、火災によって渡りの経路変更を余儀なくされたり、煙を吸い込んで肺に損傷を受けたとも考えられます。一部の鳥は、渡りを始めるのに必要な力さえなく、その場で死んだ可能性もあります。
数十万、数百万という単位の大量の鳥が死んでいるという酷い状態は、壊滅的な気候変動にも要因があるとも考えられます。
1970年以来、アメリカでは実に30億羽という鳥が失われている上に、昆虫数の激減も著しい。こうした野生生物の個体数の減少は、見ていて悲痛でしかありません。
渡り鳥の死骸は、今後剖検のためにオレゴン州にある米魚魚類野生生物局に送られる予定だそうだ。ただし、結果がわかるまでには数週間かかる場合もあるということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
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