お笑いコンビ・EXITの兼近大樹(29歳)が、9月17日に放送されたニュース番組「ABEMA Prime」(ABEMA)に出演。東京都ホームレス「ゼロ」計画に持論を語った。

番組はこの日、東京都が掲げる、2024年度末までに自立の意思のあるすべての人を対象に、“ホームレス「ゼロ」”を目指す「ホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画」に注目。かつて渋谷・宮下公園でホームレスとして暮らしていた経験がある兼近と共に、コロナ禍におけるホームレスの現状について議論した。

この日のオンエア前に、兼近が実際に生活を送っていたという宮下公園の跡地「ミヤシタパーク」近くで、ネタ合わせをしたと明かしたりんたろー。は、兼近の様子について「『ここで生活してたんだな…』と自分の家を見るかのように、かつての宮下公園を見つめていた」と告白。

また、コロナ禍におけるホームレスの現状について「めちゃくちゃ知らない事って多いなって思って。施設や家より路上の方が過ごしやすいなんて知らなかったし、『大半はお金の問題でホームレスになっているのかな?』って思っていたが、意外と人間関係でそうなっちゃってたりとか。その経緯も分からないし、『果たしてゼロにできるのか? ゼロにする事が良い事なのか?』という事も含めて議論したい」と率直な感想を語った。

一方で、兼近は、7〜8年前にホームレス生活を送っていたとしながら、「ほんと少しの間だが、僕の場合はしがらみから抜け出して自由になりたくて、それこそ好きでやっていた」と経緯を説明。

また、兼近は東京都が目標とする「都民ファーストで作る『新しい東京』(平成28年策定)」に触れつつ、「ホームレスの方の中には、本当に何かから逃げてきてる人もいる。社会生活ができなくていらっしゃる方もいて、理由はそれぞれ。本当にあそこにいる方たちは、多様性がある。だからホームレスを立ち退かせてゼロにするよりかは、そうならない過程を作っていくのが先かなっていう。今いる人を締め出したところで、結局戻ってきちゃったり。『ホームレスでいる方が楽だ』という人もいるので、めちゃくちゃ難しいと思う」と、経験者だからこその立場で、自身の見解を語った。

さらに、住居を与えられても、収容所にいるような生活を強いられる事で、居心地の悪さを感じて路上に戻ってしまう人が後を絶たない中、若者による見えないホームレスの増加が問題視されている事を受けて、りんたろー。は「そこが唯一のホッとする場所になっているという事は、そこに行けなくて自ら命を絶ってしまうことに比べたら、そうやって自分で“逃げ場”を見つけられた方がいいような気もしてきて。そう考えると『何が正解なのかな?』って思う」と疑問を感じたそう。

兼近は「子供の時は『学校が嫌だったら逃げたらいい、転校したらいい』って言ってくれるのに、大人になって『社会が嫌だ』って言ったら、『なんでだよ、働けよ』って言われるのは、めちゃくちゃキツイ話で。僕からしたら、社会が嫌だから逃げ出す場所があってもいいんじゃないかなと思う。逃げ出したことで新たな気付きを得て、『じゃあ元の生活に戻ってみようかな?』となるかもしれないし。僕の場合は家族がいたので戻れたが、そうじゃない人もいらっしゃる。戻る場所が本当にない人からしたら無理やり引きずり回されるだけなので、僕はそういう場があっても良いと思う」と持論を述べた。