2020年、芸能人が続々とYouTube進出を果たし、今ではその動きは珍しいものではなくなった。だが、「宮崎美子」という名前を、まさかYouTubeで見る日が来ようとは!  8月末、宮崎美子YouTube公式チャンネル『よしよし。』に初動画をアップした。

 宮崎といえば、1980年ドラマ『元気です!』で女優デビュー。以来、変わらぬ愛らしさでテレビタレントとして抜群の好感度を獲得してきた。現在ではクイズ女王としても活躍しており、知的なイメージも強い。そんな宮崎が、なぜ今YouTubeを始めようと思ったのか。

 今回、リアルサウンドテックでは動画撮影直後の宮崎に独占インタビューがかなった。まるで少女のように瞳を輝かせながら、新しいことにチャレンジしようとしている宮崎の姿は、きっと同世代に大きな勇気を、そして若い世代にも魅力的に映るに違いない。(佐藤結衣)

(参考:女優・福原遥が眩しすぎるモーニングルーティーン動画を公開 サプライズゲストに箭内夢菜も登場

デビュー40周年のタイミングで新しいことを!
――宮崎さんがYouTubeを始めたと聞いて大変驚きました。なぜ今YouTubeを?

宮崎美子(以下、宮崎):今年、デビュー40周年なんですよ。このタイミングで「何かできないかな」って思っていたときに、最近まわりの人が「YouTubeを始めた」みたいな話をよく聞くようになったのもあって始めることにしました。でもね「どうしようかな、できるのかな」っていう戸惑いは、今もあるんです。

――YouTubeはもともとご覧になっていたのですか?

宮崎:お料理やハンドメイドの調べ物をするときに拝見していました。すごく上手にまとめて解説してくれている動画がたくさんあるでしょう? たくさんあるから、チラチラ見て回るんですけど、求めているものが必ずある感じがして、面白い世界だなって思っています。

――どんな検索をされているのか気になります!

宮崎:最初に検索したのは、たしかラベンダーをたくさんもらったときだったかな。それを編んでスティックを作ろうと思ったんです。でも、正式な名前がわからなくて。「ラベンダー スティックの作り方」って検索しました(笑)。そうしたら、ちゃんとあるんですよ、それが! 本当に役立ちました。

――宮崎さんといえば、クイズイメージがありますが、YouTubeから知識を得ることは?

宮崎:もうクイズは疲れちゃうから、仕事以外では考えてないの(笑)。それにクイズっていろんな系統があって、どの方向から何がくるかわからないので。勉強するのもキリがないのよね。

――番組で共演されているQuizKnockさんとかもYouTubeされていますが、コラボ動画などの予定は?

宮崎:QuizKnockさんと私ねー……大変だと思う。やっぱりムキになっちゃうと思うから。YouTubeを始めようかって話になったときも、(スタッフをチラ見しながら)スタッフさんから「クイズ関連は? 勉強系は?」って言われたけど、「やめよ!」「もう勉強はいいよー」って拒否したくらいで……。

スタッフ:あくまでご相談しただけです! 強制はしないです!

宮崎:ふふふ。やったらやったで面白いのかな? どうなんだろう、そのあたりも手探りな状況ですね。

――スタッフの方との雰囲気もすごくいいですね。

スタッフありがとうございます!

宮崎:制作チームの皆さんと初めてお会いしたのが、ゴールデンウィークあたりでしたかしら。そこから、じわじわと。でも、この前撮影でボルダリングをみんな一緒にやって、仲良くなれたような気がします。まだまだ揉みながらやっていく感じです。

――実際に、先程まで動画を撮影されていたとのことですが、いかがでしたか?

宮崎:とっても楽しいですね。こういう風にスタジオで撮るのは、まだ数回ですけれど。実は、この前ボルダリングのロケもやったんですよ。スタッフの方が「YouTubeは宮崎さんがやりたいことを楽しくやってもらえればいいんですよ」っておっしゃってくださったので、「前からボルダリングっていうのをやってみたかったんです」って話したんです。

――バイクや野球、サッカー、石集めなど、多趣味だとお聞きしていましたが、まさかボルダリングが出てくるとは!

宮崎:60歳を過ぎて新しいことにチャレンジって、普通に暮らしていたらなかなかできないじゃない? でも、一生に一度は体験したいみたいなことって、やっぱりあって。これは、実現するかわからないですけど、(こっそりと)バク転もしてみたいなって思っていて。この間ふと「私、1回もバク転をしないで一生を終えるのかな」って思ったんですよ。でも、これはやっぱり無理よね?

――プロの方のサポートが入ったら、不可能ではないのでは?

宮崎:それも、もっとYouTubeに慣れてきたら、かな? あ、でもやるなら体力的にも早いほうがいいのかしら(笑)

・本当に楽しんでるかが伝わるのは、テレビYouTubeも同じ
――長年テレビで活躍されてきた宮崎さんから見て、YouTubeはどう映っていますか?

宮崎:まさかこんな世の中が来ようとは思わなかったですよね。だって自分の放送局を持つわけでしょう? じわじわとテレビなり、この芸能界っていう仕事が変わっていくのは、この数年で感じてきていました。そこへ、このコロナ禍があって急に世の中も変わってしまったなって。これまで当たり前だった様々な仕組みが、新しい生活様式に切り替えろと言われている。例えば、映画館にしても席を空けて座って見るようになりましたし、これから芸能のあり方も変わってくるだろうし……そんな中に、このYouTubeっていうのがあって。だったら「やってみたいな」って思いました。

――テレビYouTube、どちらにも出演してみて、違いは感じますか?

宮崎:撮影に向けて、いろいろと準備をしながら思ったんですよ、「こういうこと、ずっとやってきたことだな」って。番組に出演するときも、YouTubeの撮影をするときも、自分なりに調べ物ノートを作ったり、何かを練習したり……そうやって準備したものを披露するってことに変わりはないし、本当に楽しんでいないとそれは伝わらないのよね。そういう単純なところは、同じだと思います。

――なるほど。個人的にはテレビのほうがお化粧がさらにきちんとされていて、YouTubeのほうがよりナチュラルメイクに近いという印象があるんですが。

宮崎:そうですね。キレイにお化粧されるといえば、テレビゴールイメージに向かって、しっかりリハーサルをしますね。例えば、何か楽器を演奏をするなんていう企画なら、成功するまで撮り直しますし……だからね、今日はすごく迷っちゃったんです。家から石の楽器を持ってきて演奏する動画を撮ったんですけど、どうもうまく弾けなくて。こうやってね……(見事な演奏)。

――わー! 素敵な音色ですね。

宮崎:やだー、なんで今のほうがうまく弾けるのかしら? もう! 撮影のときはね、なかなかうまくいかなかったんですよ。でも、「大丈夫」ってスタッフさんが言うものだから、「そうなのかな?」って迷いながら撮影したんですけどね。

スタッフ:いやいや。本当にすごくお上手でしたよ。宮崎さんの中で、合格ラインレベルがすごく高いだけで!

宮崎:でも、こういう失敗っていうか、うまくいくかわからないところも、YouTubeならOKなのよね? 失敗もまたよし、と。そこが、綺麗にお化粧をしてくれるテレビとは、また異なる魅力ね。

――自分でプロデュースしていく分、「楽しい」を保つことがYouTubeを続ける秘訣かもしれませんね。

宮崎:そうですね。以前、本の紹介をする番組をやっていたことがあって。その本から派生して、漢字の成り立ちに興味を持ったり、物語に登場してきたキノコについて調べたり、折り紙をしてみたり……。

――折り紙ですか!?

宮崎:虫のお話だったので、「虫の折り紙ってあるのかな?」と調べたら、鈴虫の折り方があったので。こちらなんですけどね。

――すごい! 今にもカサカサ動きそうなくらいリアルですね(笑)。これは、1枚でできているんですか?

宮崎:ううん、2枚なの。私、2枚で作る折り紙は初めてで。この歳になって、初めてのことも出会えるのも楽しいなって思います。新しい発見とか、「おお!」っていう驚きとか、そういうのをYouTubeで、一緒に共有することができたらうれしいですね。

――YouTubeではテレビ受けしないコアな話題もどんどん発信できるのもいい点ですよね。

宮崎:そうよね。そういう意味では、私の石集めも『なんでも鑑定団』に出して売れるような石じゃなくて、本当にそこらへんの石だから、YouTube向きなのかもしれません。その土地の思い出と一緒に拾ってきた石なので。大きい石はブックエンドにしたり、漬物石にしたり、石って便利なんですよ。あ、この楽器の石はね、サヌカイトっていって、香川県のものなの。素敵ですよね。

――鉄琴のような澄んだ音で。見た目からは、こんな音が出るとは思いませんでした。他には、何か好きなものをご紹介される予定は?

宮崎:スタッフさんからね、「ゲームやってみたら」っていう話は出ました。

――普段から、ゲームされるんですか?

宮崎:そんなにたくさんはしていないんですけど、実は何年か前に 『ポケモンGO』をやっていたんです。いっぱい集めてたのに、あるとき電波が悪いところで途切れちゃって。そこから二度と入れてもらえなくなっちゃった……。パスワードがどうとか、認証がどうとか言われちゃって。あんなに仲良くしてたのに仲間はずれ。ちょっとだけ課金もしてたのに!

――(笑)。宮崎さんならではのゲーム実況が楽しめそうで、ワクワクします。

宮崎:投げるのうまくなってたんだけどな。でも、これを機にほかのゲームにも挑戦してみようかしら。

――ほかにもYouTuberのなかで流行っているのは、モーニングルーティーンやお食事風景を撮る動画もありますね。

宮崎:ルーティーン……ラジオ体操はやってるけれど、どうなのかしら。でも、お見せできるような私生活ってないんですよ。この2、3日は、ずっと鈴虫の折り紙やっていましたし(笑)

――そういう、作業風景を長い時間録画した作業用動画も結構人気のようですよ。一緒に勉強や仕事をしたいという人もたくさんいらっしゃって。

宮崎:あらそう! 本当に、何がネタになるのかわからないのね。余裕が出てきたら、流行っているものをやってみるのもいいかも!

・人生の棚卸しをしながら「楽しみ」を拾い集めていく
――先程、このプロジェクトスタートゴールデンウィークころだったとお話していましたが、新型コロナウイルスの影響でなかなか身動きの取りにくい時期が続きましたね。

宮崎:それこそ想像もしていなかった事態で。私は一人暮らしなので、外出自粛になったとき、1人になる時間が多くて、いろいろと考える時間がありました。この年齢まで生きてきて、自分が好きなことってなんだろう、やってみたかったことってなんだろうって、振り返るきっかけになりました。

――たしかに。私の母も今、実家に一人暮らしですが「これから何を楽しみに生きていこうか考えた」という声を聞きました。

宮崎:そうでしょう? だから、本当に老後の楽しみですよね。この仕事は定年がないから、ずっと続けることができるんですけど。40年やってきたのでね、そういう遊び場の一つがあってもいいんじゃないかって思ったんです。変化が多くて大変だけど、それもいいチャンスにしていこうって。

――その遊び場が1人で完結するのではなくて、世界中の人シェアできるのがYouTubeならではですね。

宮崎:本当に。一人暮らしだと、放っておいたら会話もないんですよね。それが、YouTubeなら普段接することのない世代の方や、いろんな分野の方とも繋がるきっかけになるかもしれないじゃないですか。どんなコメントが届くのか、楽しみにしているんです。

――「老後の楽しみ」とお話していましたが、今は「人生100年」なんて言われていますから。まだまだそう考えると、何年、何十年かけて、何か新しいことを突き詰めることもできるかもしれませんね。

宮崎:そう考えると、そうね。今から筋トレを頑張って、すいすいバク転しちゃうとか?

――不可能ではないと思います!

宮崎:いやー、バク転は本当に野望なので、期待しないでいただきたいですが(笑)。でも、もし同年代の方が見てくださっていたとしたら、「自分も負けていられないや」「やってみようかな」って思っていただけたらうれしいですね。「いい歳して、まあよくこんなこと」って言われちゃうかも知れないけれど。あんまり年齢は考えずに、本当にやりたいことをやれればいいのかなと思っています!

撮影=竹内洋平