「激売れ」ゆえに納期遅延のハリアー! コロナ不況で「買えなくなった」との「キャンセル」に怯える販売現場

趣味にお金を使えない富裕層が新車を購入している

 新型ハリアーの人気ぶりはいまさら言うまでもない話であるが、確認しておくと6月17日の発売から1カ月時点での累計受注台数が約4万5000台となり、月販目標台数3100台に対して約14.5倍となっている。

 これだけのバックオーダーを抱えると、納期遅延も深刻な状況となっている。同じハリアーのなかでも、搭載エンジンや駆動方式などで納期にバラつきがある。仕様を問わず外装色でプレシャスブラックパールを選ぶと納期に時間がかかるようだ。

トヨタ・ハリアーが売れていても喜べない理由

 また、レザーパッケージを選ぶと納期遅延がより長期化するのだが、そのなかでもハイブリッド4WDでレザーパッケージ、さらに調光パノラマルーフでプレシャスブラックパールを選ぶと、納車予定は2021年4月以降になるとのこと。ちょっとした高級輸入車でも半年以上納車を待つといったケースはあまり聞かない。

トヨタ・ハリアーが売れていても喜べない理由

 このような人気となったのは、300万円を切る価格設定のモデルがあったり、日系ブランドで知名度が高く、数少ない上級といえるニューモデルであること、新型コロナウイルス感染拡大により、海外旅行や外食などを手控えることになり、お金の使い道が限定されている富裕層や身分や所得の安定した公務員、富裕リタイア層の一部が新車購入に飛びついていることも一因としてあるようだ。

 買う側としては、契約時に納期が遅くなることは説明を受けているので覚悟はしているのだが、現場のあるセールスマンはWITHコロナ時代となり、ある不安がより一層深刻なものとなっているとのこと。

まだ収束の気配が見えず新車販売への影響も続く可能性大

新型コロナウイルスが感染拡大する前に、あるお客さまが『正式に予約発注できるようになったら買うよ』と、ある発売予定モデルの購入意思を示してくれました。そして、6月ごろに正式に予約発注できるようになったので、ご案内したところ『コロナウイルスでそれどころではなくなった』として、キャンセルされました。発売前で正式発注もできなかったので、納車順位確定のための“予約発注の予約”のような段階だったのでまだいいのですが、すでに既販車で正式受注した納期遅延車のキャンセルとなると、かなり話が面倒になってきます」と語ってくれた。

 新車販売事情通のA氏は、「ハリアーはいまのところ、納期遅延の最長は来年4月以降となっています。新型コロナウイルス感染拡大はすでに第二波がきたとされているので、今後は第三波の襲来が懸念されています。事業年度締めで10月からは下期となりますが、いよいよ持ちこたえられなくなった企業の倒産やリストラが顕著になるとも言われており、抱えるハリアーバックオーダーのなかからも、新型コロナウイルス感染拡大を理由としたキャンセルが続出するリスクに備える必要はあるでしょう」と話す。

トヨタ・ハリアーが売れていても喜べない理由

 とはいえ、自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計を見ても、毎月バックオーダー消化のためにフル生産で対応している様子が見られるので、納期遅延解消への有効的な手段はなかなか見つからないのも現状。

 もちろん、各セールスマンも自衛のために、ハリアーの納車待ちをしているお客へ“探り”を入れる意味でも、きめ細かいフォローをして、早期に対応できるようにしているのは当たり前の話。“こんなに売れるとは思っていなかった”と喜んでばかりいられないと思うのが、余計なお世話で済むことを心から祈りたい。

トヨタ・ハリアーが売れていても喜べない理由

ハリアーの走行イメージ01

「激売れ」ゆえに納期遅延のハリアー! コロナ不況で「買えなくなった」との「キャンセル」に怯える販売現場