2020年9月、韓国の医師たちのストは、一部強硬派を残して終了した。しかし、今度は、医学部四年生=ヒポクラテスたちの反乱が始まった。日本の医師国家試験にあたる、韓国の国家試験への未申請が問題になっている。

 政府は、今年、この試験をなんどか延期している。コロナの影響があったり、医師たちのストがあったり、それなりの言い訳を付けて。しかし、本当は、医学生たちは、自分たちが資格を取った近い未来に対して非常なる不安を抱いている。

 研修医という立場は非常に弱い。薄給どころか無給で働かせられる待遇がまず待っている。だが、これを乗り越えれば、一人前の医師として収入もステータスも、一般人とは段違いになる。

 しかし、それはコロナ前のことであって、コロナ後では全く違う。先輩医師たちが今最前線で疲弊している。医療行為だけでもかなりの疲弊なのに、生活面でも尊敬されるどころか、コロナを媒介させるツールとして避けられていると言ったストレスを抱えている。

 この現状を見て、医師になりたいと思う学生はいるだろうか。大学さえ卒業すれば、あるいは1つ単位を落として何年か留年して、このコロナ禍という状況が去った時点で、医師になるかならないかを選択することもできるからだ。

 現に、実技試験対象者総数3172人中、受験申請したのは14%の446人しかいない。逆に、446人も申請していることに驚く。

 おそらく、彼ら彼女らは、まだ臨床経験もない状態、医師という資格をもらった時点で、最前線で働かされる。重労働のわりにあう報酬は与えられない。もし罹患したら、もしストレスで精神を病んだら使い捨てされるだけだ。

 政府としては今、多くの医者を作りたい。試験点数が、合格点に満たなくても下駄をはかせて医師の免許を与えるだろう。その実力がない医師たちからの被害を受けるのは、国民だ。

 韓国の医大生たちは、案外、頭のいい選択をしているのかもしれない。政府の言うことなど聞くなと応援したい。人生は長い、いつ医師になってもいいのだから。

韓国の救急車のイメージ