レンタカーなどの貸渡用ナンバープレートに使われるひらがな、一般的には「わ」ですが、実は3種類もあります。どう使い分けられているのでしょうか。

存在する「れ」、そして「ろ」ナンバー

レンタカーナンバープレートひらがなは、一般的に「わ」が使われますが、「れ」ナンバーの地域もあります。沖縄本島北海道の札幌ナンバー地域などで、貸渡(レンタル)用ナンバープレートとして「れ」ナンバーが交付されています。

じつはもうひとつ、貸渡用のナンバーに割り当てられているひらがながあります。小型二輪車(250cc以上)のレンタルバイクには、「わ」ナンバーのほかに「ろ」ナンバーが見られます。

全国でレンタルバイク専門店「レンタル819」を展開するキズキ(東京都町田市)によると、2020年9月現在、「レンタル819」の小型二輪車の多くは「ろ」ナンバーであるものの、沖縄や三重県など一部の地域では「わ」だといいます。一方で、125cc以上250cc以下の軽二輪車については、全面的に「わ」だということです。

なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。

そもそも貸渡用ナンバーのひらがなは、登録車(軽自動車以外の四輪車)用には「わ」「れ」が、小型二輪車用には「わ」「ろ」が割り当てられています。一方で四輪の軽自動車や軽二輪車は「わ」だけの割り当てです。

沖縄や札幌ナンバー地域などで「れ」ナンバーの登録車が見られるのは、「わ」ナンバーの組み合わせを全て使い切ってしまったため。それぞれ2010年代以降のことです。ただし札幌ナンバー地域では、もともと「れ」を交付し、ほかの地域に合わせる形で「わ」に変更、その後に「わ」を使い切ってしまったため再び「れ」を交付、という変遷をたどっています。

一方で小型二輪車の場合は、国土交通省自動車情報課によると、運輸支局ごとに「わ」から交付するか、「ろ」から交付するかが異なっているようだといいます。どちらから交付するかという規定は特になく、通達なども行っていないとのこと。

このような違いについて、ナンバープレートの業界団体である全国自動車標板協議会は、登録車用でも「れ」から始まった地域があるように、ナンバープレートの情報を運輸支局ごとに紙の原簿で管理していた頃の名残りではないかといいます。

「わ」ナンバーのバイク(画像:藤村のぞみ)。