宅建士って知ってますか?「宅地建物取引士」の略称で、土地や建物の取引を行う資格を持った人のことです。
毎年行われる試験では、知って得する家に関する知識が出題されます。そのなかから宅建士の資格を持つ編集部員が厳選して出題。
これが解ければ「自宅で、念願のお店を開くことができるか?」が明らかに。いざスタート!
問題 建築基準法に関する次の記述は正しいか?
第一種低層住居専用地域内においては、延べ面積の合計が60㎡であって、居住の用に供する延べ面積が40㎡、クリーニング取次店の用に供する延べ面積が20㎡である兼用住宅は、建築してはならない。
土地には用途規制があり、お店を開けるかにも規制がある!
設計/オンデザインパートナーズ 撮影/桑田瑞穂(イメージ)
閑静な住宅街にある自宅で、クリーニング屋さんは開けるか?という問題です。
このような問題が出るということは、ひょっとしてダメなこともあるの?と思った人は、かなり鋭いです!
実は、いつか自宅でお店を開きたいという夢を持っていても、今住んでいる場所、これから住もうとしている土地では、実現できないかもしれないのです。
なぜなら土地には、都市計画法で定められた「用途地域」ごとに、建築基準法の「用途規制」があるからです。
用途地域は、住居系・商業系・工業系を合わせて13種類あります。そして、小学校や中学校は環境の悪い工業系の「工業地域」や「工業専用地域」には建てられなかったりします。
設問にある第一種低層住居専用地域は、低層住宅の良好な住環境を守るための地域のことで、とても厳しい制約があります。原則として店舗などは認められません。
では、この設問は〇でしょ?と思った人、ちょっと待ってください。
厳しい条件の地域でも3つの条件をクリアすれば開くことは可能
正解は×なんです。
実は政令によって以下の3点を満たせば、この厳しい用途地域でも店を開けるからです。
- 延べ面積が2分の1以上が住居用
- 店舗の用途に供する部分の床面積の合計が50㎡以内
- 理髪店、美容院、クリーニング店、質屋、貸衣装屋、貸本その他これらに類するサービス業
この設問では3つをすべて満たしています。ですから正解は×ということです。
ポイントはお店だけの建物はダメということ。実際に住んでいて、居住スペースのほうが広くて、お店のスペースも50㎡以内ならOKです。
政令の文言が古いままなので、具体的に列挙されている業種がピンとこないですね。
しかし「これらに類するサービス業」として認められるお店で、この3つをを満たせば、あなたお晴れてお店のオーナーになれます。
※質問と答えは、建築基準法に関することに限った内容になっています。開業に必要な資格、届出、申請、認可などについては触れていません
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