新型コロナウイルスの感染が拡大するまでは、日本を訪れる中国人旅行客は右肩上がりで増加し、日本に留学する中国人学生も増加し続けるなど、民間での日中交流は活発な状態が続いていた。一方、日本と中国は政治面では歴史問題や領土をめぐる対立など、抱える矛盾も数多く存在するのが現状だ。

 中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「中国と日本が将来的に鉄の同盟関係を築くような可能性はあるだろうか」と問いかけるスレッドが立ち上げられ、中国人ネットユーザーから様々な意見が寄せられた。

 現在の中国にとって「鉄の同盟関係」にある国といえばパキスタンを挙げることができるが、米中摩擦が激化するなかで日本と中国が「鉄の同盟関係」と呼べるような良好な関係を構築することは果たして可能なのだろうか。

 スレッドに寄せられた中国人ネットユーザーの意見を見てみると、日本と中国が「鉄の同盟関係」を構築する可能性は「極めて低い」と考えるユーザーが大半のようで、「中国と日本は現在の戦略的互恵関係がせいぜいで、同盟関係は無理だ」という声が見られた。また、19世紀の英パーマストン首相が述べた言葉を引用し、「永遠の敵も永遠の味方も存在しない。国にあるのは永遠の国益だけであり、鉄の同盟関係を構築することが日中にとって互いの国益にかなうのであれば可能であろうし、国益にかなわないのであれば同盟関係は無理だろう」という声もあった。

 同盟という関係性について、「互いを同等のパートナーとし、互いに隠し事のない状態にしなければならない」という意見もあり、現在の日中を見ると「同盟を結ぶのは不可能」という意見があった。

 一方、少数ではあるが「日中が鉄の同盟関係を構築するのは可能」と考える中国人もいるようで、その理由として「日本人が強者に畏敬の念を抱き、忠誠を示す国民性であることは、現在の日米関係からも見て取れる」とし、中国が今後、世界をリードする力を持てば、不可能なことではないと主張した。

 中国と米国の摩擦が激化するにつれ、日中関係もかつてよりさらに複雑なものになっていると言えるだろう。将来のことは誰にも分からないものだが、米中関係が改善しない限りは日中関係の劇的な改善も難しいのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日中が「鉄の同盟関係」を築く可能性はあると思う? 中国ネットユーザーの見解は・・・