「水があるところには必ずワニがいると思え」と言われるほどワニの生息数が多い米フロリダ州で今月13日、運河沿いを散歩していた61歳の男性がワニに襲われた。男性はワニに水中に引きずり込まれる直前に、両手人差し指でワニの目を突き無事だった。『TCPalm』『WPTV.com』などが伝えている。

米フロリダ州ポートセントルーシー在住のマーク・ジョンソンさん(Mark Johnson、61)は13日朝、自宅裏の運河沿いをゴールデン・レトリバーの“レックス(Rex、8)”と一緒に散歩していた。マークさんはフロリダ育ちで海や海洋生物の絵を描くプロの海洋画家として活躍しており、レックスとの朝の散歩を日課にしていた。

その日、運河を南に下り午前9時半頃に自宅前まで戻ってきたマークさんは、水際で草を食べているレックスに大きなワニが接近してくるのに気付いた。少し離れた場所にいたマークさんはレックスに「家に戻れ」と叫びながら近づいたが、サンダルを履いていた足が泥にはまり動きが取れなくなってしまった。

レックスはマークさんの警告でその場からすぐに離れたものの、ワニは水際でもたつく“獲物”の右膝裏に容赦なく噛みつき、マークさんはワニの巨体に押されて地面に叩きつけられた。

マークさんは「ワニは身体を振って、私を水中に引きずり込もうとしていてね。私は咄嗟にワニの両目を人差し指で突きさしたんだ。するとワニは口を開けて私の脚を放し、泳いで去っていったよ」と語り、こう続けた。

「怖かったし、今でもワニに噛まれた状態の自分の姿を鮮明に思い出すことができるよ。ヤツは私を振り回して脚を引きちぎろうとしてたんだ。」

「ワニの顎からは自分の脚だけが突き出していて、『今すぐ何とかしないと殺られる』と思った。ワニが自分より大きいことはわかっていたけど、あの数秒の間に考えていたのは『サバイバル(生き抜く)』ということだけだったよ。」

マークさんはその後、血が滴る脚を引きずりながら自宅に戻り、傷口を洗い流してから地元の「セントルーシーメディカル・センター」で治療を受けた。脚を60針、左人差し指を5針縫う怪我で「ワニの歯跡が12か所もあってね。痛みが酷いけど、もし小さな子供やペットだったら助からなかっただろうね」と安堵した様子で語った。

ワニはのちにフロリダ州魚類野生生物保護委員会(FWC)が委託する捕獲業者によって捕らえられ、ワニ農場に移されており、体長は約2.4メートル(8フィート)、体重は約113キロ(250ポンド)もあったという。

マークさんは「捕獲業者には『あなたは本当にラッキーでしたよ。目を突いて反撃しても助からないこともありますから』と言われたんだ。ヘビに出くわすことはよくあるけど、まさかワニに襲われるとはね。あの日のことは一生忘れないよ」と笑った。

実はマークさん、ある計画を立てているそうで最後にこう明かした。

「実は今回の経験を絵にしようと思ってね。もうキャンバスを注文してあるんだ。襲われた体勢、自分の足やワニの位置、全て頭に入っている。それにワニの歯は真珠のような白さで汚れがなく、目は緑色だったよ。」

なおFWCはワニが人を襲うのは稀だとしながらも、フロリダ州では1948年から2019年4月までにワニによる襲撃が413件報告されており、そのうち病院での治療が必要だったケースは283件、亡くなったのは25人だという。

画像は『WPTV.com 2020年9月18日付「Port St. Lucie man attacked by 8-foot alligator while walking dog」』『TCPalm 2020年9月14日付「Florida man survives alligator attack, but with 65 stitches. Here’s how he got away.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト