医者、教授、アナウンサー、俳優、バンド

 こうした言葉を聞いて、皆さんはどんな人々を想像しますか?もしくは、結婚、カップルと聞いたときはどんな人々を想像するでしょうか?

 特に意識していなかったとしても、医者と聞いて女性のお医者さんを想像すること、カップルと聞いて同性のカップルを想像することは少ないのではないかと思います。

 なぜならこの社会でまだまだ「医者(教授、アナウンサーなどなど)は男性の職業」、「愛し合うのは異性のカップル」と言う想定がスタンダードだから。私たちが日頃何気なく使う言葉にも、様々な社会の構造が現れてきます。

 今回は、そんな言葉のなかに現れる社会の構造とその影響について漫画にしてみました。

【漫画で見る】言葉に現れる、私たちの無意識の偏見

 少年という文字の表面からは、特段ジェンダーに関する情報は読み取れないような気がします。しかし、少年という言葉で通常表されるのは「男の子」。その反対に「女の子」を表す言葉としては少女という言葉が用いられます。

 少年と少女。この文章を書いている筆者の私は小さい頃に感じた、この2つの言葉への違和感を今もよく思い返します。

「なぜ、ニュートラルな表現で男の子が表されるのに対して、女の子は特別に“女”という情報を付け加えなければいけないのだろうか?」

 このときからすでに、「社会では女性は男性の副次的な存在なのではないか」と薄々感じ取っていたのです。

「同性カップル」という言葉にも似た構造が

 その後、歴史や思想を学んでいくうちに、いかに社会全体が、そしてときには言語自体が「人間=男性」となっているか知ることになりました。だから、女性を指す場合はあえて“女性”という情報を付加しなければいけないのです。

 その他の世の中の“普通”から想定されない人々、たとえば異性愛者“ではない人”などの場合も同様です。わざわざ同性カップルであることを明記しなければ、多くの場合異性のカップルを想定されてしまうのですから。

 きっと、こうした言葉の端々にモヤモヤを経験してきた人は私の他にも多くいることと思います。

 けれど、こうしたモヤモヤを発信すると時折「そんな細かいことを気にしているの?」と言われてしまうこともあります。たしかに、こうした言葉を使っている人の多くはそこに悪意など込めておらず、ただ使っているだけ。当事者でも気にならない人はいるでしょう。

 しかし私はこうした言葉に現れる非対称性は、決して小さいこと、重箱のすみを突くようなことではないと考えています。なぜなら、それは漫画の中にもありますが、この言葉の非対称性はそのまま社会の非対称性を表しているから。そして、たとえ無意識であっても私たちは言葉によって多く影響されているからです。

 普段何気なく使っている言葉だからこそ、社会の非対称な構造や、私たち自身のもつ偏見を考え直すきっかけになるのだと思います。

(漫画:keika、編集後記:伊藤まり

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