Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)はこのたび、クラウドからエッジまでをカバーするインフラストラクチャ基盤「Arm Neoverse」の次世代ロードマップを発表し、2つの新製品「Arm Neoverse V1」プラットフォームと、Nシリーズ・プラットフォームの第2世代にあたる「Arm Neoverse N2」の概要を初公開しました。

発表の概要:

  • ハイパースケール/クラウドコンピューティング、HPC、5G、エッジなどの主要分野において、Arm Neoverseソリューションの採用が加速
  • インフラストラクチャの変革を支える新しいNeoverse V1およびNeoverse N2プラットフォームを発表。現行のNeoverse N1比で、パフォーマンスはそれぞれ50%、40%向上
  • スムーズな開発体験と安定して機能するソフトウェアを実現するため、ソフトウェア・エコシステムへの投資を継続

インフラストラクチャ分野におけるコンピューティングに新たなアプローチが求められる中、Armは10年来、こうした環境の変化に対応する、演算効率の高いテクノロジーデータセンターに導入することを目指してきました。より効率的な新しいインフラストラクチャ基盤の構築に向けた取り組みの成果として、Armは2018年にArm Neoverseを発表(*1)しました。この新たな演算プラットフォームには、2021年までの期間を通じて、前年比30%のパフォーマンス増を達成するという目標が掲げられていました。その第1弾として昨年発表されたNeoverse N1とNeoverse E1(*2)の2種類のプラットフォームは、すでに大きな成果をもたらしています。Neoverse N1は、当初のパフォーマンス目標を2倍近くの数値で突破し、Arm Cortex-A72 CPUに比べて60%のパフォーマンス増を達成しただけでなく、同分野のコンピューティングに求められる選択肢と柔軟性のニーズにも応えています。
*1) https://www.arm.com/company/news/2018/10/announcing-arm-neoverse
*2) https://www.arm.com/company/news/2019/02/our-next-step

Arm Neoverseの導入が加速
Neoverse N1ソリューションは、新しいインフラストラクチャ実現に向けた第一歩になりました。現在はスーパーコンピュータにおいてもイノベーションを支えており、世界最大級のデータセンターからエッジに至るまで幅広く導入が進んでいます。

こうしたインフラストラクチャの変革を加速させ、次のレベルのイノベーションを可能にするため、ArmはNeoverseの製品ロードマップに2種類の最新プラットフォームを追加しました。このたび、その概要を初公開するのが、Arm Neoverse V1プラットフォームと、Nシリーズ・プラットフォームの第2世代にあたるNeoverse N2です。

究極のパフォーマンス:SVEをサポートするNeoverse V1プラットフォーム
Vシリーズの第1弾となるNeoverse V1プラットフォームは、シングルスレッド性能が現行のNeoverse N1比で50%以上向上しており、CPU性能と帯域幅への依存度の高いアプリケーションでは、Arm史上最速を誇ります。重要な点として、Neoverse V1は、Scalable Vector Extension(SVE)をサポートしており、ハイパフォーマンス・クラウド、HPC、機械学習などの市場において、極めて大きな可能性を秘めています。

このSVEは、ユニット幅に依存しないソフトウェア・プログラミング・モデルを使用したSIMD(単一命令複数データ処理)により整数、bflolat16、浮動小数点の命令実行を、より広いベクタユニットで実現します。ArmはSVEによって、ソフトウェアコードの移植性や永続性とともに、効率的な実行を保証しています。

SVEのメリットに関する詳細は、こちらのブログ(英文)をご覧ください。
https://community.arm.com/developer/tools-software/hpc/b/hpc-blog/posts/why-arm-s-sve-will-bring-vector-computing-from-hpc-to-the-edge-303246189?_ga=2.65638894.1791006068.1600781433-251008996.1589501933

さらなる進化:Neoverse N2プラットフォームがスケーラブルなパフォーマンスを達成
市場が拡大する中、パートナーからは拡張性に対する要求が数多く寄せられています。Neoverse N2は、これまで以上に高性能の演算ソリューションを実現することで、クラウドからSmartNIC、エンタープライズ・ネットワーキング、さらには消費電力の制約のあるエッジデバイスまで、幅広い用途を対象にスケールアウト性能へのニーズに対応します。

さらに、Neoverse N2は、シングルスレッド性能がNeoverse N1比で40%高く、消費電力と面積効率についてはNeoverse N1と同水準を維持しています。

安定して機能するソフトウェアとイノベーションのビルディングブロック
継続的なイノベーションと設計の柔軟性に必要なビルディングブロックをパートナーに提供することは、Armにとって重要な目標の1つです。そして、こうしたミッションに欠かせないのが、システムレベルのソリューションの設計機会を実現するチップレベルのインターフェイスです。CCIXとCXLの両方に投資を行ったことで、Armのエコシステムは、適切なテクノロジーを迅速かつ効率的に提供できます。Armは現在、最先端のコアを提供するだけでなく、迅速なファブリックと高コア数の拡張性を備えたパートナーソリューションも実現しています。

Armのインターコネクト技術に加えて、Neoverseとそれを支えるソフトウェア・エコシステムには、極めて大きなビジネス機会が存在します。しかし、そのためには業界標準が必須であり、「Project Cassini」(*3)などのイニシアチブを通じてスムーズなソフトウェア開発体験の実現を目指しています。標準、プラットフォームのセキュリティリファレンス実装を提供する「Project Cassini」によって、Arm環境で安定して機能するソフトウェアを自信を持って導入できます。
*3) https://www.arm.com/blogs/blueprint/arm-neoverse-closer-to-ai-edge

さらに、Armはさまざまなインフラストラクチャ・ソフトウェアへの対応も進めています。OSやハイパーバイザ、Xen、KVM、Dockerコンテナ、そして最近注目されているKubernetesなどは、いずれもArmのサポートを発表しています。以前はArmが後押しする必要のあったプロジェクトも、今では自律的に推進されるようになり、商用ISVアプリケーションとともに大きな進化が現れています。

Armについて
Armテクノロジーは、コンピューティングとデータによる革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,800億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。
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配信元企業:アーム株式会社

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