新型コロナウイルスの感染拡大によって、これまでのように自由には外出できない、常に周囲とソーシャルディスタンスを保つなど、私たちは新しい生活様式に合わせて暮らさなければならなくなった。これまで当たり前と思ってきたことが貴重に思えて、幸せの感じ方が変わった人も多いのではないだろうか。

 そんなコロナ禍で人々の幸福度はどう変わったのか、各都道府県の住民へのアンケートによって「幸福度」を明らかにしたのが、ブランド総合研究所の実施した「都道府県『幸福度』ランキング」だ。

 このランキングは、ブランド総合研究所が今年6月に行った住民視点で地域の課題を明らかにする『都道府県SDGs調査2020』によるもの。それでは早速、47都道府県の住民へのアンケートでわかった「都道府県『幸福度』ランキング」を見ていこう。

※調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートインターネットにて実施。1万6000人から回答を得た(各都道府県から約350人)。調査期間は2020年6月12日~29日。住民に対し「あなたは幸せですか」という問いを投げかけ、「とても幸せ」「少し幸せ」「どちらでもない」「あまり幸せではない」「全く幸せではない」の5段階から1つ選んでもらった。回答はそれぞれ100点、75点、50点、25点、0点として全回答の平均を「幸福度」とした。昨年度の調査結果(順位)は、性別や世代などの属性で新たにウェイバック集計を行ったため、昨年度発表の順位と異なる。

都道府県「幸福度」ランキング
1位は2年連続で宮崎県に

都道府県『幸福度』ランキング」1位は、昨年に引き続き宮崎県となった。昨年は「とても幸せ」と答えた人が32.1%だったが、今年は36.1%と4ポイントアップした。また、幸福度の全国平均は昨年の66.6点から66.1点へとダウンしたのに対し、宮崎県は72.7点から74.0点へとアップしている。

 幸福度2位は昨年5位の沖縄県(72.2点)、そして3位は昨年18位の大分県(70.3点)となった。

宮崎県は「悩みがある」人が最も多いのに幸福度1位に

宮崎県は「悩みがある」人が最も多いのに
幸福度1位になった不思議

 今回1位になった宮崎県で特徴的なのは、『都道府県SDGs調査2020』で幸福度の調査と一緒に行っている「満足度」や「定住意欲度」の順位がそれほど高くない点だ。愛着度は10位と上位であるものの、満足度は23位、定住意欲度は28位にとどまっている。

 これに対して調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は「宮崎県では、幸福度や愛着度といった感覚的なものへの評価は高い一方で、満足度や定住意欲度のような実体を伴うものへの評価は高くないようだ」と語る。

 同調査では「個人の悩み」についてもアンケートを行っており、田中社長は「個人の悩みは幸福度に影響を与える要素」だと語るが、宮崎県は「悩みがない」と答えた人の割合は11.6%と全国で最も少ない、つまり「悩みがある」人の割合が全国で最も多いという意外な結果となった。

 実際、個人が悩みとして「低収入・低賃金」を選んだ人が多い都道府県では7位(41.5%)、「貯蓄・投資」は4位(28.7%)、「借金・ローン」(19.7%)ではなんと1位になるなど、経済や金銭面での悩みを抱えている人が多い。

 その一方で悩んでいる人が少なかったのが、人間関係に関する項目だ。例えば、個人の悩みとして「不登校ひきこもり」を選んだ都道府県では42位(0.7%)、「家庭内暴力・DV・虐待・非行」は42位(0.2%)、「孤独」は44位(1.7%)、「パワハラ」47位(1.6%)と、いずれも悩んでいる人は少なかった。

宮崎県民ももちろんさまざまな悩みを抱えているし、満足できないこともある。しかし、夫婦や親子関係、学校や職場の人間関係など、人と人とのつながりがマイナス面を十分にカバーしてくれており、それが幸福度につながっているのではないか」(田中社長)

ダイヤモンドセレクト編集部 林恭子)