持続化給付金や家賃支援給付金の支給対象から、性風俗業者が外されているのは違憲だとして、関西地方デリバリーヘルスを営む業者が9月23日、国などを相手取り、持続化給付金と家賃支援給付金、慰謝料など計約447万円をもとめて東京地裁に提訴した。

原告の代表者(女性)は無店舗型の性風俗店、いわゆるデリヘルを経営していたが、新型コロナ感染拡大とそれに伴う休業要請で、売上が激減した。性風俗事業者は、持続化給付金の対象外だったことから、ことし6月、中小企業庁に陳情書を提出していた。

訴状などによると、原告側は、持続化給付金などが公的な契約(行政契約)にあたり、性風俗事業者は支給の対象外とした規定は、法の下の平等を定めた憲法(14条1項)に違反しており、裁量権の逸脱濫用でもあるから、無効であると主張している。

「お前たちだけはダメだと言われたように感じる」

持続化給付金の目的は、「感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただくため」とされている。

中小企業庁は弁護士ドットコムニュースの取材に「過去の公的金融機関や国の補助制度での対応を踏まえ、持続化給付金の給付対象から外している」と回答している。

代表者の女性は、弁護士ドットコムニュースの取材に「日本中が苦しんでいるときに、"お前たちだけはダメだ"と言われているようで、差別だと感じました」と話す。

「法律を守るのは当然ですし、税金もきちんと納めてきました。反社会的勢力(反社)とのつながりもありません。もし、性風俗業界でそういうことが起きているのなら、普段からきちんと警察が対応すればいいし、申請時にきちんと審査すればいいだけなのに、なぜ業種で差別されるのでしょうか」(代表者の女性)

「特定の職業に対する誤解や偏見がないかを考えてみるきっかけに」

原告代理人をつとめる亀石倫子弁護士は、次のように裁判の意義についてコメントした。

「国は、性風俗事業者を持続化給付金の対象外とする理由について、『社会通念』や『国民感情』を理由にして"これまでもずっと公的給付の対象外だったから前例を踏襲する"と説明しています。しかし、それはほかの事業者と区別する合理的な理由といえるのでしょうか。単なる職業差別ではないでしょうか。

この訴訟は、国の対応は、憲法が保障する平等原則に反するのではないかを問うものです。コロナ禍は、私たちの社会に存在するさまざまな差別を浮き彫りにしました。この訴訟が、性風俗について考えてみるきっかけになること、そして私たち自身のなかに、特定の職業に対する誤解や偏見がないかを考えてみるきっかけになればいいなと思っています」

原告側は、この訴訟のためのクラウドファンディングをおこなっている。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000064

「なぜ業種で差別するんですか?」 デリヘル店が「持続化給付金」もとめて国を提訴