4~6月期のGDP改定値は戦後最悪の前期比年率マイナス28.1%を記録(8日、内閣府発表)。もはや誰しも“失職”は他人事ではない。働き盛りの10人に1人が失業者となったとき、最後のセーフティネットとなるのが生活保護だ。しかし、行政はその膨大な仕事量に耐えうるのだろうか? 自立生活サポートセンター・もやい理事長の大西連氏に話を聞いた。

▼激変する失業率10%社会の日常
◆失業率が10%になったら…生活保護申請者が激増し行政がパンク。街がホームレスだらけに

「相談件数や炊き出し参加者は増えたものの、コロナ禍ホームレスになった人は現状さほど多くありません。10万円の給付金や休業補償などによる効果と見られますが、これらも結局はリスクを先延ばしにしただけ。収束の見通しが立たず経済が停滞している以上、耐えきれなくなった人々から順に生活が破綻していくリスクは今後もくすぶり続けます」

 こう語るのは、生活困窮者の支援を行う自立生活サポートセンター・もやい理事長の大西連氏だ。このように、失業し生活が破綻した場合真っ先に頼るべきは生活保護などの公的扶助。しかし大西氏は「今後、こうした最後のセーフティネットさえ崩壊する可能性がある」と続ける。

◆現時点で役所はキャパオーバー寸前

「失業率が10%になれば、当然ながら生活保護受給者は激増します。しかし、失業率2%台で推移する現時点で役所側の事務処理能力はキャパオーバー寸前。今以上に生活保護の申請をする人が増えると、機能が停止する恐れが出てきます。

 そうなると、本来あってはならないことですが、申請の相談をするために数日間待たされたり、本来受給資格がある人が窓口で追い返されたり、不当に受給条件が厳しくなることも想定されます」

 失業率の増加は、皮肉にも頼みの綱である福祉行政の崩壊を招くということか。そんな社会では、街の風景さえも一変する。

「公園は野宿者で溢れ、生活困窮者が空き家を占拠するスラム化が発生する可能性も。最悪のシナリオなのでなんとしても避けたいのですが……」

 失業者はおろか誰しもホームレスになりかねない時代なのか……。

【大西 連氏】
自立生活サポートセンター・もやい理事長。生活相談や炊き出し、啓発事業などを通じ、ホームレスや生活困窮者への支援を行っている。著書に『絶望しないための貧困学』(ポプラ新書)など

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[[失業率10%]の恐怖]―


コロナ流行以降、各地のハローワークには長蛇の列が。こうした混雑ぶりにより、正確な失業率はカウントできていないとの指摘も