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 本体比30%アップというふさふさな尻尾をもつこのリスは「フサミミクサビオリス(Tufted ground squirrel)」と言う。哺乳類の中で体に対する尻尾の太さが一番太い生き物である。

 ボルネオ島のみに生息し、地元では血の味を好む「吸血リス」として知られているが、その生態はまだよくわかっていない。

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モフいことこの上ない尻尾

 そもそも本体サイズですら普通のリスの2倍はある。尻尾の長さはなんと35cmにおよぶという。この猛々しくもモフモフしくもある尻尾を見てほしい。戦闘力は高そうだ。

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 ジャカルタの「ピープルアンドネイチャー・コンサルティング・ インターナショナル」の保全科学者であるエリック・メイジャード氏と、その妻であり科学者であるロナ・デニスは、このフサミミクサビオリスの写真を集め、その写真を、彼らの15歳の娘でジャカルタブリティッシュ・インターナショナル・スクールに通うエミリー・メイが分析した。いろんな個体の体長と尻尾の長さを測ったのだ。

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 その結果、このフサミミクサビオリスのブラシのような尻尾は、リスの胴体の1.3倍もの太さがあることがわかった。

 米国ワシントンのスミソニアン博物館の哺乳類学者であるメリッサ・ホーキンズは言う。「すごく強烈、しかもまた耳がとんでもなくフサフサなのよ。」

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なぜ巨大な尻尾を持っているのか?/h3>
 同じように尻尾が太く、胴体と同じぐらいの太さがある生き物は数種類存在する。フクロシマリスは尻尾を巻きつけて木に登るし、オプトフクロモモンガは飛ぶ時の舵取りに尻尾を使う。また、カコミスルは、木の上での曲芸をする時に尻尾をバランスをとるために使う。

 でもここまで極端に尻尾だけが大きくなっているのはフサミミクサビオリスだけで、なぜこんなふうになってしまったのかはまだわかっていない。

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 エミリー・メイと共著者たちは、このフサフサの太い尻尾を上下させることによって、ウンピョウをはじめとする捕食者の目を惑わせることができるのではないか?もしくは捕食者が襲ってきた時に掴みにくいからではないか?などの仮説を立てている。

 この考えは一理あるかもしれない。ホーキンズの研究仲間がボルネオでこのリスを初めて見た時に、とてつもなく巨大な生物に思ったというのだ。

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 ということでほんとに血の味を好むのか?また、この尻尾に毒とか仕込んでいるのか?新たなる研究結果が待たれるところだ。

via:sciencemag・原文翻訳:LK

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52167849.html
 

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