川沿いや田んぼのあぜ道で、この時期になると突然現れる花がある。彼岸花ヒガンバナ)、別名をリコリスや曼殊沙華という。赤い花弁は妖艶な雰囲気を放ち、経口摂取すると、最悪死に至らしめるが、一方で曼殊沙華という名前の通り、釈迦との縁も強く、吉兆の象徴ともいわれている。

彼岸花は球根性植物で種子を持たない。そのため自然発生的に誕生したと言われている。種子がないということは、繁殖はその場でしか行われず、同じ場所でしか咲くことが出来ない。もしも彼岸花を見かけたら、それはほぼ間違いなく人為的に植えられたものと考えて良い。

今回はお彼岸である九月を代表する花として彼岸花を、その特徴だけでなく、彼岸法要などの葬送儀礼などと絡めて紹介する。話を伺ったのは全国で家族葬を展開しているという心に残る家族葬の葬儀アドバイザーだ。

彼岸花と彼岸法要の関係は?

彼岸花は、食べると「彼岸(あの世)に行く」という意味から彼岸花となったそうだが葬送儀礼の彼岸法要とも関係がありそうだ。

「誤解されている方が多いのですが、彼岸花はお彼岸の時期に咲くというだけで、お彼岸法要との直接的な関係はありません。むしろお墓参りの際に彼岸花をお供えすることはマナー違反とされています。なぜなら毒があるからです」(葬儀アドバイザー)

彼岸花と彼岸法要は時期が一致するだけで、実は無関係だったのというのはあまり知られてないだろう。

■遺体を守り、飢えを防ぐ彼岸花

彼岸花には地獄花や死人花、幽霊花、墓花、葬式花などの不吉な別名も多数存在する。これも全て有毒植物であることが原因である。

「確かにそのとおりなのですが、その毒が役に立つこともありました。その昔、まだ土葬が主流だった頃、遺体を埋めたあとに、その遺体が害獣などに損なわれないように、彼岸花を植えて遺体を守ったと言われています。お墓で彼岸花を見るのはその名残だと思います。また飢饉や飢えなどの際に、その毒を抜いて食用にもしていたそうです」(葬儀アドバイザー)

彼岸には「死」や「あの世」などの意味が含まれているが、飢えを防ぐ非常食としての一面もあるため「悲願」花とも言われている。

■不吉と吉兆の両面併せ持つ彼岸花

不吉と吉兆の両面併せ持つ彼岸花だったが、別名が数多く残っていることからも分かる通り、私たち日本人と長く生活をともにしてきたことは明らかだ。

ちなみに彼岸花は一年を通してこの季節(九月中旬から十月上旬)にしか咲かない。生育地は日本であれば北海道から九州まで幅広い。興味がある人は近所の田んぼを散歩がてらに覗きにいってみてはどうだろうか。あるいは少し遠出をして名所を訪れ、一面の赤を見るのもおすすめだ。

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ライター o4o7

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

死に至らしめることもあるが遺体は守るし飢えも防ぐという9月の謎の花