サイボーグ化に前向きなヨーロッパ人

サイボーグ化に前向きなヨーロッパ人 / Pixabay

 サイボーグの体と電脳が常識になった未来をリアルに描いたのは日本のマンガ作品だが、新たな技術に慎重になる部分があるのも日本人だ。もし将来、その技術が登場したとき、一足先に普及するのは海外諸国かもしれない。

 コンピューターセキュリティ企業「カペルスキー」が実施したアンケート調査をまとめた『The Future of Human Augmentation 2020』と題されたレポートによれば、ヨーロッパ人の3分の2が、健康のため、体や能力を強化するために、できるものならサイボーグ化(義体化)を検討すると考えているそうだ。

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63%のヨーロッパ人がサイボーグ化を検討

 アンケートヨーロッパの16か国、のべ1万4500人に対して実施された。「もしも生身の体を機械の体に変えることができたらどうする?」という問いに対し、全体では63%の人が、サイボーグ化することで健康や能力を改善できるのであれば、実際にそれを考慮すると回答した。

 サイボーグ化を考えるとの回答が一番多かったのはイタリアだ。じつに83%のイタリア人が前向きな姿勢を見せており、その理由として、「生活の質の向上」「苦しみの緩和」「能力の向上」が挙げられた。

 全体的には、サイボーグ化を考える理由として一番多かったのは「健康全般の改善」だ。次いで「視力の向上」「体の魅力の向上」「力の強化」「知能の強化」が挙げられた。

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国によっては、サイボーグ化を懸念する意見も


 もちろん全員がサイボーグ化に前向きなわけではない。

 イタリアのほか、スペインポルトガルといった南欧ではサイボーグ化を受け入れる人たちが多かった一方、イギリスフランスオランダといった西欧では、それを懸念する意見が半数(それぞれ58%、49%、47%)に及んでいる。

 またサイボーグ化に関心を示す人たちでもあっても、それに対する疑いや恐怖がまったくないわけでもなさそうだ。

 たとえば、「デバイスの誤作動」や「生身の体に回復不能な損傷」を受けるといった心配などだが、特に顕著だったのは脳のインプラントで、88%の人たちが「ハッキングされるリスク」を心配していた。

 さらに、こういったサイボーグ化ができるのは富裕層だけだろうという見方も一般的だった。

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Pixabay

すでに普及しつつあるサイボーグ化技術


 応用倫理を研究するオックスフォード大学上廣センタージュリアン・サヴァレスキュ所長は
サイボーグ化(義体化)の普及には、いく人かの先駆者と成功例が必要になるでしょう。一般の人が実際にそれを試すのは、本当にそれが有効であると証明されてからのことです

と、コメントしている。

 なかなか難しい問題だが、今回のレポートで言及されているように、人体の能力を機械で補うことは今だって普通に行われている。

 視力が落ちればメガネをかけるし、耳が悪くなれば補聴器を使う。心臓が悪くなればペースメーカーを胸に埋め込むだろう。

 また常に持ち歩くスマホだってある種の義体化と考えることもできる。それは今のところ人体に直接詰め込まれてはいないが、補助的な脳として、まるで自分の一部であるかのように感じている人だっているのではないだろうか。

 ではここで日本のみんなに質問だ。

References:Study: Nearly Two-Thirds Of Europeans Would Consider Becoming Cyborgs / written by hiroching / edited by parumo 全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52294970.html
 

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