楽天の三木谷浩史会長兼社長 楽天の三木谷浩史会長兼社長は2011年6月30日、ニコニコ生放送の『田原総一朗 談論爆発!』に出演した。三木谷氏は、5月にパリで行われた「G8(主要国首脳会議)」で他国のリーダーと比べ菅直人総理が孤立していた点や、G8に先立って行われたインターネットに関するサミット「eG8」においても、日本から出席していたのが三木谷氏ただ一人だったというエピソードを紹介。インターネットの発達とともにグローバル化が急速に進むなか、日本の「ガラパゴス化」が政治・経済の両面で強まっており、世界の舞台に日本が出遅れていることを指摘した。

楽天・三木谷社長×田原総一朗(1) 検察が狙っているのは堀江、孫、三木谷!?
http://news.nicovideo.jp/watch/nw81766

 以下、番組での三木谷氏と田原氏のやりとりを全文、書き起こして紹介する。

■世界のリーダーたちの確信以上の確信とは

田原総一朗氏(以下、田原): ところで、流通総額でいくか時価総額でいくかだが、三木谷さんの楽天は今世界で何番目か。

三木谷浩史氏(以下、三木谷): 考え方によってだと思うが、3番か4番。

田原: 3番か4番――。1位はどこか。

三木谷: 1位は、AmazonかeBay。

田原: あ、AmazonかeBayね。

三木谷: それから中国の淘宝網(タオバオ)と、うちという感じか。

田原: すごいな。三木谷さん一代でガーンと伸びた。理由は何か。

三木谷: インターネット自体がショッピングだけではなく、すべての物事を変えていく。流通も変えるし、それから当然・・・。

田原: マスメディアも変える。

三木谷: いま(インターネットは)「第八の大陸」という言葉ができたが、中東でジャスミン革命が起こったように、もう社会とか政治も・・・。

田原: ジャスミン革命。チュニジアやエジプトで独裁者がついに追われた。

三木谷: もう世界のあらゆることが、教育も医療もすべてが、インターネットをベースに変わろうとしている。その時に、この国(日本)はすごい遅れている、考え方が。

田原: どこがどう遅れているのか。

三木谷: 先日、eG8、G8というサミットがあって、そこに呼ばれて行った。

田原: G8サミットとは、菅さんも行ったやつか。

三木谷: 菅さんはいらっしゃった。

田原: あの時、一緒に行ったのか。

三木谷: 世界のインターネット起業家の、Googleのエリック・シュミット(CEO)とか、Facebookのマーク・ザッカーバーグ(CEO)とか6人。G8サミットで8カ国のリーダーと、われわれが1時間半くらいディスカッションをやった。驚いたのは、それこそ(フランスの)サルコジ大統領にせよ、(アメリカの)オバマ大統領にせよ、心の底から実感としてインターネットが世の中を変えるんだと。好きとか嫌いとかじゃなくてそうなんだっていうことを、もう確信というか、確信以上のものを持っている。

田原: 本当にそう思っている。

三木谷: 本当にそうだと思う。特にジャスミン革命が起こって以来、ヨーロッパの人たちはもう今までのやり方は通用しないというのを実感している。そうであれば、この波の流れに先乗りするぞということで、自分の国がイニシアチブを取るんだということだと思う。日本はその感覚がないんだと思う。この国の政治家の人も経済界の人も、それが分かっていないのがヤバイ。

田原: ちょっと待って。経済界のことを言う前に政治家、菅さんは何かそこで感じた風はあるか?

三木谷: 大変残念だったけれども、ご発言なさらなかった。

田原: あ、発言ないの。何しに行ったんだ。

三木谷: いやいや、あまり言うと怒られるかもしれないけれど。

■「ガラパゴス日本」

ニコニコ生放送で対談した田原総一朗氏と楽天の三木谷浩史社長田原: 日本からは、企業家としては三木谷さんだけか。

三木谷: そう。その前に前座でeG8というのがパリの市内であった。多分世界から1000人ぐらいインターネット起業者が来ていたと思うけれど、残念ながら日本からは私だけ。少なくとも登壇したのは私だけだった。

田原: 1000人来ている中で、日本からは三木谷さんだけ? 政治はともかく、なんで日本の経済界はそんなに出遅れているのか? 何がダメなのか。

三木谷: やはり、「ガラパゴス日本」と言われる――。

田原: ガラパゴス、うん。

三木谷: そこそこに大きい日本のマーケットで、どうやって食っていくかということ、あとはその製品を作って輸出する――わかりやすく言うと、この2つのモデルしかない。サービスなり金融で出て行って、世界的企業を育てようという感覚が、もともとないのではないか。だから商社が必要だったりするのだと思う。

田原: ちょっと待って。(アシスタントに)ガラパゴス化って分かる? 多分、この番組を視聴している人の多くも分からない。「ガラパゴス」って、どういうこと?

三木谷: 例えば、携帯電話の分野。2年前までその世界で一番進んでいる携帯電話は――。

田原: ドコモのiモードだった。

三木谷: それからビジネスにしても(世界で一番進んでいるのは)どこですか? って言ったら日本だった。かなり現実的に、非接触のICチップを入れたりカメラをつけたり、いろんな意味で日本が先進的な取り組みをやってきたわけだが、結局世界規格にはならなかった。

田原: ならなかった。結局ヨーロッパ規格が標準になってね。

三木谷: なぜかというと、やっぱりそういう会議に――今回のeG8もそうだが、出ていって発言する人がいない。

田原: 日本は。ダボス(世界経済フォーラム年次会議)でも駄目か。

三木谷: ダボスはまた政治的な色彩が非常に強いと思う。

田原: 発言しないのはなぜ?

三木谷: そこに行って、ピンで個人として勝負できる人がいない。

田原: なんで? 英語ができない?

三木谷: それは非常に大きいと思う。やっぱり、あと内向きである。

田原: その内向きとは、どういうことか?

三木谷: 例えば先ほどのG8で言うと、サルコジさんとオバマさんはファーストネームで、「バラク!」なんてやっているわけだ。

田原: なるほど。

三木谷: ところが残念ながら、日本の総理は孤立している感がある。

田原: なんで孤立してる?

三木谷: なんでか、逆に聞きたい。

田原: 菅さんはあまり英語ができないだろうと思うけれど。

三木谷: 英語ができなくても多分、小泉(純一郎)さんだったり、中曽根(康弘)さんだったりというときは、やっぱりもう積極的に行ってコミュニケーションして・・・。だからそういうマインドを、この日本の国内のマーケットだけにいるのではなくて、やっぱりこれから若い人は世界を見ていかなくちゃいけない。

楽天・三木谷社長×田原総一朗(3) 追い抜かれていく日本
http://news.nicovideo.jp/watch/nw81771

(岩本義和、大住有、丹羽一臣、西川真帆、伊川佐保子)

◇関連サイト
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