Amazon Originalドラマシリーズ「誰かが、見ている」に出演する女優の山本千尋さん。同作は、何をしても失敗ばかりでも、なぜか憎めない舎人真一(香取慎吾さん)と偶然、書斎の壁に発見した“穴”から、真一の生活をのぞき見する隣人・粕谷次郎(佐藤二朗さん)を中心に巻き起こるドタバタを描くシチュエーションコメディードラマ(シットコム)です。山本さんは、粕谷次郎の娘あかね役で出演しています。

 オトナンサー編集部では、山本さんにインタビューを実施。シットコムや三谷幸喜監督作品に参加した感想などを聞きました。

三谷監督が成長を考えてくれた

Q.シットコムに出演されていかがでしたか。

山本さん(以下敬称略)「ワンシチュエーションでお芝居をしていたのですが、セットには舎人さんの部屋と粕谷家の部屋があり、その前でお客さんが見ていて、セットとの間にカメラがあったので、どこを意識したらいいのか分からず最初は戸惑いました。三谷監督がお客さんを大事にしている方なので、ナチュラルな姿をお客さんに見せることは楽しかったですし、新鮮でした。

苦戦したのはワンシチュエーションなので、香取さんの部屋しか映さないシーンでも、私たちはサイレントでお芝居を続けていて、完全にアドリブで、目立たずにナチュラルなお芝居をするのが難しかったです。出来上がったものを見ると、そうしたお芝居が使われているシーンがあり、三谷監督のお気遣いだと思うのですが、ナチュラルなお芝居が映っていました」

Q.三谷組は初参加ですが、オファーを受けたときの心境を教えてください。

山本「三谷組といえば、ベテランの俳優さんが集まって、お芝居のスキルの高い方々が出演されているなと思っていたので、私のように経験が少ない人が選ばれて、びっくりしたのと同時にうれしかったです。

でも、不安があることは三谷さんに見抜かれていました。一番寄り添ってくれたのが三谷さんで、あかねという役は私が作った役というより、三谷さんが一緒にあかね役を探してくれました。私の素の部分を引き出してくれて、あかねの成長を考えてくれました」

Q.三谷監督と撮影前、マンツーマンのリハーサルがあったと聞きました。

山本「皆さんより1日多く、三谷さんがマンツーマンでレッスンをしてくださいました。それが厳しいわけではなく、ありがたかったです。お芝居の経験も共演者の方々ほど多くはないので、単独レッスンでした。皆さんと一斉にスタートだと足を引っ張るのが分かっていたので、三谷さんが手を差し伸べてくださいました」

Q.香取慎吾さん、佐藤二朗さんとの共演の感想を教えてください。

山本「二朗さんは一番、掛け合いが多かったです。始まってすぐ、『千尋』と下の名前で呼んでくださり、私が経験が少ないことも分かってらっしゃるので嫌な顔をせず、身近で寄り添ってくださり、アドバイスも頂きました。

『公開するにあたってインタビューを受けると思うけど、俺からアドバイスを受けたとか絶対に言うなよ』と言われました(笑)ちょっと裏切ることにはなるんですが、感謝してもしきれないくらいアドバイスを頂き、親子みたいになれてうれしかったです。

香取さんはクールな方で、最初は劇中で登場するお部屋が違うので、いい感じの距離感を保ってくださいました。優しさを見せない方で、アドバイスをするのではなく、そっと見守ってくれていました。人柄の温かさを見習いたいと思いましたし、香取さんに何かするということができなかったので、いつかお返しできるように頑張りたいと思っています」

Q.今作での一番の挑戦を教えてください。

山本「アクションありきな役が多かったのと、黙々と人を殺しているような、感情がない役が多かったので、あかねは喜怒哀楽が激しく、自分を解放するのが楽しかったです。アクションをするよりも体力を使いました(笑)人の感情ってこんなに豊かなんだなということを三谷さんに教えていただきました」

Q.新しい面が引き出される現場だったのでしょうか。

山本「香取さんも二朗さんも表現が豊かなので、私もそれに負けない表現をしないといけません。最大限のテンションの高さで演じたのですが、ドラマを見ると『私の顔うるさいな』と思いました(笑)」

 Amazon Originalドラマシリーズ「誰かが、見ている」はAmazon Prime Videoで、世界240以上の国と地域で配信中。

オトナンサー編集部

山本千尋さん