声優としても活躍中の鈴村健一(月~木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーハードキャッスル エリザベスパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。9月16日(水)放送のコーナーリポビタンD TREND NET」のテーマは「菅新総理が掲げた政策、実現可能か?」。元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。

(左から)鈴村健一宇佐美典也さん、ハードキャッスルエリザベス



マイナンバーカード普及だけではない、デジタル庁創設の意味

鈴村:菅内閣発足を受けて、菅さんが総裁選挙で掲げていた政策、果たして実現可能なのか。まずですね、菅さんが目玉として掲げている「デジタル庁の創設」ですが、デジタル庁を創設すると、国民にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか?

宇佐美さん:菅さん自身のお言葉によると「デジタル庁を創設して、マイナンバーカードの普及のきっかけにする」とおっしゃっているのですが、それだけだと少し弱い気がしまします。

最近できた省庁だと消費者庁がありますが、あのときは各省庁が産業の振興をしつつ規制するということをやっていて、それだと本当に消費者の目線で政策ができないのではないか? 消費者保護の法制がバラバラになってもおかしいし、ちゃんと消費者目線の省庁が必要、という強い問題意識があったのです。

今回だと、マイナンバーカードの普及だけではなく、社会全体をデジタル化するためには、安全安心な環境、サイバーセキュリティを進め、重視する必要があると思います。今回はまさに、ドコモ口座からの不正引き出しが問題になっていますが、デジタル化するためには、その分セキュリティも重要になってくるということで、デジタル改革担当大臣の平井卓也さんは、“サイバーセキュリティ基本法”という法律を作った方なので、そういう意味では適材適所だと思います。

鈴村:確かにデジタル化が進まない、国民に浸透しないのは、まだ「ネットが怖い」みたいなのがどこかしらにある感じがしますよね。そういう意味では、セキュリティがしっかりすることで推進していくものがあるということかもしれません。

携帯電話料金の値下げ、不妊治療の保険適用の実現可能性は?

鈴村:「携帯電話料金の値下げ」ですが、こちらは実現可能だと思われますか?

宇佐美さん:実現可能だと思いますが、それがいいのか? というと、微妙な問題です。「個別企業の経営に政府が介入する」ということなので……。

最近、先進国の多くは“電波オークション制度”というものを取り入れています。電波というのは限られた資源ですから、その電波の枠をオークションで企業間でお金をつけあって、1番高いお金をつけたところに認可するという制度を採用している国が多いです。

だけど日本はそうではなくて、総務省が「この会社が1番いいんじゃないか」と判断して、ある意味“裁量”で会社を選ぶので、そういう意味では昔の電器産業、自由化する前の電器産業に近くて、電機業界も料金規制なんかが昔は強かったので。だから逆に、「電波オークションがいやだったら、料金を下げろ」みたいな交渉が裏で行われるのではないか? という気がします。

鈴村:なるほど携帯電話料金が下がる可能性があるということですよね。そして、「不妊治療の保険適用」こちらはいかがですか?

宇佐美さん:これは十分できますね! 幸か不幸か、新型コロナウイルスの影響で予防が進んで医療費が大きく下がっています。医療費は普通の年だと42兆円弱なのですが、このペースでいくと今年は30兆円台半ば~前半に落ち着く可能性が高いです。

もちろん、不況で保険料の徴収も下がるのですが、それでも、健康保険財政に多少の余裕が出るので、不妊治療に1人平均100万円……3割負担で30万円、これを10万人に適用したとしても数百億円オーダーの財政なので、十分に対応できる数字です。少子化対策にある程度寄与するので、いいことだとは思います。

厚生労働省ドラクエに例えると…?

鈴村:「厚生労働省の再編」なのですが、再編するとどのようなメリットがあるのでしょう?

宇佐美さん:省庁の再編自体が国民生活にどういう影響を与えるかというのは、わかりにくいんです。内部の視点的にいいますと、たとえば厚労省ってドラクエに例えると、“レベルが上がりきった仲間”なんです。

鈴村:おっ、出た! もうレベル99だ!?

宇佐美さん:もう、上がりきっているから伸びしろがなくて、限界まで来ているんですけど、主要メンバーなので替えづらいという状態で……。権限も予算も業務も多すぎるので、今、見直さないと。先行きに問題はあるのですが見直すには難しい、という問題なんですよ。

鈴村:ほかに実現してほしい政策はありますか?

宇佐美さん:僕はやっぱりハロプロコンサートに行きたいので、ライブコンサートの本格再開を……。あと、最近、森高千里さんにもハマっていて、森高さんのコンサートにも行きたいので、ぜひよろしくお願いします!

鈴村:僕もライブに出たいです。菅新政権は、山積み課題のうち何を優先するのかを考えて、一つひとつ解決できる政権であってほしいな、と思います。


【番組概要】
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ鈴村健一(月~木曜)、山崎樹範(金曜)、ハードキャッスル エリザベス
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one
デジタル庁の創設、不妊治療の保険適用、携帯料金値下げ…問題山積み・菅新政権の政策を制度アナリストが解説