新型コロナウイルス感染症の勢いが弱まっている。人口100万人当たりの日々の陽性者数、死者数の推移を集計したところ、死者増加の勢いが鈍化していることが分かった。正念場は、北半球が冬を迎えるこれからのおよそ半年間。ワクチンや特効薬の開発はまだかかりそうだが、この冬を乗り越えれば、世界的な終息への期待が高まる。

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 地域別にみると、特徴的な動きをしているのがヨーロッパイタリアスペインイギリスなど、第一波で大きな被害を受けた国が多いエリアだ。陽性者数が4月38.0人、死者数が4.7人だった。一方、9月に入り第2波が襲来。直近陽性者数は、4月を上回る53.2人。しかし、死者数は4.7人から0.5人と激減。感染症をうまくコントロールしつつある状況だ。

 アジアではイラクインドの増加が目立ち、感染者数が4月の2.5人から直近で24.4人と大幅に増えている。死者数も、4月の0.1人から0.4人と増加。陽性者数がほぼ10倍に増えているペースに比べれば、死者増加のペースは緩やかだ。アフリカでも、南アフリカモロッコの感染拡大が響き、陽性者数が4月の0.8人から直近で5.8人と増加。死者数も直近で0.2人と増えている。

 オセアニアも同様、陽性者数が2.3人から4.0人に増加。死者数も0.1人から0.3人に増加した。これらの地域は、死者数がいずれも1人以下で、感染拡大にあっても死者数の増加はある程度抑え込めている。ちなみに日本は、陽性者数が4月3.2人、直近で4.6人と増えている。死者数が4月で0.095人、直近で0.086人とわずかながら減少した。

 問題なのは南北アメリカだ。北米では、陽性者数が4月の53.7人から直近で84.2人に増えた。死者は3.6人から2.3人と減少しているが、依然高いレベルだ。さらに深刻なのは南米だ。陽性者数は、4月の11.8人から直近で143.8人と激増。死者数も0.6人から4.0人と大幅に増え、世界の各エリアで最悪の値だ。

 ブラジルはようやく下降トレンドに入ったが、今度はアルゼンチンの感染が拡大している。南半球に位置し冬真っ盛りということもあって、感染が加速した可能性もあるが、これから春に向かうことを考えれば、今後、終息への期待は高まる。

 感染者が増えつつも、死者の抑え込める傾向は世界的に広がっている。特にヨーロッパの死者の減少は大きな変化だ。あとは、南北アメリカ大陸で死者を抑え込むことに成功すれば、世界的な終息も見えてきそうだ。(BCN・道越一郎)

世界的に感染拡大の傾向は続いているが、死者はそれに比して増えてはいない