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もし幼稚園や小学校に臨時でやってきた教師が全身にタトゥーを入れていたら、子供たちはどんな反応をするだろうか。日本であればタトゥーが発覚した時点で採用はされないだろうが、フランスに住む35歳の男性教師は「怖がるのは一瞬だけ。タトゥーをしていても教師の能力が劣るわけではない」と持論を展開し物議を醸している。見えないところだけならまだしも、彼のタトゥーは眼球にまで及んでいるのだ。『Oddity Central』『The Sun』などが伝えている。

仏パリ出身のシルヴァン・エレーヌさん(Sylvain Helaine、35)が初めてタトゥーに挑戦したのは、英ロンドンに住んでいた27歳の時だった。それからというものシルヴァンさんはすっかりタトゥーに魅せられ、今では頭頂部からつま先、手のひら、口の中、舌、男性器に至るまで全身にタトゥーを施している。また「失明の恐れがあるから」と躊躇していた眼球にも最近、黒のタトゥーを入れ、シルヴァンさんには白目がない。

Euronews』によると、シルヴァンさんはこれまでの8年間でタトゥーに約740万円(6万ユーロ)を費やしたそうで、彼は「身体がインクで100%埋めつくされるまで、タトゥーを止めることはない。健康への影響がない限りはね。情熱を注げるものにはどれだけお金をかけても惜しいとは思わないし、タトゥーが増えるほど自分が幸せになるのを感じるんだ。他の人が私をどう見るとか、そんなことは気にしなくなったね。タトゥーはアートだよ。常に進化しているんだ」と言い切る。

そんなシルヴァンさんは12年前、武道のコーチを辞めて教師になった。現在はモデルやコメディアンとして活躍する傍ら仏エソンヌ県の臨時教員をしており、時には全く面識のない児童や親がいる学校で教鞭をとる。

ルヴァンさんは「初めてのクラスでは、外見だけを見て私を怖がる親や子供がいるけど、それは自然なことだと思う。でもきちんと挨拶をして『しっかりとした知識を持った教師』とわかると、『普通の人間と何ら変わりがない』と思ってくれるんだよ。子供たちに必要なのは2~3分かな。すぐに打ち解けられるんだ。時々校庭で遊んでいる私を見て、苦情を言ってくる人がいるけど、1000人に1人くらいだね。私のクラスで文句を言う親はいないよ」と明かし、こう続けた。

タトゥーをしているからって、教師としての能力が劣るってことはないと思う。私はいつも全力で仕事をしているし、教師の仕事は大好きなんだ。それに子供たちは私を見て“寛容であること”や、“他人をリスペクトすること”を学んでくれると思っているよ。」

そんなシルヴァンさんの言葉を裏付けるように、教え子の1人はこう語っている。

「正直なところ、初めてタトゥーが入った眼球を見た時は怖かったわ。でも私の両親に『怖がる必要はない』って言われたの。今はどちらかというと、私の大好きな先生の1人よ!」

おフランスでは、公立学校の校内などで宗教的な標章や服装を禁じているが、タトゥー自体は禁止されていない。しかしながらシルヴァンさんのタトゥーはここ数週間、マスコミを巻き込んで盛んに議論が行われており、特に低年齢の親から「教師として相応しくない」との声が多数あがったようだ。その結果、シルヴァンさんは幼稚園児の指導が禁止され、6歳から11歳までの子供たちのみを教えることになったという。

画像は『The Sun 2020年9月23日付「ART CLASS Tattoo addict primary school teacher Freaky Hoody with blackened EYEBALLS terrifies kids with all-over body art」(Credit: Social media)』『Sylvain 2020年9月26日付Instagram「Man cave」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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